マックス・ブルックスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ブラッド・ピット主演映画の原作。但し、映画とは瑞分趣は違います。主人公が国連の関係者という部分は同じだけど、こちらは既にゾンビと人類の長い戦争はほぼ終息しており、国連の調査活動の一環として、その発生から終焉までについて世界中の人々に取材して回った記録という体。
よって定まった主人公はおらず、世界中でのあらゆる人々のゾンビとの戦いが次々に語られる中で、ゾンビ大戦がどう遷移して行ったかがわかるという仕組み。
というわけで映画とこちらはある意味別物。映画の中でゾンビ戦攻略のポイントとされているネタも小説側には無い。(小説側はオーソドックスにゾンビの頭を破壊することが唯一の攻略法)
ただ映画にも言えたことだが、小説もーインタビュー形式ということもあるがーホラー映画としての怖さはない。小説は例えば第二次大戦のナチスと戦ったパルチザンの戦記や、南太平洋の孤島や硫黄島での日米の戦記に近い印象を受ける。抜群に面白いが、この形自体は映画向きではないから、映画化するにあたっては、小説はあくまでも世界観のベースであり、世界各地で戦いが繰り広げられるという部分だけを残して、ああいう話にしたのは良かったと思う。 -
Posted by ブクログ
「スター・ウォーズ」を観た方は分かると思いますが、圧倒的に軍備の質・量で有利だった銀河帝国が、最終的にはレジスタンス的な反乱軍に敗れてしまいます。銀河帝国の戦略の何がまずかったのかを検証し、対テロ戦争で苦戦する現代のアメリカ軍の戦略を再検証してみよう、という趣旨の本です。
30弱の細かい章立てになっていて、各章約10ページ程度で完結し、個別のテーマについて「スター・ウォーズ」登場人物の言動や、場面に落とし込んで議論されています。
銀河帝国の艦隊編成が大型艦に偏り過ぎて反乱鎮圧にそぐわない内容だ、とか帝国軍の規律がダースベイダーに対する恐怖で縛られているので、基本的に”指示待ち”の硬直化した組織運営に陥っている、など装備面、組織面の指摘から、軍隊のシビリアンコントロールに関する考察など、様々な角度からの考察が盛り込まれています。
映画として、”巨大な悪に立ち向かって打ち勝つ”という構図が無いと盛り上がらない以上、デス・スターやスター・デストロイヤーみたいに銀河帝国の装備は巨大ですし、組織運営もパワハラが横行するような非民主的な側面は否定できません。その欠点・弱点を一つ一つ指摘するのは、酷というものという気もしますが、その分析が地に足をつけたものだけに説得力はありました。
本書の試みとしては非常に興味深いし、「スター・ウォーズ」がこれだけの考証に耐え得る対象だという点も改めて凄いな、と感じます。ただ、ちょっと残念なのが訳が少々読みづらいことでした。 -
Posted by ブクログ
長きに渡る人類史の中で、"それ" は常に人類の脅威として出現し、そして駆逐されてきた。そして "それ" は今、あなたのすぐそばで起きるかもしれない。予想できるからには備えなければならない。"それ" からできる限りの人類を救う。そのために本書は書かれたのだ――。
あらゆる時代、あらゆる地域でゾンビ・パンデミックが発生し、根絶されてきたという"IF の歴史"を元に、"今この場で"それが発生したときに生き残るためのハウツーをまとめた、いわゆる"なんちゃって"本。後に、本書をベースにした小説『World War Z』が刊行される。
真面目に読むも良し、ネタとして読むも良し、――ただ。
あくまで一部をだが――本書を真面目に参考にする日が来るとしたら、ゾンビ・パンデミックではなく、南海トラフ巨大地震のような、超高域災害で全国のインフラが寸断され、自衛隊もボランティアも来ない状況で、長期間に渡って避難生活を送ることを迎えるか、想定した時だろう。