藤原新也のレビュー一覧

  • なみだふるはな
    石牟礼道子さんと、藤原新也さんの対談。東日本大地震の、いや、福島原発事故の後、3ヶ月後から行われた対談。石牟礼道子さんの語りが美しすぎて、、藤原新也さんの子ども時代との共通体験に話は滑らかに進行するが、今から10年前のこの時にも、今なお水俣病を発症し何世代にもわたりこの病に苦しまへている方がいる、こ...続きを読む
  • 渋谷
    この本に登場する人物は多くない。主に3人の少女と、写真家藤原新也さんとの交流にスポットが当てられており、それ以外の人物や事象については、たぶん意識的にであろう、あえて脇役の役をあてがえられている。3名の少女にスポットを当てた新也さんの想い入れは相当なものだったろうと推察されるのである。

    おいらがル...続きを読む
  • なみだふるはな
    水俣から福島へ。
    近代の日本史において、国と企業の闘いが前景化・可視化され始めたのがサークル村による一連の活動からだったとするなら、そこから半世紀以上たった今、石牟礼さんは何を思うだろうか(何を思って旅立ったのだろう)。
    本書は、写真家の藤原さんとの対談であり、震災を契機として露になった政府や企業の...続きを読む
  • なみだふるはな
    作家・詩人の石牟礼道子(1927~2018年)氏と作家・写真家の藤原新也(1944年~)氏が、2011年6月に熊本市の石牟礼氏の自宅で3日間に亘り行った対談である。2012年に出版、2020年に文庫化された。
    石牟礼氏は、天草市(現)に生まれ、1969年に発表したデビュー作にして代表作『苦海浄土~わ...続きを読む
  • 渋谷
    渋谷は、よく通る駅でも、買い物に行く街でもあるけれど、その裏側にはいろいろな物語がありそうだ。
    ”アダルトチルドレン”をわかるのには具体的にわかりやすい本。
    「風俗するような娘はうちにはいないわ」と思いあがっている世の中の母親たちへ、なんらかの気づきになるかも。
  • 渋谷
    若いときは渋谷に行きたがる。学校サボって渋谷に行った。何をするわけでもなくただウロウロとする。それがカッコイイんだ。わるそーなヤツがゴロゴロいてなんか弾けててカッコイイ。スクランブルに紛れて何か自分というものが誤魔化せる気もした。そんな時代は誰にでもあったはずだ。思春期だ。大人になりたい。子供でいた...続きを読む
  • なみだふるはな
    水俣病も東日本大震災も確かに日本で起きたことで、傷ついた人たちは今でもたくさんいるということを忘れないでいるにはどうしたらいいんだろうか。
    怒るのではなく、責めるのでもなく、人に伝えるにはどうしたらいいんだろうか。
  • なみだふるはな
    「この世には尊貴なものがあるのだ、と。それは身近にあるかもしれない。そのことに気づいて死ななきゃいけないと思っています。」

    石牟礼道子は、尊貴なものを感受し、詩に換えてこの世に現出させるシャーマンのような作家だったと思う。

    福島原発問題を、水俣事件の闘士がどう捉え、何を嘆き、どこに希望を見出そう...続きを読む
  • 渋谷
    1944年生まれというから、藤原新也は私よりも随分と年上になる。この本からも伺えるけれども、しかし、好奇心のあり方とか行動力とか、あるいは感性そのものをとってみても、非常な若々しさを感じる。
  • 幻世
    '70〜80年代に書かれたエッセイ、雑文集。著者のスタンスは内在するオブザーバーとでも云った微妙なもの。時代を反映しているので、読み物としては面白い。