マックス・ブルックスのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
グリーンループというハイエンドかつハイテクなエココミュニティが火山の噴火により陸の孤島となってしまう、噴火の影響で山奥から降りてきた怪獣に皆殺しにされそうになる住人たちの戦い・・・というのが筋書きです。設定はよくあるのですが、そのぶん住民のキャラクターがいかにも現代であるなと言う感じにアップデートされています。
主人公のケイト・ホランドはノーマルな人間な感じがします、夫のダンは無職でひきこもりぎみな子供っぽい人間です。その他はグリーンループでグリーン革命を起こそうとしているトニーとイヴェットのデュラント夫妻。同棲カップルのカーメンとエフィーにはロギンヒャの養子パロミノがいます。ヴィンセントとボビーのブース夫妻はヴィーガン。アレックス・ラインハートはきなくさい過去をもつ哲学者。最後のモスターは謎の多い彫刻家です。怪物に囲まれた最初はモスター・ケイトとダンが戦うことを選択し、その他の住民は平和的な解決を望みます。この人数分けが物語が進むに連れ変化していくところがこの小説の面白いところです。
どころどころに入っている動物の凶暴性のエピソードが物語をさらに恐ろしくしていきます。チンパンジーが組織をくみ自分たちより弱い猿を食用に捕まえることやピューマがいかにして人を食べるようになったかなどです。そして住民が「やつらは私達を皆殺しにするつもり」「やつらは私達を恐れていない」ことに気づいたときが恐怖の頂点となります。 -
Posted by ブクログ
下巻。
世界各地の状況が語られるます。ちなみに下巻では日本の状況も書かれており、なかなか興味深いです。作者は結構日本の文化をよく知っているのかな?
もし映画のような「ゾンビ発生」が実際に起こったら? その場合の、政治的、軍事的、地理的なことからいろいろと考え、シミュレーション。その結果から導かれる世界観、疑似歴史を一度作った上、それを多面的に書くために様々な人物のインタビューという形をとったのでしょう。かなり労力を感じさせます。
そして、こうして作り上げられた故に、一つの歴史的事件を様々な視点から見る面白さ、群像劇としての面白さがありました。
こうしたことから、読み終わった後に何とも言えない充実感が残る逸品でした。 -
Posted by ブクログ
全世界を巻き込んだ〈ゾンビ戦争〉の終結から10年、わずかに生き残った人々はそれぞれの場所で復興の途中である……
そんな各国の人々にインタビューして回り、集めた回顧録。インタビュー形式は久々です、「巨神計画」以来?
所属している読書会の「ゾンビ回」で紹介された作品のうちのひとつ。
映画はおすすめされなかったですし、「この内容ならディスカバリーチャンネルでドキュメンタリー風に作ったら面白かったんじゃないか?」でした。確かに…!
上巻はゾンビ発生から対処の途中。
地域性や国民性で、対応に違いがあったのがリアルでした。
大いなるパニック、各国で採用される「レデカー・プラン」的な選別戦法。そして無力感から起きる自然死。
少数を犠牲にして大多数を救う、ポール・レデカーが考えた「レデカー・プラン」はこういう戦法あると知っていても実際やれるかどうか…だし、犠牲にされる・犠牲にするのまさにその場にいると双方とも絶望しかない。やる方もいつやられる方に回るかわからんし。。。
そう思うと、シン将軍はすごいな。
戦争に勝つには、大量の物資、物資を製造するのに必要な天然資源、これらを工場や前線に運ぶ輸送手段の掌握が必須というのはわかります。
どこの国の人でもアメリカ人みたいな文体で喋るなぁというのは置いておいても、『架空戦記』(対ゾンビの…)として面白く読みました。下巻へ続く。