【感想・ネタバレ】《唯識》で出会う未知の自分 仏教的こころの領域入門のレビュー

あらすじ

「心はどこにある?」「自分って、何?」「死んだらどこに行く?」――現代人は、さまざまなギモンに対してすぐに答えを出したがるが、科学の知識を駆使しても解答の出ないことは多い。そんなときに、考えるヒントをくれるのが哲学だ。中でも、仏教哲学の基本とされる《唯識》を学ぶと、「すべての物事をありのままに受け入れる」力がつく。しかし唯識は難解だ。そこで著者は、プラトン、ニーチェ、老子など世界の哲学者の易しい言葉も引用、比較することで、唯識の特徴をわかりやすく解説。高校での講義録を再編集した、仏教思想の入門書。

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Posted by ブクログ

大乗仏教で言われる根本思想の一つ。唯識論。
この世の物事は全て主体の認識によるものである。

と言ってしまえば、わかったような気になるが、その背景には緻密な論理が構築されている。
表題は唯識論となっているが、ある高校での倫理の授業での講義を元に作られたようなので、根本的な「なぜ生きるか?」というところまで議題が発展しており、興味深い。
また、仏教だけでなく古今東西の哲学からの引用や比較もなされているのが個人的には良かった。

仏教や思想については異論ないが、社会問題の認識
ついては?があった。(とはいえ1976年に書かれたものなので、当時はそうだったのかもしれんが)

仏教のキーワードを再整理したいのにもオススメ。

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2024年09月08日

Posted by ブクログ

概念を理解するのが難しい唯識を、少し理解できたような感覚を得られた。何となく言っていることがわかるけど、具体に入ると難しい。

実際この唯識を会得するために長きに渡り修行している人がいるのだから、一冊読書しただけで分かるものではないと思う。教養として、一歩目として読む本。

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2021年08月09日

Posted by ブクログ

仏教の「唯識思想」は難解なイメージがありましたが、本書は非常に論理的かつ丁寧に解説されており、思っていた以上に納得しながら読み進めることができました。

阿頼耶識や末那識といった意識の深層構造は、ユング心理学でいう「集合的無意識」ともつながる発想があり、とても興味深かったです。私たちは普段、自我意識にとらわれていますが、実はその背後にもっと深い意識があり、それが世界を映し出し、自分自身を形作っているという視点は新鮮でした。

また、「無明を知ることが自己認識の第一歩である」という考え方や、「良いことをすれば必ず良い結果が返ってくる」という仏教的な因果論も、日々の行動を見つめ直すきっかけになりました。

今後は唯識を入り口に、禅や浄土真宗など他の仏教思想との違いも少しずつ学んでいきたいと思います

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2025年05月03日

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