金丸弘美のレビュー一覧
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田舎をその田舎らしさをもって活性化する、各地の取り組みを紹介。それらに共通する法則は、
1.発見力
「地域の独自性=(パーソナリティー)はなにか」、をとことん考える
「よそ者」、特に都会も海外も知っている若者や女性の視点で見つめ直す
都会やよその地域を安易にまねしない
2.ものづくり力
地域の特性に合ったものを栽培し、加工する
地域の環境や豊かさを大切にする
国内外の視察で得た学びを地域特性に合うようアレンジする
商品開発には、食感度の高い女性を巻き込む
3.ブランドデザイン力
ソフトと人材の開発にお金を使う
ものづくりを核に、体験メニューで消費者を巻き込む
徹底的に「田舎」の物語を織り込んで売る
長期的視野で地域全体をデザインする
地域同士賢い田舎同士、知恵をつないでますます発展する
4.食文化力
特産品を売りたいなら、まずは地域の食文化、その背景を学ぶ
誰もが学習できるテキストと、体験できるワークショップを効果的に組み合わせる
アンテナショップやラボなど、文化を伝える「場」を作る
食を売り込む戦略で、次世代の「味覚と健康」を守る
5.環境力
地域の農家や加工業者など伝統的な生産者や作り手を表に出す
「環境のため」が、地域住民の誇りになる
身の丈にあった経済規模が持続可能のポイント
伝統的な建造物を大切にする
景観保護のために町全体のデザインに配慮する -
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[ 内容 ]
「ないないづくし」にあえぐ地方の中から、都会もうらやむ活力と雇用を創出する田舎が出てきた。
地域おこしの成否は、いったいどこで決まるのか。
全国800の農山漁村をまわってきた著者が、「発見力」「ものづくり力」「ブランドデザイン力」「食文化力」「環境力」の5つの力に焦点を当てて検証する。
ふるさとに生きがいと誇りを取り戻す1冊。
[ 目次 ]
第1章 発見力―「なにもない」土地に眠る宝を探せ(海外の学生を魅了した「過疎の島」;「そのままの日本」 ほか)
第2章 ものづくり力―ビジョンを抱いて、きちんと作れ(食による地域おこしは「きちんとした」ものづくりから;間違いだらけの「特産品」 ほか)
第3章 ブランドデザイン力―ヒットの秘訣は地域に訊け(ものづくりを拠点に地域をブランド化;あらゆるアイデアでゆずを売る馬路村 ほか)
第4章 食文化力―食材の背景を知り、発信せよ(食文化の学びと発信の有効な結びつき;「おいしさ」の表現が豊かになるワークショップ ほか)
第5章 環境力―持続可能なコミュニティを目指せ(環境は、取り戻せる;農薬を減らせる「耕さない」田んぼ ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
金丸さんが粟島に来られるってことで、読んでみました。
いろんな事例が取り上げられており、非常に勉強になりました。
食のワークショップと、「食のテキスト」作りは本当に面白そうです。
ぜひ、粟島でも取り組めたらと思います。
以下、メモです。
長崎県小値賀島「NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会」
地元の方が、家に泊まった(アメリカの)学生に、おなかがへってないかとか、お風呂はどうだいとか、また食事の世話をしてくれたりと、気にかけてくれるのが、とても喜ばれる。
地元のお母さんたちのホスピタリティの感激するらしい。
その土地に住む人々が、その土地にもともとあるものを再検討し、それらを組み合わせ、プログラム化したことが成功を決定付けた。
例:島に広がる海、漁村の暮らし、花火、盆踊り、漁師一家の家庭料理など
手つかずであればあるほど、逆にパーソナリティを生み出しやすい。
大分県竹田市長湯温泉
「B&B&C」(ベッド&ブレックファスト&カルチャー)
お客様の半分近くが1週間滞在
長期の方は、直売所や道の駅で買い物して自炊
地域全体で連携するという考え
奈良県奈良市
ろうそく、器に水を入れて、防火対策
最初から、ボランティアを中心に考え、参加者自らが着火するというユニークなお祭りに
法則1 発見力
・「地域の独自性(パーソナリティ)はなにか」、とことん考える。
・「よそ者」、特に都会も海外も知っている若者や女性の視点で見つめ直す。
・都会やとその地域を安易にまねしない。
活性化のいちばんのポイント・・・自分たちがきちんとしたオリジナルな商品を生み出すこと
農産物の加工、販売、レストラン経営までを行い、地域にお金が回る仕組みを作ればいい。
地元特産の魚で料理と言っても、スーパーで売られているような「もどき」調味料が平気で使われている。
「もどき」調味料・・・大量生産の精製塩や、「みりん風調味料」といった類
ほとんどが輸入物
典型的なのは醤油
漁港とコラボレートしてブイヤベースを作るワークショップ
参加者の声「地域の魚の生息する環境や魚の特徴を知って料理をすると面白い」
女性を巻き込むことが大切
大分県日田市「木の花ガルテン」
農家と連携した直売所と直営レストランというビジネスモデル
これからの農業は、一次産業に留まらず、二次、三次産業を巻き込んだ、六次産業の時代。
地域特性を活かしたものづくり、付加価値を高めて自ら消費者に届ける。
法則2 ものづくり力
・地域の特性に合ったものを栽培し、加工する。
・地域の環境や豊かさを大切にする。
・国内外の視察で得た学びを地域特性に合うようアレンジする。
・商品開発には、食感度の高い女性を巻き込む。
生産・加工・販売に加え、体験や滞在を楽しめる食と農のテーマパーク
高知県「馬路村農協」
徹底的に「田舎を売る」
ゆず湯、パッケージが28種類もある
「愛と勇気あふれる湯」、「恋する人の湯」、「なんとなくその気になる湯」、人生100年の湯」、「夢を見る湯」、「しあわせをかき集める湯」、「ツキを呼ぶラッキーな湯」、「うれしいことがあった日の湯」などなど。
でも、全部中身は一緒。パッケージだけが違うという意表をついた商品。
遊び心が馬路村にはある。
広告、パンフレット、ホームページには、地元の少年や、じいちゃんたちが登場
「都会のまねをしない。都会の考えをまねしない」
森を通っていかないと工場にたどり着けない。
村らしさの演出。
森をトレッキングするツアー、ゆず収穫、木工体験など、村の産業を活かしたメニューづくり。
ブランド化するには、まず自分たちの商品が置かれている現状を根本から見直すことが必要。
養豚農家が子どもに、「お父さん、うちの豚肉は輸入の豚と比べておいしいの?どこでいくらで売られているの?」と聞かれても、答えられないのはおかしい。
地域のブランド化
「ヨーロッパのすごいところは田舎が格好いいところ。田舎を売るなら格好よくせなあかん。」
自分が作ったイモが原料の焼酎。ある意味究極のオリジナルブランド
法則3 ブランドデザイン力
・ソフトと人材の開発にお金を使う
・ものづくりを核に、体験メニューで消費者を巻き込む。
・徹底的に「田舎」の物語を織り込んで売る。
・長期的視野で地域全体をデザインする。
・地域同士、賢い田舎同士、知恵をつないでますます発展する。
「食のテキスト」作り
郷土の食材や食文化について学ぶこと
食材の背景や歴史などから学び、実際に食材を食べるワークショップ
素材がシンプルで明確であれば、感受性の強い幼児や小学校の児童ほど、素晴らしい反応を返してくれる。
奄美の塩の話
『人間は脳で食べている』
おいしさの4分類
・生理的な欲求に合致するものはおいしい
・生まれ育った国や地域あるいは民族などの食文化に合致するものはおいしい
・脳の報酬系を強く刺激するおいしさはやみつきになる
・情報がおいしさをリードする
※アミノ酸、油脂、甘味はやみつきになる。
朝早く起きて、夜更かしせず、運動して、規則的な食生活をする。間食を減らして、ごはん、野菜、魚、豆類、海藻、肉類など食事のバランスをよくとることがダイエットの大原則。
長崎県平戸市
漁師によるシイラ料理のワークショップ
(参加費2500円、定員30名)
法則4 食文化力
・特産品を売りたいなら、まずは地域の食文化、その背景を学ぶ。
・誰もが学習できるテキストと、体験できるワークショップを効果的に組み合わせる。
・アンテナショップやラボなど、文化を伝える「場」を作る。
・食を売り込む戦略で、次世代の「味覚と健康」を守る。
兵庫県豊岡市
コウノトリと共生するまちづくり
スローシティ(イタリア・ブラ市の例)
派手な看板や自動販売機などは一切ない。
町の景観保護条例で規制
法則5 環境力
・地域の農家や加工業者など伝統的な生産者や作り手を表に出す。
・「環境のため」が地域住民の誇りになる。
・身の丈に合った経済規模が持続可能のポイント。
・伝統的な建造物を大切にする。
・景観保護のために町全体のデザインに配慮する。 -
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食環境ジャーナリストとして活躍する著者が、全国800あまりの農山漁村をくまなく歩き、取材・執筆した。地域の持つ潜在力を、これまでとは逆転の発想で、最大限に発揮する。そんな「田舎力」が、都会もうらやむ活力と雇用を「ふるさと」に創出した成功例を紹介する。
各地の現場を回って見てきた著者は、農山漁村で暮らす人たちや行政の人たちと一緒に地域づくりにかかわるようになった。生産者と消費者、田舎と都会、ジャーナリストと地域おこしアドバイザーという複眼的な視点から、本書はまとめられている。
「なにもない土地に眠る宝を探す発見力」「ビジョンを抱いて、きちんと作るものづくり力」「ヒットの秘訣は地方に訊け、のブランドデザイン力」「食材の背景を知り、発信する食文化力」「持続可能なコミュニティを目指す環境力」。この5つの「田舎力」で、都会に逆転ホームランを放った、地域おこしの秘策が挙げられている。
「そのままの日本」で海外の学生を魅了した長崎県の小値賀島、農家レストランの先駆者として年間16万人を集める大分県大山町の農業組合、人口8,000名の山間地で体験型複合ファームを運営し、43億円の売り上げを誇る三重県伊賀市の農業法人etc…。
元気な田舎から元気をもらえる1冊。(S)
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ネタバレ1.しばらく農業について考えてなかったので、全体を流し読みしたかったので購入しました。
2.日本の食は危機的な状況に陥っているということを読者に理解してほしいということから書かれています。遺伝子組み換えや食料自給率といった聞いたことあるワードについてざっくりと説明されており、このような危険があるということを述べています。データの真偽はともかくとしても、日本では農業について考える機会が少なくいことは確かです。テレビでもあまり取り上げられることがなく、情報規制が厳しくされています。そのため、私たちは自分から農業に対して学びに行かなくてはいけません。
この本ではすべての問題に対して浅く広く述べられているので、それぞれについて、自分なりの答えを出していくのがいい読み方だと思います。
3.新しい知識を学ぶことはなかったのですが、改めて考えると、おかしいなと思う部分がたくさんあります。食料自給率については「なんでカロリーベースなの?」とか思いますし、輸入ばかり頼ることに対して危機感をあおりすぎているのもどうかと思います。そもそも産業として成り立たないので廃業するわけであり、それを支えてこなかった政府、我々国民にも問題があるのではないかと思ったりもします。安い方がいいに決まっているという意見は最もなのですが、なぜここまで安いのか、日本産は高いのかというロジックを考えていかない限り永遠に解決しません。学校で農業(食育)の教育をされてこなかった弊害がここにきて現れたのだと思いました。 -
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主にその地方の「食」を活かして、町おこしをする。
筆者の経験からその方法が示されている。
「地産地消」とか「伝統料理」とかいっても、
「地産地消」の現状は単にその場所で栽培・消費されているだけに過ぎず、
その種はアメリカ産の改良品種だったり、調味料も化学調味料だったりと、
本当の意味で「地産地消」ではなく中途半端。
徹底してやることが大切だという筆者。
これを読んで思ったことは、
まちづくり・まちおこしは第一にいかにその地域の人を巻き込んでやる気にさせるかであって、
そのきっかけとして人間三大欲求の1つである食欲に訴えかけながら進めていくことは有効なんだろうなってこと。
その際の仕掛け、さらには対外的にどうするかを考える段階になって、
この本に書いてあることは参考になりそうだと思った。 -
Posted by ブクログ
主に、地域(田舎)の観光と食育についての話だった。
地域が衰退している。古い町並みは壊され、地域一帯となり何日かかけて見る場所がない。だから観光客はこない。イベントをしても一過性のもので、地域活性化に結びつかない。
「おいしい」「生産量日本一」では消費者はひきつけられない。
その課題を解決する方策を……という導入から入る。
(観光立国論を書いたデービッドアトキンソン氏と地域再生を民間から手がけ、行政のあり方の問題を指摘する木下斉氏の本の内容に似ているな、と思ったら、参考文献に彼らの本がずらりと並んでいるので、彼らの受け売りで書いている部分も大きそうだ。地域再生と日本の観光についての問題点を知りたいなら、この本より彼らの本を読んだ方がわかりやすく、納得できる)
著者の主張は、
・「おいしい」というだけでなく、様々な表現ができるような教育を子供達にすること。ながら食べではなく食べ物に向かい合い、その味をよく考える食べ方の教育。
・地域が一体となる観光をつくること(客観的な食べ物のおいしさの採点、町並み保全など)
・食べ物は「食べ方」と一緒に知らせ、本などにまとめること。
といったことだった。
外国の事例や日本の地域の事例などを紹介して、なるほど、と思わせる。
では自分の地域では何ができるだろう、と考えてみると……自分の地域でも食べ物の食べ方を本にまとめた組織があるが、仲間内の人が買っているだけで一般に知られてはいない。
教育という即時性がないものであると、最初に問題と指摘した一過性の食イベントと比較して良いと明確に言えない。
実際に、著者の主張で、タイトルの通り里山を産業ベースにのせられるだろうか……。
そもそも著者が産業にできているのか?と疑問になった。著者が介入したことで、地域の町並みはどう変わっただろうか、つくった本の普及はどれだけできて、出版前後で作物の売れ行きにどんな影響があったのか。著者の活動による成果数値はでてこない。
読んでいるときは、わくわくしたが、読み終わって一歩冷静になると、効果があるのか疑問に思った。 -
Posted by ブクログ
1.なぜ、農業界のブランド化が失敗しやすいのか、昔考えたことがありますが、再び考えてみようと思いました。
2.日本の農業のブランド化はあまりうまくいきません。その理由としては、供給側が消費側の事情をあまりに把握していないことが問題だと本書で述べております。例えば、POPを作るにしても「地域限定」と書いたり、「ジャムしか知らないからジャムを売る」という供給者都合で物事を判断し、事業が進んだ結果失敗してしまいます。本書では、このような歴史を簡潔に述べ、今とこれからに必要な農業のブランド化について述べています。
3.第一次産業は独特の文化が構築されている産業です。いわゆる職人気質が強すぎることと、食べ物はなくならないという思いから、消費者のことを考えない商品づくりがされてしまいます。この理由としては「消費者との距離が遠すぎること」にあります。第一次産業の従事者はコミュニティの幅が非常に狭く、地域内でのつながりが強いという特徴があります。これにより、新しいものを取り入れる習慣がどの産業よりも遅くなり、変わらないことが日常となります。今でこそ、若い農家さんや元々先進的であった農家さんが自立できる環境ができてますが、まだまだ個人の力を強くしなくてはいけません。そして、そのためには変化に対応するしかありません。自然相手ということもあり、1日単位で変えることは不可能ですが、自身のマインドを変化させることはできるため、私に何ができるだろうか、どうやって所得アップに繋げようか、もう少し生産者に寄り添って考えていこうと思います。