高山文彦のレビュー一覧

  • 「少年A」14歳の肖像

    犯罪史を揺るがせた「酒鬼薔薇」

    四半世紀前に発生しました「神戸連続児童殺傷事件」、犯人が当時14歳の少年だっただけに世間を震撼させましたし、「少年法改正」のきっかけにもなりましたね。これらの事件が発生してから間もなく「光市母子殺害事件」が発生しまして当時18歳の少年でした犯人の「福田孝行」の死刑が確定しましたし、先日も「甲府殺人放...続きを読む
  • 火花 北条民雄の生涯

    いのちの初夜を読む前に

    群馬県の重監房資料館を訪れた際、もっとハンセン病のことを知りたいと思いました。
    『いのちの初夜』を読む前に少し情報を入れようと思い、『火花』を読みました。
    知識のない私にもわかりやすく、ためになりました。その後に読んだ『いのちの初夜』もより深く理解できたように思います。
  • 麻原彰晃の誕生
    ちょっと間違っているかもしれないが、「Breaking Bad」だなあ、と思った。麻原彰晃も全くのインチキだったわけでなく、ある程度の能力も持っていたけれど、生来の性格と生い立ちがその道を歪めてしまったのだと思う。
    特にこの本の前半部分の話を読んでいると、自分が同じ時代に生きていたとして、オウムに入...続きを読む
  • 中上健次の生涯 エレクトラ
    中上健次は気になる作家の一人だが、なぜかこれまでその作品に触れたことがなかった。
    苦手な純文学、芥川賞作家、難解な表現、更に作家から匂う暴力的な風貌が自分の中で危険信号となって増幅し、
    触れてはいけないイメージと重なって、ずっと敬遠していたのかもしれない。
    中上の生涯を描いた高山文彦『エレクトラ』は...続きを読む
  • 中上健次の生涯 エレクトラ
    中上健次ほど、「いとおしさ」を背後に秘めた作家はいない。
    出生の秘密、作家としての立身、路地の現在状況、などなどが渾然一体となって中上の豊穣な文学を作り出しているのだということがわかる。
    そして新宿の生活、永山則夫への過剰とも見える共感。
    すべてが彼の文学的資産になった。

    そしてさらに、小...続きを読む
  • 文藝春秋 2015年 6月号

    イイネ

    10年前から毎月購読していますが、本の整理が大変ですので3年前から電子ブックに変更。もう少し、普通の書籍に比べて安くなるとありがたいですが...
  • 「少年A」14歳の肖像
    [重闇]世紀末の日本を震撼させた神戸連続児童殺傷事件。自らを「酒鬼薔薇聖斗」と名乗り、凄惨な殺人を犯した少年はどのような人生を送ってきたのか、どのような問題を抱えていたのか、そして周りの人間は彼をどう見ていたのか......。今なお明かされない側面が多々ある「少年A」の実像に迫った作品です。著者は、...続きを読む
  • 文藝春秋2月号

    文芸春秋3月号

    年間購読にしているのですがどうしたら読めますか
  • 中上健次の生涯 エレクトラ
    中上健次という作家の魅力は幾つもある。土着的な世界を1つの神話として現代に構築したその想像力、独特の文体、魅力的な人物造形・・・。しかし、その中でも最も僕を惹き付けるのは、やはり彼が自らの「血」の問題を徹底的に考え抜いて、小説の世界に昇華させた点である。

    全ての芸術は完成した途端に作家の手を否応無...続きを読む
  • 「少年A」14歳の肖像
    様々な資料を元に作成された本作は酒鬼薔薇の生い立ちが非常に分かりやすく書かれている。
    本書から読み取れるのは、酒鬼薔薇が凶悪ということではなく、環境によっては誰にでも酒鬼薔薇になる可能性があるということ。
    この本がキッカケでノンフィクションに興味を持つことが出来ました。
  • 火花 北条民雄の生涯
     19歳でハンセン病になり,多摩全生園に入所。たったの23歳で夭逝した作家,北条民雄の生涯を描いた伝記です。
     本書には,民雄と交流のあったハンセン病患者仲間だけではなく,民雄の作品を世に広めた川端康成との関係もたくさん出てきます。だから,ハンセン病患者をめぐる当時の世相だけではなく,文壇の様子も垣...続きを読む
  • 「少年A」14歳の肖像
    家庭、社会と少年心理について、ニュース等では知らなかった内容も出ていた。何が原因で、何が悪かったのか。正答はわからないが、読んで考えさせられる一冊であった。
  • 中上健次の生涯 エレクトラ
    家族とは、人間とは、生きるとは何か考えさせられました。
    何という壮絶な人生。中上作品をぜひ読んでみたいと思います。
  • 火花 北条民雄の生涯
    ハンセン病に侵された一人の作家の生涯を丹念に調べ書いた力作。病気についても施設についても差別についてもあまりにも知らないことばかりだった。もっと読まれるべき本だと思う。
  • 「少年A」14歳の肖像
    「その家もまた、高台にたっている。」

    という書き出しで始まる、高山文彦氏の、
    神戸連続児童殺傷事件のルポ第2弾です。

    この本もまた、すばらしい。

    第1弾の地獄の季節の発売が、1998年2月ですが、
    それから8ヶ月後の1998年10月に発売されたものです。

    予断ですが、両方とも、文庫版で200...続きを読む
  • 火花 北条民雄の生涯
    らい病患者は親や故郷からも見放され、本名や過去も語ることがない。『いのちの初夜』作者:北条民雄の謎につつまれた生涯を追う力作ドキュメンタリー。
  • 麻原彰晃の誕生
    オウム事件は、私自身少年期に報道され広報担当の方が連日TVに出演され、また幹部の方がTV放送中に刺されたりして、衝撃を受けたことを覚えています。当時教祖の風貌を見て、私の感覚では異様としか言いようも無かったのですが、医師を始め高学歴の取り巻きがいる事に驚きを感じました。その教祖の成り立ちに興味を持ち...続きを読む
  • 「少年A」14歳の肖像
    こういうドキュメンタリーは当たりハズレが大きいが、
    これは事実を淡々と描いている印象。
    周辺事実はいろいろと勉強になったが、
    この少年の内面はやはりわからない。
  • 「少年A」14歳の肖像
    あの事件の衝撃は忘れられません。少年Aに関する本を読んだのはこれが初めて 彼の育歴、背景等々ここまで詳しく知るにつれ逆に何故?どうして?そこまで彼があの様な猟奇的な事件を起こしてしまったのかが益々わからなくなりました。そして一番影響のある母親の肝心な心が見えて来ないのが残念です。
  • 麻原彰晃の誕生
    平成史に残る怪物、松本智津夫死刑囚の生い立ちから『麻原彰晃』が出来上がるまでを丹念に追ったルポ。
    『麻原彰晃』からしか見たことがなく、世の報道も多くはそこにしかスポットを当てていなかったので、とても興味深く読めました。
    内容も、批判・糾弾するのでもなく、正義感を振りかざすのでもなく、淡々と事実を情報...続きを読む