伊藤正一のレビュー一覧

  • ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    ところどころ、地名や地形の描写があって、どうしても想像がしにくいところがあった。巻始の地図を見てわかる場合もあれば、わからない場合も多数だった。

    でも、超人の域を超した山賊たちの話は面白く興味深かったし、お茶目なところが愛おしくも感じたし、
    何よりも山賊といわれ恐ろしい雰囲気をまとっていても、山の美しさを一身に受けとめている様子は親近感さえ覚えた。

    最後の高橋庄太郎の解説を読んで、伊藤新道に行きたくなった。
    何度も何度も読み返して、黒部に足を運んでみたい。

    0
    2025年07月04日
  • ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    チャプターズの萌乃さんおすすめ本。
    これは「やばい!」「読んで良かった!」がまず先行する本。
    冷静に冷静に。。
    「好きを言語化する技術」を読んだばかりじゃないか。。冷静になったら戻ってきますw

    0
    2025年02月02日
  • ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    実話だからこそ面白い
    あの黒部の秘境に山賊がいたなんて
    しかも想像していた山賊ではなく心優しい猟師たちではないか
    山賊たちの武勇伝や妖怪の話も面白い
    この本を読むときのオススメはYouTubeで黒部の秘境やグーグルアースで場所を確認しながら読むと臨場感が増す
    実際に北アルプスに登山できないから本で楽しみたい

    0
    2024年06月17日
  • ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    著者は現三俣山荘オーナーの父、伊藤正一氏。昭和20〜30年代の北アルプス最奥を舞台にした話。
    出てくる男たちの脚力がとにかくすごい。本書で語られる山賊たちもそうだけど、伊藤氏も、朝4時に上高地の明神館を出て午前中に三俣山荘に着き、また引き返してその日のうちに上高地に戻ってくるなど常人ではない。私からすれば超人である。そんな超人たちが北アルプスを縦横無尽に駆け回る様を、楽しく読んだ。

    0
    2023年12月31日
  • 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    雲の平山荘で、少し読んで、続きは下山してから読みました。
    自分が見た景色と山賊がいた頃の様子がオーバーラップして、とても面白かったです。

    山小屋が整備される前の大変な状況や、山小屋を建てる事の大変さ、山賊たちの個性豊かさ、山に潜む妖怪、
    伊藤さんにしか書けない内容で、当時の困難さと豊かさが伝わってきました。

    0
    2023年10月28日
  • ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    第二次大戦直後に黒部川源流の山小屋を買い取ったら、山賊たちが主人然としていたので彼らに宿料を払った。
    山賊たちは銃を持っており、山で行方不明になった人々がいるのは彼らのせいだという噂。

    仔細がわかってみると、山賊というよりはアルプスを熟知した猟師たちで、噂されていたことは誤解が多かった(もしくは立証できなかった)ので、彼らと5年ほど山小屋で生活を共にし、その後、昭和30年代半ばまでに山で経験したあれこれを書き記したという一冊。

    「アルプスの怪」というのは、山賊たちのこともそうだし、佐々成政の埋蔵金を目当てにやって来る山師たち、さまざまな遭難事件、動物に化かされる話、そして妖怪や幽霊の話に聞

    0
    2023年07月15日
  • 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    三俣山荘、水晶小屋、湯俣山荘、雲ノ平山荘のオーナーで伊藤新道を開削した伊藤正一氏が黒部の山賊事件を中心にまとめた雑誌記事を元に加筆したもの。
    新聞で山賊と報道されたが、猟師(但し保護されているカモシカも獲っていたのは事実)のこと。
    黒四ダムができる前の黒部深部の様子が語られている。

    0
    2022年07月26日
  • 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白い!!これを読むと、昭和の20-30年代くらいまではまだまだかなり自由度の高い時代だったのだなと思う。装備が良くなり、登山者が気軽に山奥まで来られるようになって人が増えたこの数十年を思えば、規制は必要だと思うけれど、この頃山に生きていた人たちの生きざまが、もう、全然違って、輝やかしい。山の奥は人の世ではないから、人の理屈で説明できないこと、街では考えられない危険なども多いのだろうが、ロマンチシズムを感じずにはいられないし、今年こそ雲ノ平に行きたいなと改めて思った一冊。山を拓いた人たちにも敬意を覚える。

    0
    2021年01月27日
  • ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

    購入済み

    今度、私も山の不思議を感じたい

    登山をする私にとって、前から気になっていた本。山賊と戦い合った事を書いたのかな?と思いきや一緒に三俣山荘や黒部を守っていたエッセイでした。
    あとがきに掲載されている高橋さんの言葉通り、「オーイ、オーイ」と聞こえてこないか?等と黒部へ登った時に期待しそうな楽しい。そして、当時の登山時代を感じられる一冊です

    0
    2020年11月12日
  • 伊藤正一写真集 源流の記憶 「黒部の山賊」と開拓時代

    Posted by ブクログ

    「黒部の山賊」とはなんぞや?
    という思いから手に取った。
    戦後のまだ未開の黒部の山を、写真とともに
    紹介。
    その険しい日々を、山小屋として整備される日々を
    まさに戦いの日々の中で、悠然と構える山々の
    美しい表情。
    この人にしか、書けない、撮れない景色、歴史。

    読み応えあった。

    0
    2019年08月18日
  • ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    伊藤正一『定本 黒部の山賊』ヤマケイ文庫。

    小泉武夫のエッセイか椎名誠の『あやしい探険隊シリーズ』のような雰囲気を持った面白くも、山の魅力が伝わる秀作。これが昭和30年代に出版された作品とはとても思えない。

    北アルプスの奥地の黒部源流で長らく山小屋を経営した伊藤正一が、終戦直後に『山賊』と呼ばれた 遠山富士弥、遠山林平、鬼窪善一郎、倉繁勝太郎らとの山での奇妙な生活と交流を描き、山の魅力を伝える。

    “定本”ということで、本編に『人物グラフィティ』、『黒部源流グラフィティ』を加え、再構成し、文庫化。

    0
    2019年02月17日
  • 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    北アルプス黒部源流の三俣山荘を買い取り、黒部に人が通れる道を作ろうと奮闘する著者の実話。山での生活の中で、著者はしばしば山賊たちに遭遇する。山と生きる彼らは自然界における自分の力量をわきまえ、必要以上の恵みをとることもしない。彼ら山賊の生き方に、現代の私たちが学ぶことも多いのではないだろうか。

    0
    2019年01月17日
  • 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    センチメンタルでドライで最高の傑作。山小屋でオヤジから聞けたらどんなに良かっただろうと思うが本でも充分味わえた。

    0
    2018年07月21日
  • 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    最近近場の山を登る機会があり、登山もいいなと思い読みました。山賊と聞くと物々しいですが、独語は何か爽やかな気分。山の怖さや奇妙さ美しさが伝わってきて、黒部源流に行きたくなる一冊でした。

    0
    2018年06月15日
  • 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

     自分の趣味は読書と山歩きだが、この本の存在を知らなかったことに少し恥じている。
     北アルプスにも興味があって、白馬岳、槍ヶ岳など登ったこともある。今年は表銀座や日本の秘境と言われている雲の平にも行きたいと思っていたほどだ。
     自分が山に行く時は登山計画に沿って行動することが多く、その土地の由来や経緯などはあまり調べてはいない。突然広がる素晴らしい景色や珍しい花々との出会いが山の楽しみであり醍醐味でもあったからだ。
     そんな価値観に一石を投じたのが本書だ。山に行く時の楽しみがまた1つ増えてしまった。今度、北アルプスに行ったら「ここに山賊が居たのか」とか「オーイ」と聞こえたら「ヤッホー」って答え

    0
    2018年02月11日
  • 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    登山の厳しさ、楽しさ。そして、不思議だけど、自然とは不思議で壮大なもんだと思わせてくれる。読んで良かった! 良本です。登山好きな有人には勧めていきたいですね。

    0
    2018年01月15日
  • 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

     終戦間もないころ、北アルプスの三俣山荘を譲り受けた筆者だったが、山荘に近づけずにいた。
     
     黒部の山奥には山賊がいて、崩れかけた三俣山荘をねぐらにしているというのだ。
     実際に、漁師や登山者が山賊に襲われたと話す。

     意を決して行ってみると、小屋にいたのは話の面白い紳士的な男数人だった。
     これが筆者と山賊たちとの出会いだった。

     終戦期から黒部の主として山小屋に居続けた伊藤正一氏の、山賊たちとの日々と、山の物の怪や動物たちとの日々をつづる。

     かつての黒部を見ることはできないが、読んで想像することはできる。
     そこには山賊たちの足跡が残っているはずだ。

    0
    2017年04月16日
  • 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    黒部ダムが出来る以前の、まだ厳しい黒部山中に生きていた山の鉄人=山賊たちとの山の日々を綴った一冊。
    四人の山賊の個性が際立ちすぎて創作じゃないかと思うほどですが、巻末に写真入りプロフィールありです。
    すごく印象的なエピソードとしては、川ぞいを歩きながらスイスイと川魚を釣っていたというもの。生活で鍛え抜かれた名人芸とはどれほど美しいものなんだろうなと思った一節でした。
    山賊たち以外には、飼い犬ジャムについて記した章が印象的。
    伊藤さんがジャムを家族と言う時、ペットを家族という現代人とは全く重みが異なります(良し悪しの問題ではない)。
    物理学者を目指したという伊藤さんが、ところどころで山の怪を素直

    0
    2016年11月10日
  • 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    久しぶりの山岳もの。山のノンフィクションというとほとんどが生死を彷徨うような事故や事件を扱った物といったイメージを持っていたが、この本はタイトルからして面白そう。
    そう思い、手にとって読んでみると、期待通りの面白さであった。戦後の黒部に存在していた山賊の話に始まり、昭和30年代後半までの北アルプス黒部川源流付近の様子が記録されている。
    「笹まくら」の主人公も、戦争忌避するなら山賊になるという生き方も、実際には可能であったのか、なんて夢想しながら読み進む。
    登山から遠ざかり数十年が経ってしまったが、この本を読むと北アルプスへの登山欲が湧いてくる。
    ただし山で遠くから「オーイ!」と声をかけられても

    0
    2015年12月25日
  • 定本 黒部の山賊

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    昔黒部の山奥には山賊がいた、らしい。
    話は終戦から30年代のころ。
    終戦直後、廃屋同然だった三俣山荘を再建しようとする伊藤氏、が小屋には山賊が住み着いているらしい・・・
    しかし手をこまねいていても埒があかない、怖々小屋に行ってみることにする。
    山賊とは世間がイメージで作り出した人たちのことで、山で猟をしたり魚を捕ったりしながら暮らす人々のことだった。
    小屋の再建に力を貸して貰ったり、猟の仕方を教わったりしているうちにいつしか仲間意識のようなものが芽生え、小屋での共同生活が始まる。
    なにしろ彼らは山を知り尽くしているのである、力強い仲間だ。
    そんな暮らしの中での怪談めいた話や、河童やかわうそなど

    0
    2015年12月04日