城繁幸のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
7割は課長になれない話と言うよりは、正規、非正規、雇用の問題の本。「若者はなぜ3年で辞めるのか」の次の次の続編。
今まで私も非正規労働者は自己努力が足りないと思っていたが、確かにそれだけでは問題は解決されない。
グローバル社会の中、企業に負担を押し付けるのも、それで企業力が小さくされ、外資に負けてしまう。「正規労働者・公務員を守らない」と言うのが、良策だと思う。成果により賃金の上げ下げや解雇をしやすくなる。あぐらをかいていた人達も頑張って働くようになる。公務員ももっと給料を上げる変わりに、優秀な人をとり、駄目なら辞めてもらうくらいの体勢にできないかな。と思う。
以下勉強になった点
・大学院を出ても企業がそこまでの知識を求めておらず、就職出来ない現状がある。
・現在は「基幹業務を正社員に、その他は非正規雇用へ」という切り分けがなされる。正社員は総合職、マネージャーの資質が求められるので、コミュニケーション能力が必要とされている。
・「能力給」でなく「年功序列」と言うのは平均以上の人間に敬遠され、平均以下の人間にウケがいい。これでは優秀な外国人や日本人には敬遠されてしまう。
・解決方法として、労働市場の完全な流動化である。
正社員に対する解雇規定、労働条件の不利益変更規制を緩和し、処遇の柔軟な見直しを可能にすること。
・仕事で完全燃焼できるのは能力とかスキルとは全く別の資質で、それ事態一つの強力な才能と言っていい。日本型の最大の強みはその才能がない人間までも、冷酷で画一的な企業戦士に仕立て上げられたことではないだろうか。そしてそれこそが、戦後日本を豊かな国に発展させた功労者にしたのではないか。 -
Posted by ブクログ
卒業して就職したものの、すぐに働くのをやめてしまった人達は、今、何をしているのか。またそうすることによってどんな世界が広がったかを様々な人々との出会いによってまとめた新書。
こういう生き方もできるんだと参考にはなりましたけど、多くが大体高学歴の人達ばかりなので(苦笑)もっとまんべんなく取りあげて欲しかったなぁと個人的に思いました。学力が関係あるのなら大学以前の問題ということになりますし。
あくまで「就職して働き続ける」という選択肢しかないという「価値観」だけではないんですよ、ということだと思います。
ただ、人と違うものを選び、努力しても手に入るとは限りませんし、環境がそうさせてくれない方もいるはずなので、あくまで参考程度に読むのがベストかと。 -
Posted by ブクログ
「なぜ若者は3年で辞めるのか」の著者による、キャリア指南書。
本書の軸となっているのは昭和的価値観と平成的価値観の対比であり、
昭和的価値観とはいわゆるこれまでの日本の就労意識であった、終身雇用、
大企業に入れば安泰、年功序列、新卒一括採用などの意識や制度にもとづく
ものである。
著者によればこのような時代錯誤な制度はとうの昔に終わりを迎えており、
今はそういう価値観に縛られない若い世代が続々増えているとし、10数名の
事例を紹介しながら解説している。
色々なケーススタディがあって参考になるし、最後のあとがきを読むだけでもいいと思う。
この本で訴えたかったのは、あとがきにもあるように、「労働者が適正な報酬を得られるシステム」を確立し、「次世代をにらんだ利益配分システム」を作り上げることが必要ということなのだろう。 -
Posted by ブクログ
内容はヘビーですが、新書仕立てでもあって読みやすいです。
一面的見方ではなく「そこにはこんなウラもある」という細かな解説があって、社会福祉に興味があるけれどどこから入っていいやらという方に
良いのではないでしょうか。
今まであった「おじちゃんたちの論理」じゃなくて「今の現役世代」の論理になっているところが良いです。著者も略歴拝見しましたら、もう中年と言って良い世代ですもの、真剣です。
個人的には「それはどうかな」とか「そこは納得いかんな」というところも
ありますけれど、言ってることは大筋間違ってないでしょうし、そもそも
この方の言ってる段階に思考が行っていない若い方が多いのでしょうから
とにかくたくさん若い人に読んでほしいな、と思いました。 -
Posted by ブクログ
たまには新書も読まないと、ってことで手にしてみました。
「若者はなぜ3年で辞めるのか」の城さんの本。相変わらず切り口するどい、労働問題の論客の作品として読み進めたけど、結局前作以来の、年功序列悪玉論に終始。年功主義より成果主義・能力主義がいいのはわかるし、個人的には解雇規制を弱くすべきという論調は支持できるけど、ムラ社会にどのように導入すれば成功するか(当然、能力開発と再就職とセットでなければならない)、もちろんそんな「解決策や提言」はない。世代間格差の問題に警鐘をならしたいのは、氏より年下の世代として、子を持つ親として十分理解するし、そこは頑張ってほしいけど、専門家としてならすのであれば、もう少し踏み込んでほしい。後半以降に期待。 -
Posted by ブクログ
うちの会社も半数は非正社員で構成されている。
人件費を削減するための有効な手段。
必要となれば簡単に募集。
余剰が出れば、契約更新お断り。
年をとった人も、若い人もいるが、
それぞれの事情で勤めている彼ら。
雇用側からすればもっと頑張って欲しいと思い、
雇われている側からすれば、そんなにはやりたくない。
モチベーションをどうやって維持すればいいのだろう。
どこを目指せばいいのだろう。
自分もアルバイトから採用されて20年。
次第に雇用側に染まってきて、
でも、若い彼らの明日をサポートしてあげたい、とも思う。
中年の明日も不安だけど、若者の未来がせつなく思えてくる。
この本をバスの中で読みながら向かった忘年会。
滅多にしたことがないけど、若い連中を連れて飲みに行ったりした。 -
Posted by ブクログ
若者に限定しているが、総論的にはこれからの仕事の意識論である。雇用はこうあるべし、社会はこうあるべしというのはある程度の啓蒙性持つ反面、ほとんど影響ということに関しては期待できない。日本の雇用慣行「終身雇用」「年功序列」「企業内労働組合」「サービス残業」は確かに崩れつつあるし、これからもその傾向は続くだろう。一方で終身雇用、年功序列は労使双方が望む場合も多く、一律的でない。
日本の職業問題は、ひとつにやりたいことが確信できないまま就職先を選ばなければならず、しかも間違ったと気付いてもやり直しがかなり難しい点になる。要は転職市場が質・量共に未だ未成熟ということである。そのため、思い切って合わない会社から抜け出そうとすると、その行き着く先は独立か経済的にランクを下げた会社になる。
会社に合わないというのは単に、休日・給料・人間関係などのことをいうのでなく、もっと根本的な部分でのやりたい仕事そのものの選択のことである。チームワークか個人プレイ型か、創造的仕事かルーティーン型かなどやってみないと分からないことは多い。合わない仕事を続けるのは個人にとっても会社にとっても不幸なだけだが、合わないから数年で辞めるとどうしても今の社会では根性が足りないという精神論だけに論を収束しがちである。
今はインターン制などでそのギャップを埋めることもできつつあるが、大学時代にインターンをやることがはたしていいことなのか疑問もある。それよりは新卒市場と並行して、卒業後3年市場の転職市場が活発になるといい。自分の適性を最初の就職で十分に認識した上で本当の就職を行う。もちろん理想は年齢に関係なく転職市場が充実することなのだが、それはまだ時間がかかるだろう。
だが、経済が一部大企業を覗いて大部分がドメスティックな領域で完結していたのに対し、いまはグローバルな競争と知識経済への移行を通して、世界の経済情勢が結構直接的に影響し始めている。そうなると、雇用慣行もこれから加速度的に変化し、また情報の量的質的流通の拡大により職業意識もかなり変化することになるだろう。