ロバートホワイティングのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ロバート・ホワイティングの野茂投手の伝記本。
野茂投手がMLBへ渡った経緯から初期の活躍の様子とMLBに与えた影響、マイナーへの降格やトレード、後に続いた日本人プレイヤーとの関係、そして引退までMLB日本人プレイヤーのパイオニアとしての彼の活躍を描いています。
彼がMLB挑戦を表明した時のバッシングの様子は、鮮明に記憶に残っています。当時はマスコミやプロ野球関係者から、「裏切り者」扱いされ、事情を知らないファンからも見捨てられるほどの酷い状況でした。しかし、ひとたびMLBで好投すると掌を返したように絶賛の嵐になり、MLBの視聴率は上がり、マスコミの扱いも変わりました。
これほど極端に評価が変わった選手も珍しいのですが、本人の考え方は何も変わらず、ただMLBで野球がしたいという夢を叶えるという一途な想いでやった結果が認められたようです。
野茂の軌跡をこの本で知ると、本当に度量の広くて何事にも動じない肝の太さを感じます。もし彼ではなく、他の日本人プレイヤーがMLBに行っていたら(例えば伊良部のように)今のMLBにおける日本人の地位も違っていたかもしれません。
故障で投げれなくなり、マイナーに落ちても、途中でクビになっても、めげずに這い上がって3度もカムバックしています。2度のノーヒットノーラン(両リーグで)とか、日本人選手で初のホームランを放つなど、もう引退してしまったけれどますます好きになりました。
新書本ですが、興味があれば読んで欲しい本です。 -
Posted by ブクログ
Speaking of a pioneer who played in Major League Baseball, everyone might think of “Nomo Hideo.”
After he played in Japan for five years, he went to America to play as a major leaguer.
He was not the first player who played in America. The first player was Murakami.
However, it was the first time that Japanese top player played in MLB.
As you can see from his records, Nomo Hideo was the best pitcher in those days.
He became fed up with the Japanese traditional way of thinking, “gut is the most important thing.”
In those days, Japanese coaches didn’t know any scientific ways of practices but ways of practices with a lot of guts.
Nomo wanted to practice reasonably. He thought that he would be injured if he kept playing in Japan.
So, he decided to exile himself to MLB.
Many Japanese people condemned him at first, but he made their mind change by his astounding performance.
And he also changed Japanese baseball players’ mind that they can make their mark in MLB.
Today, many Japanese players play in MLB.
It is because Nomo created a path toward MLB.
英雄 is a hero for NPB. -
Posted by ブクログ
※2年前の本なので今の大谷の活躍の解説本ではありません。
打者か投手かに絞らないとメジャーではやっていけないとの大方の予想を覆し、大谷翔平はメジャーでも二刀流を貫き、今シーズンはホームラン数ではトップ争いをしている。
確かにどちらかに絞れば、彼の実力ならメジャー屈指のホームランバッターにもなれるし、メジャー屈指の剛腕投手にもなれる。しかしアメリカのファンはそれを期待していない。
大リーグの歴史の中で数々のホームランバッターが活躍してきた。数々の投手がその剛腕をみせつけてきた。でも、その両方を成し遂げた選手はいまだいない。
時々ベーブルースと比較されるが、彼が二刀流だったのは数年で、後には打者に専念しているのは周知のとおり。
アメリカのファンは今までの大リーグの歴史にはない前人未到の地を行く怪物の活躍を楽しんでいるのだ。
仮に今シーズンに投手として6~7勝(ちょっと微妙かな…)、打者としてHR30本(これは軽く超えていく気がする)の成績を残したら、大リーグの歴史に刻まれるほどの偉業だ。その辺りのことは、日本のファンよりアメリカのファンの方がその凄さがわかっているかもしれない。
あとはケガさえしなければ、と活躍を祈らずにはいられない。
さらに大谷がメジャーで受け入れられる理由は、あの人懐っこい笑顔だ。
メージャー初ホームランのとき、彼はチームメイトから恒例のサイレントトリートメントの洗礼を受けた。しかし無邪気にはしゃいで祝福を求める大谷の姿に、チームメイトは思わず吹き出し、サイレンントリートメントは失敗、すぐにもみくちゃにされた。その様子を見たファンも心をわし掴みにされた。らしい。よく笑うという点でも大谷は今までの日本人メジャーリーガーとは違うのだ。(川崎宗則も愛されキャラだったけど成績では大きく劣る)
野茂英雄もトルネード旋風を巻き起こしたが、口数が少なく仏頂面だった。何年もチームメイトとしてすごした選手が、彼とは数回しか会話したことがない、と言っていたのにはびっくり。
彼は背中で語るタイプだった。
イチローも驚異的な成績でメジャーの歴史にその名を刻んだ名選手だが、チームメイトからは自分の成績ばかり気にしていると陰口を言われる時期もあった。メジャー流の練習法(追い込むほどの練習はしない)を拒否し、ストイックに自己流練習メニューをこなすイチローは異様に映った。だからこそあの成績を残せたのだけれど、野球の文化としては異質だったに違いない。
この本、大谷に関して書いてあるのは1章だけなので、書名としては勘違いしてしまうところもあるが、日本人メジャーリーガーの先人たちの活躍があってこその、今の大谷フィーバーがある。という構成をとっている。
伊良部なんてメジャー挑戦失敗というイメージしかなかったけど、今じゃ当たり前になったポスティングシステムができたのは伊良部のおかげらしい。伊良部がいなければ大谷のメジャー挑戦はもっもあとになっていたのかもしれない。そんな歴史もわかる良い本。
それを知ってしまうと尚のこと、伊良部のあんな最期が悲しくなる。 -
Posted by ブクログ
松井に国民栄誉賞が与えられるとか。ワールドシリーズのMVPを取りNYの優勝パレードでは史上初めてニューヨーカーが日本人に声援を送った。一般のアメリカ人に最も愛された日本人かもしれない。国民栄誉賞いいんじゃないですか。
では野茂には国民栄誉賞は与えられる日が来るのか?本書の最終章では野茂が野球殿堂入りするかどうかに1章裂かれている。野茂がいなければ後に続く日本人大リーガーの出現はもっと遅れ、WBCも無かったかもしれない。94年のストライキとロックアウトは野球離れをすすませ、バブル期の日本のイメージはロックフェラーセンターやコロンビアの買収など貿易摩擦もあり一般的なアメリカ人の対日感情は必ずしもよくない。野茂が大リーグに行ったのはそういうころだ。
当時日本プロ野球から大リーグに挑戦するには相手球団の許可が必要というのが常識だったが日本で任意引退した選手がアメリカで契約することには制限が無いと言う抜け穴が有った。94年肩の故障で8勝7敗に終わった野茂は契約更改で20億、6年契約を申し込む。却下したフロントに任意引退を告げ大リーグ挑戦を表明する。マスコミや球界関係者は野茂を批判したが野茂は揺るがなかった。その後の活躍はNOMOマニアを生み出した。
大リーグ挑戦後野茂は2度の復活を果たしている。98年以降成績が低迷し球団を渡り歩いた後BOSで2度目のノーヒッターを達成、02−03は各16勝を挙げている。04、05と低迷しマイナーやベネズエラリーグに行った後08年にKCのテストを受ける。キャンプ当初はストレートが130km以下、39才で体重はKC担当のレポーターよりも重く世間は失笑した。しかし後半調子を上げ開幕時には25人枠に入った。残念ながら成績は残せなかったが著者のホワイティングはこの最後の復活をもっとも賞賛すべき業績とたたえている。
野茂は無口でマスコミには無愛想、選手同士ともあまり話さなかったようだがインタビュー内容からは大リーグに適応しようと努力し、コーチたちからも評価されている様子がうかがえる。例えば復帰したLADで前半線防御率が4.00まで落ち込んだ際にはコーチのジム・コルボーンが野茂に「ツーストライクをとったあとに、続けてストライクを投げてみないか」「君は今まで、コーナーぎりぎりのアウトサイドに投げていたけど、それを変えてみるんだ」と助言され野茂はそういうやり方は自分の好みではないが、お望みならやってみてもいいと答えた。その年最終的には16勝6敗防御率3.39と好成績を挙げている。
野茂の通算奪三振率は9.28(MLBでは8.74)、1イニング1三振以上の数字であり大リーグを通じても2000イニング以上投げて9を上回っているのはノーラン・ライアン、ランディ・ジョンソン、ペドロ・マルチネス、サンディ・コーファックスの4人のみ。両リーグでノーヒッターを達成したのも大リーグ全体で5人。そして12年間で323試合に登板し内先発は318試合、7年間先発ローテーションを守り3回の開幕そして95年のオールスターの先発をつとめた。 -
Posted by ブクログ
「ガイジン」を通して日本の戦後史を見る、3冊目にして最終回。日本人は変化を好まず保守的で閉鎖的だと繰り返し指摘されるが、とくに日本に限った話ではなく、だいたいどこの国の人も同じ傾向があり、誰しも既得権益の確保に必死なものだと思う。そして誰しも新しいものに好奇心がある点も共通している。本書ではちょっと懐かしい人物が出てきたり、キャノン機関など古すぎて全く知らず興味も沸かない話題もあり。ヤミ市や詐欺師、歓楽街での成功者など、前作と比べてエピソードも薄くネタが尽きた感あり。著者は野球の大ファンなので、王貞治とヴァレンタイン監督に多くページが割かれているが、あまり個人的に興味がなかった。企業の話題としてはオリンパスの粉飾決算、カルロス・ゴーン。そしてエムケイタクシーの青木定雄と息子。若い世代には謎の人物ばかりかと思われる。今回も自民党とCIAが組んで迫る共産主義への対抗として暴力団を活用した話が出てくる。戦犯容疑者だった安倍元首相の祖父=岸信介も度々登場。さらに今回は統一教会も、その反共思想からアメリカと日本から支援を受けて勢力を拡大された点が紹介されている。自民党との蜜月時代は長らく続くが、冷戦終了の時代以降も政治に影響力を持ち続けた。インドの「フロントライン」によれば、統一教会は宗教どころか、反共の政治手段を装った犯罪シンジケートであり、腐敗した政治家や官僚とつるんだ、ゆすり、たかり、脱税者の集団であるとの指摘。日本のテレビや新聞ではこういった言論が全く見られないのは不思議でも何でもない。ジャーナリズムが存在しない残念な国なのである。
-
Posted by ブクログ
日本人メジャーリーガーのパイオニア、野茂英雄さんの現役時代の伝記、
そして、その他メジャーにわたった日本人選手の記述もある、
野茂さんを中心とした日本人メジャーリーガーの本です。
野茂さんがアメリカに渡ったのが95年で、僕は高校3年生でした。
友だち連中といろいろ話しをし、日本球界に反旗を翻したのは問題にしないとしても、
前シーズンの成績からいって、活躍できるのだろうかという心配をしていました。
それが、ふたを開けてみれば、僕がしていたような心配が恥ずかしさとともに
吹き飛んでしまうくらい、彼の活躍は見事でした。
彼がバッタバッタとメジャーリーガーを三振にとっていくことで、
日本人優勢論を展開するわけではありませんが、日本人のコンプレックスを払拭するのと、
アメリカから一方的につけられたレッテルをはがす役割をしてくれたように
思ったものです。
メジャー123勝。
ノーヒッター2回。
それもア・リーグとナ・リーグの両リーグで。
彼の後を追ってメジャーに行った優秀な日本人投手が多数いましたが、
この成績よりも上の結果を残した投手はいません。
これは、少し残念ではありますが。
野茂さんって、マウンドの土とか天然芝とか、歓声とか、
球場のすべてにフィットしてそのまま溶け込んでしまいながら個性を立たせる
素晴らしい雰囲気のある野球人だなぁという印象をもちます。
メジャーにいったからそうなった気がします。
無口、マスコミ嫌い。
それでも、彼のあきらめない姿勢、チャレンジ精神が、
彼の魅力としてそれらを凌駕いているように感じます。
イチローさんも松井秀喜さんもそうですが、
野茂英雄さんはやはり大スターです。