作品一覧

  • メメント・ヴィータ
    4.0
    「自然が狂えば人間も狂う」――この死の満ちあふれた崩壊時代を生き抜くために必要なのは「生を想え」という意識である。ベストセラー『メメント・モリ(死を想え)』の発表から40年余を経て、写真、文筆、絵画、書、音声とあらゆるメディアで表現し深化を続ける藤原新也が現在の世界を語る。過去から未来の縦軸、日本から世界の横軸を縦横無尽に駆け抜けて作り上げた、令和版『東京漂流』が誕生。
  • なみだふるはな
    3.8
    1巻935円 (税込)
    一九五〇年代水俣、そして二〇一一年福島。企業と国家によって危機に陥れられたこの2つの土地の悲劇をそれぞれに目撃した2人が、絶望と希望の間を揺れ動きながら語り合う対話集。
  • 幻世
    3.0
    1巻660円 (税込)
    現代の諸相の奥に潜む真実を抉るエッセイ集――さまざまなメディアに取り巻かれ、その情報によって客体化された世界に生きる、われわれ。メディア時代の大衆は、実物よりメディアにより複製化された虚像の方に事実を感ずる感受性を持つ。『東京漂流』で大きな反響を呼んだ著者が、内視鏡を巧みに操るように、現代の諸相の内奥に潜む「真実」を、鋭い感性で抉る。
  • 渋谷
    4.0
    親の前で厚化粧し、風俗で素顔になるユリカ。あらゆるイジメに遭い、過干渉な母親のもとで自閉ぎみになったエミ。母親との確執から家を飛び出し、デートクラブへ通った元コギャルのサヤカ。少女達は口々に「本当の自分を見てみたい」と言い「母親は自分を本当は愛していないのではないか」と葛藤し、揺れ動いている。写真家・藤原新也が“いま”をカメラで写しとるように、日本でリアルに起きている母娘の歪んだ愛憎関係をあぶり出す、戦慄のドキュメンタリー。映画化原作。

ユーザーレビュー

  • なみだふるはな

    Posted by ブクログ

    石牟礼道子さんと、藤原新也さんの対談。東日本大地震の、いや、福島原発事故の後、3ヶ月後から行われた対談。石牟礼道子さんの語りが美しすぎて、、藤原新也さんの子ども時代との共通体験に話は滑らかに進行するが、今から10年前のこの時にも、今なお水俣病を発症し何世代にもわたりこの病に苦しまへている方がいる、この衝撃。私も学生の頃水俣にお伺いして、とてもおいしいお刺身をご馳走になり、今風に言えば、本当に利他の心、そしてダライ・ラマの教えに通じる慈悲の心に満ちた方々にお会いした、美しい海、風景を思い出しながら、今なお、、と思うと怒りが湧き起こる。当時は成長成長で風景を壊し環境や生命を破壊破損しそれが正義だっ

    0
    2021年10月13日
  • 渋谷

    Posted by ブクログ

    この本に登場する人物は多くない。主に3人の少女と、写真家藤原新也さんとの交流にスポットが当てられており、それ以外の人物や事象については、たぶん意識的にであろう、あえて脇役の役をあてがえられている。3名の少女にスポットを当てた新也さんの想い入れは相当なものだったろうと推察されるのである。

    おいらがルポライターとして、渋谷あるいは青山、六本木、原宿、等々の街中に行き交う少女たちを取材・執筆していたのは、かれこれ20年近くの時を隔てたときであった。当時の少女たちはと云えば、軽々しく高校中退を語って自らを主張していたり、あるいはメディアにはびこる軽薄な語彙を身にまとっては、自らをアピールしていた。そ

    0
    2010年12月05日
  • メメント・ヴィータ

    Posted by ブクログ

    たくさんの国に訪れて、たくさんの経験と知識があってそしてたくさんの考察をしたりして、すごい人だなとシンプルに思った。

    以前読んだ東京放浪はさっぱり覚えていないからもう一度読もうと思った。

    文章なのか文字起こしなのかはわからないけど、藤原新也さんに語りかけられてる気分で読めた。

    0
    2025年10月17日
  • なみだふるはな

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    水俣から福島へ。
    近代の日本史において、国と企業の闘いが前景化・可視化され始めたのがサークル村による一連の活動からだったとするなら、そこから半世紀以上たった今、石牟礼さんは何を思うだろうか(何を思って旅立ったのだろう)。
    本書は、写真家の藤原さんとの対談であり、震災を契機として露になった政府や企業の暴力性を足掛かりに、水俣病とその後(母胎を通じて継がれる苦しみは、現在のものであり、未来のものだ)に言及しながら、変わらない構造的な暴力が紡がれる。
    日本には教科書に書かれていない公害がたくさんあったし、今も規模の大小に関わらず起こり続けている。その姿に接してきた二人の語りには、どこか諦めに近い幻滅

    0
    2020年05月11日
  • なみだふるはな

    Posted by ブクログ

    作家・詩人の石牟礼道子(1927~2018年)氏と作家・写真家の藤原新也(1944年~)氏が、2011年6月に熊本市の石牟礼氏の自宅で3日間に亘り行った対談である。2012年に出版、2020年に文庫化された。
    石牟礼氏は、天草市(現)に生まれ、1969年に発表したデビュー作にして代表作『苦海浄土~わが水俣病』(第1回大宅壮一ノンフィクション賞の受賞を辞退)は、文明の病としての水俣病を鎮魂の文学として描き出した作品として絶賛され、1973年にマグサイサイ賞を受賞、その後も、数々の小説、詩集のほか、創作能なども手掛けた。ノーベル文学賞に近い女性作家とも言われた。
    藤原氏は、北九州市(現)に生まれ、

    0
    2020年03月17日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!