定本 黒部の山賊

定本 黒部の山賊

1,056円 (税込)

5pt

北アルプスの最奥部・黒部原流域のフロンティアとして、長く山小屋(三俣山荘、雲ノ平山荘、水晶小屋、湯俣山荘)の経営に
携わってきた伊藤正一と、遠山富士弥、遠山林平、鬼窪善一郎、倉繁勝太郎ら「山賊」と称された仲間たちによる、
北アルプス登山黎明期、驚天動地の昔話。
また、埋蔵金伝説、山のバケモノ、山岳遭難、山小屋暮らしのあれこれなど、
幅の広い「山の話題」が盛り込まれていて、読む者をして、まるで黒部の奥地にいるような気持ちにさせてくれる
山岳名著の一書です。
1964年に実業之日本社から初版が刊行されたときは、多くの読者からの好評を得ました。
近年は、山小屋でのみ購入できたこの幻の名作が、『定本 黒部の山賊』として、
山と溪谷社から刊行されることになりました。
新規原稿も一話加え、底本未掲載の貴重な写真も盛り込んでいます。
巻末には、高桑信一氏と高橋庄太郎氏による『黒部の山賊』へのオマージュも掲載。

おもな内容
◎山賊たちとの出合い
山賊の舞台・黒部の源流/
そのころの世相/
山に山賊がいるという/
慎重にすすむ/
自分の小屋に宿料を払う/
山賊対策会議/
山賊たちの正体

◎山賊との奇妙な生活
山賊一味と暮らす/
山賊事件の真相/
山賊たちの熊狩り/
山賊と岩魚/
アルプスのキティ台風

◎埋蔵金に憑かれた男たち―別派の山賊
星勇九郎の大金鉱/
ほんとうにあるのか山中の埋蔵金

◎山のバケモノたち
道しるべになった水晶岳の白骨/
カベッケの不思議な呼び声/
バケモノに呼ばれた人たち/
人を呼ぶ白骨 /
神がくし?/
洞穴の怪/
巧みな狸の擬音/
三本指の足跡/
カッパの正体

◎山の遭難事件と登山者
薬師岳の遭難/
不思議な遭難/
疑われた同行者/
非情な同行者/
四晩つづいた遭難信号/
謎の手紙/
人事不省一週間の山上の病人

◎山小屋生活あれこれ
山ぼけ/
どうどうめぐり/
山小屋の費用/
アルプスへの空輸/
熊と登山者/
熊をならす/
山で育った犬

◎その後の山賊たち
黒四と山賊たち/
その後の山賊たち ほか、旧版未掲載原稿「遭難者のお礼参り」や、
貴重な写真も新たに加えて再編集。

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定本 黒部の山賊 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年10月28日

    雲の平山荘で、少し読んで、続きは下山してから読みました。
    自分が見た景色と山賊がいた頃の様子がオーバーラップして、とても面白かったです。

    山小屋が整備される前の大変な状況や、山小屋を建てる事の大変さ、山賊たちの個性豊かさ、山に潜む妖怪、
    伊藤さんにしか書けない内容で、当時の困難さと豊かさが伝わって...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月26日

    三俣山荘、水晶小屋、湯俣山荘、雲ノ平山荘のオーナーで伊藤新道を開削した伊藤正一氏が黒部の山賊事件を中心にまとめた雑誌記事を元に加筆したもの。
    新聞で山賊と報道されたが、猟師(但し保護されているカモシカも獲っていたのは事実)のこと。
    黒四ダムができる前の黒部深部の様子が語られている。

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    Posted by ブクログ 2019年01月17日

    北アルプス黒部源流の三俣山荘を買い取り、黒部に人が通れる道を作ろうと奮闘する著者の実話。山での生活の中で、著者はしばしば山賊たちに遭遇する。山と生きる彼らは自然界における自分の力量をわきまえ、必要以上の恵みをとることもしない。彼ら山賊の生き方に、現代の私たちが学ぶことも多いのではないだろうか。

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    Posted by ブクログ 2018年07月21日

    センチメンタルでドライで最高の傑作。山小屋でオヤジから聞けたらどんなに良かっただろうと思うが本でも充分味わえた。

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    Posted by ブクログ 2018年06月15日

    最近近場の山を登る機会があり、登山もいいなと思い読みました。山賊と聞くと物々しいですが、独語は何か爽やかな気分。山の怖さや奇妙さ美しさが伝わってきて、黒部源流に行きたくなる一冊でした。

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    Posted by ブクログ 2018年02月11日

     自分の趣味は読書と山歩きだが、この本の存在を知らなかったことに少し恥じている。
     北アルプスにも興味があって、白馬岳、槍ヶ岳など登ったこともある。今年は表銀座や日本の秘境と言われている雲の平にも行きたいと思っていたほどだ。
     自分が山に行く時は登山計画に沿って行動することが多く、その土地の由来や経...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年01月15日

    登山の厳しさ、楽しさ。そして、不思議だけど、自然とは不思議で壮大なもんだと思わせてくれる。読んで良かった! 良本です。登山好きな有人には勧めていきたいですね。

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    Posted by ブクログ 2017年04月16日

     終戦間もないころ、北アルプスの三俣山荘を譲り受けた筆者だったが、山荘に近づけずにいた。
     
     黒部の山奥には山賊がいて、崩れかけた三俣山荘をねぐらにしているというのだ。
     実際に、漁師や登山者が山賊に襲われたと話す。

     意を決して行ってみると、小屋にいたのは話の面白い紳士的な男数人だった。
     こ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年11月10日

    黒部ダムが出来る以前の、まだ厳しい黒部山中に生きていた山の鉄人=山賊たちとの山の日々を綴った一冊。
    四人の山賊の個性が際立ちすぎて創作じゃないかと思うほどですが、巻末に写真入りプロフィールありです。
    すごく印象的なエピソードとしては、川ぞいを歩きながらスイスイと川魚を釣っていたというもの。生活で鍛え...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年12月25日

    久しぶりの山岳もの。山のノンフィクションというとほとんどが生死を彷徨うような事故や事件を扱った物といったイメージを持っていたが、この本はタイトルからして面白そう。
    そう思い、手にとって読んでみると、期待通りの面白さであった。戦後の黒部に存在していた山賊の話に始まり、昭和30年代後半までの北アルプス黒...続きを読む

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