マルキ・ド・サドのレビュー一覧

  • 悪徳の栄え 上

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    悪を人間の本性だとする彼の考えには、ひどく共感する部分もあった。本気ですばらしいと思う。全てが全て賛同ではないけれど。

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    2009年10月04日
  • 悪徳の栄え 下

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    サドは性愛小説のように読まれることが多いのですが、私からはキリスト教的文脈における「背徳」という思想を自ら生きた、希有の思想家に感じられます。三島が『サド侯爵夫人』で描いてみせたような不健全さなど実はあまりなかった、まことにストレートな直球勝負の人だったのではないでしょうか?

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    2009年10月04日
  • 悪徳の栄え 上

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    なぜかシモーヌ・ヴェイユとマルキ・ド・サドを同時に読んでいました…! 彼らには共通点があるのです。それは、獄死。サドといえば澁澤龍彦の訳と並んでこの一冊ですね。

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    2009年10月04日
  • 悪徳の栄え 上

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    いろんな先達に教えられ、本来自分の持つ悪徳の快楽を花開かせていく、美しいジュリエット。
    究極の悪へと邁進する、ジュリエットの成長物語。

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    2009年10月04日
  • 悪徳の栄え 下

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    いろんな先達に教えられ、本来自分の持つ悪徳の快楽を花開かせていく、美しいジュリエット。
    究極の悪へと邁進する、ジュリエットの成長物語。

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    2009年10月04日
  • 美徳の不幸

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    ネタバレ

    姉のジュリエットは悪徳に溺れ、妹のジュスティーヌは美徳を貫くという物語。
    この本は妹のジュスティーヌの物語部分だけで最初に書かれた中編を翻訳したものらしい。

    実は先に姉のジュリエットの物語『悪徳の栄え』を少しだけ読んだ後に、妹の『美徳の不幸』に変えた。というのも『悪徳の栄え』を先に手にしていたけど読み切る前に『美徳の不幸』を買ったので、そちらをやはり先に読もうという気になったから。

    美徳を貫くとは……一体何?と思ったけど、処女を守る事と『困った人を助けようとすること』のようだった。
    処女については男どもがキモイ……としか感想はない。

    困った人を助けるについては、知恵と経験ががなさすぎる…

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    2024年03月11日
  • 閨房哲学

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    「こうした偉大な思想にふれて堕落してしまうような輩には、用がない。哲学的見解の中からただ害悪しかつかみ取る事ができず、何にふれてもすぐ堕落してしまうような輩は、相手にならない!」(p.168~69)

    と、本文中にもある通り、サドの残酷趣味の幻想だけを抽出して「サドはいいぜ」と言うような輩には、本書は用がないでしょう。ある意味、本書を通して読者はサド流の篩にかけられているというわけです。そして、「閨房」よりも「哲学」をたっぷり味わえる本書こそ、サド文学の真骨頂と言えましょう。

    知恵と思想に富んだエロティシズムを! これは訳者の澁澤龍彦さんが説くところのエロスの信条にも適います。ドルマンセが様

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    2022年10月13日
  • 悪徳の栄え 上

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    殺人、近親相姦、スカトロジー、カニバリズムなどありとあらゆる禁忌が盛り込まれたヤバい本。やっていることは滅茶苦茶だけど、悪人たちの語る哲学は面白い。かつて裁判になったのだとか。さもありなん。

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    2022年07月14日
  • 閨房の哲学

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    いや、久しぶりのサド。
    面白かった。
    サド初心者向けなだけあり、誰も死にません。
    誰も死なないんだけど、最高に後味が悪いのは相変わらずで、また変態だった。
    反面教師として美徳も学べるサドは、恰好の材料だと思う。
    だけど、若いうちに読むと下手をすればこの本でも感化されるから、よほどしっかりした考えがないと怖いかも。
    ただ、拾える思想や哲学もあるのは確かです。

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    2020年12月06日
  • 新ジュスティーヌ

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    マルキ・ド サドの代表作。エログロの代名詞のように言われがちですが、訳者の文体が上品でさらりとしているせいか、案外と爽やかな読み心地でした。カトリック的価値観に対する風刺と、ある種のブラックユーモアを感じさせるところが何ともお洒落です。流石は「おフランス」の文学ですね。過激なエログロをお求めの方には、渋澤訳のマルキ・ド サド作品よりもバタイユの『眼球譚』(目玉の話)や山口椿氏の著作をお薦めします。

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    2019年02月15日
  • 悪徳の栄え 下

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    後半は冒険活劇の体を帯び、陰惨な場面描写に耐えれば荒唐無稽な話の展開やら、宗教批判やら、専制主義の批判やらでなかなかおもしろかった。
    18世紀末から19世紀にかけて新たな思想が芽生える時期だったのかな〜という気もした。
    まぁ、ただの気のせいかもしれないが…

    Mahalo

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    2013年12月19日
  • 美徳の不幸

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    善いことをすればするほどひどい目にあって、ボロボロになっていく女の人の話し。

    しかしよくまぁ次から次にひどい目に合うことか。
    それでも現代人のほうがおそらくはるかにもっと残忍で、いやらしい責め苦を思いつくような気がする。当時画期的であったものでもいまや古典的、刺激の足りないものとなっているような…

    自然の秩序と称されて、強者による弱者の支配が語られる。作者は逆説的にそれに反発しているようなのだが強者の繁栄、弱者の衰亡が読者の脳に張り付くのではないかと憂慮される。登場人物の一人が語っていたように、人生は善か悪かの二者択一ではなくて、その場その時の身の処し方次第なのだろう。

    特に力のないもの

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    2013年12月12日
  • ソドム百二十日

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    ネタバレ

    「ソドム百二十日」
    これは小説じゃない、小説なんかじゃない、カタログだ。
    内面も成長もない。
    さらにはキャラクターもなく、
    作者の分身たる人物数名と、作者の欲望する人物数十名とともに城に閉じ込めて規則を作って、さあどうなるか、という壮大な実験に近い。
    しかし私は小説なんかよりも、カタログであってもよい、「過剰なもの」を読みたいのだ。
    ぜひとも完訳版を読まなければ。
    ・澁澤独特の隠語の面白さ。「強蔵」!(「ソドムの市」を再鑑賞するときには、あれが強蔵だ! と笑ってしまいそう。)
    ・「ソドムの市」が思いのほか原作に忠実な作りだったのだと驚く。

    「悲惨物語」
    ・語り口の面白さ。この悪人を描くことで

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    2013年07月08日
  • 閨房哲学

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    途中から長ったらしい文章に辟易してくるけれど、サドの思想を簡単に知りたいならこれを読むのが一番よかろう。

    母親に対する仕置きにて、前門と後門を糸で縫う描写はなかなか。

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    2012年01月26日
  • 恋の罪

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    初サド。

    あんまり興味がないからよく分からないけど、こういうのを『幻想的』というのかな?
    二人の女性を品定めしてるかと思いきや、途中から巨人と戦ったり、妖精や仙女が出てきたり…
    でもなんて言うか凄く面白かった『二つの試練』。

    どの話もオチがピシッと、あるいはピリッと決まってるのが魅力的。
    (あるいは、って言いたい笑)
    若干説教くさいトコもあるけど。

    これが18~9世紀の作品ってのがまあ驚き。

    個人的には『哲学者の先生』とか面白かったなぁ。

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    2012年01月14日
  • ソドム百二十日

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    まず気をつけるべきなのは、この本に収録されているソドム百二十日は、初めの導入部分(主人公であるブランジ公爵とその弟である司教、キュルヴァル法院長、公爵の学友であるデュルセの4人の道楽者とその妻達の人物描写と、物語のメインである4ヶ月の放蕩に耽るまでの下準備の様子と、放蕩の加担者や犠牲者の人物描写まで)までであるということである。
    主人公の道楽者達はどいつもマジキチであり、悪徳を愛し美徳を憎み、無神論者であり、犯罪を犯してはそれをオカズにハァハァするという始末である。
    しかし、公爵の言う悪に対する見識(要約すると、「俺みたいな悪だって自然界、ひいては神様が生んだものなんだから、それに背いて悪いこ

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    2011年05月06日
  • 恋の罪

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    ファンタジィにも程がある。

    でも面白かったです。
    「オペラ座の怪人」の「イル・ムート」みたいであり、しかし最後に信じるものは救われず、悪徳は栄えるっつー感じが短編でも長編でも変わらないのね。

    恋の罪、で検索かけたら半分以上べーこんれたすな本がヒットていうのもある種ファンタジィに拍車をかけるね…

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    2011年05月17日
  • 美徳の不幸

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    [ 内容 ]
    サドの代表的著作、ジュリエットの物語『悪徳の栄え』と対をなす妹ジュスティーヌの物語には三つのバージョンが残存している。
    本書はその最初の版である「原ジュスティーヌ」とでも称すべき中篇である。
    バスティーユ牢獄中にて書かれ、革命のどさくさに粉れて紛失され、100年ののちに陽の目をみた本書はサドの思索のエッセンスが凝縮された異色作である。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三

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    2010年08月03日
  • 閨房哲学

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    [ 内容 ]
    快楽の法則の信奉者、遊び好きなサン・タンジェ夫人と、彼女に教えを受ける情熱的な若き女性ウージェニー。
    そして夫人の弟ミルヴェル騎士や、遊蕩児ドルマンセたちがたがいにかわす“性と革命”に関する対話を通して、サドがみずからの哲学を直截に表明した異色作。
    過激で反社会的なサドの思想が鮮明に表現され、読む者を慄然とさせる危険な書物。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・

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    2010年08月03日
  • 悪徳の栄え 上

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    [ 内容 ]
    美徳を信じたがゆえに悲惨な運命にみまわれ不幸な人生を送るジュスティーヌの物語と対をなす、姉ジュリエットの物語。
    妹とは逆に、悪の哲学を信じ、残虐非道のかぎりを尽しながら、さまざまな悪の遍歴をかさね、不可思議な出来事に遭遇するジュリエットの波爛万丈の人生を物語るこの長大な作品は、サドの代表作として知られ、サドの思想が最も鮮明に表現された傑作として知られる。

    [ 目次 ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足

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    2010年06月26日