伊藤正一のレビュー一覧

  • 定本 黒部の山賊

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    少し前の時代にはこんなことがたくさんあって、登山はすっかりレジャー化してしまってるけど、こんなふうに山に溶け込んでみたい(迷いこむのも熊が出るのもオーイって声がするのも嫌だけど)不思議な話がたくさんで、わくわくしながら読んだ。

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    2015年10月21日
  • 定本 黒部の山賊

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    ノンフィクションだったんだ。最初の方はホラ話かと思って読んでいました。でも、読み進むほどにこの本の本来の姿が分かってきた感じ。山に入る人なら気にいる可能性が高い本だと思う。
    それにしても、黒部の山の奥深くに巨大なダムを作る必要なんかあるのかな?167人もの犠牲者を出して作ったから、ビッグプロジェクトだとか言って建設を美談に仕上げ正当化しなきゃならなかったんだろう。いかにも電力会社や政治家、官僚がやりそうな仕業で、原発と全く同じ構図。結局、無謀な自然破壊っていうだけのことだと思う。電気なんかなければないで済むんだから。

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    2015年09月27日
  • ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

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    深い谷、切り立つ岩壁――黒部の山は人を拒む。そこに暮らしたのは山を知り尽くした“山賊”たちだった。彼らの生きざまを温かな眼差しで描く。山菜を採り岩魚を釣り時に登山者を助け時に試す。自然の厳しさと恵みを等しく受け入れる暮らしは便利さに慣れた私たちの想像を超える。文明の光が届かぬ谷間で培われた知恵は今や失われつつある。山が教えるのは足元の一歩を確かめる慎みだ。

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    2025年08月09日
  • 定本 黒部の山賊

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    山小屋の主人として黒部一帯を開墾した人の人生記。昭和中期に実在した黒部の山賊たち。山の怖さがよく分かる。

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    2024年12月27日
  • ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

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    海賊は色々なフィクションで題材にされていますが、山賊については人生であまり考えた事がなかった!
    同じ日本とはいえ時代も生きる場所も違うので最初はあまり入り込めなかったのですが読み終える頃にはその時代の山を山賊たちと生き抜いて来たような気分でした。
    この本に出てくる山賊はあまり恐ろしさを感じないのですが、賊と付くからには実際は恐ろしい面もあったのでしょうか。
    著書の山とその事業に対する情熱と愛がすごい。

    山に行った際は、おーい、と呼びかけられても返事しないように気を付けます笑

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    2024年12月15日
  • ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

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    とても生々しい山を開拓していく話
    実際にあったことだからこそ淡々と書かれているが環境に影響を受けバタバタと人が死んでいくのは衝撃。
    でも山の魅力もたくさん伝わってきて、私自身北アルプスに行きたいと強く思うようになりました。

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    2023年12月07日
  • ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

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    山賊の話?ではなく、黒部にいたというか、住み着いていた猟師たちの話。
    愛嬌のある猟師たちとひょんなことから山小屋の番を長年することになった著書の経験した山での恐ろしくも、楽しくもある話だ。
    著者の人柄からか、遭難や死が描かれているものの、どことなくすごくさっぱりとした読書感だ。良い意味で。
    また、山が好きだけど、クロヨンができたことを、この自然の恵みを多くの人達が得るのだと、前向きにとらえ、変に自然破壊だーって感情的になってないところも、一種、達観している感もあり、いい。
    自分は、登山知識もないので、ここに行けるわけではないが、行ってみたい気持ちにさせる。

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    2021年06月04日
  • ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

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    戦後登山文化の黎明期に活躍した三俣山荘の小屋主、伊藤正一さんの回想記。

    ゴアテックスも、ヘリコプターによる荷吊りも、黒部ダムもなかった時代、黒部現流域は山賊がいた。と、まことしやかに下界では囁かれていた。この回想記では、前半部分でこの山賊話の真相と彼らとの生活を語り、後半部分では伊藤さんの小屋番としての体験を語っている。

    今みたいなハイテク装備がない時代に山を生きた人のリアルが感じられた。

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    2021年03月14日
  • 定本 黒部の山賊

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    黒部源流地域は、かつて全くの未開の地であった。
    しかし、その山に分け入り、逞しく生きている山の男たちがいた。
    時に、彼らは山奥で人を襲うとか、カモシカを密猟するなどの嫌疑をかけられ、時に山賊と呼ばれることがあった。

    その山賊たちの巣窟である山にある三俣小屋を引き受け、山賊たちと交わり、そして自らも山の人となった、伊藤正一氏が記した、山賊たちと山の記録。
    山小屋の主人の実際の経験や、直接山賊たちから聞いた話は、作り物ではない生々しさを持っており、かつ、冷静な記録として非常に面白い。

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    2015年10月14日
  • 定本 黒部の山賊

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    北アルプスの最奥部・黒部原流域のフロンティアとして、長く山小屋(三俣山荘、雲ノ平山荘、水晶小屋、湯俣山荘)の経営に
    携わってきた伊藤正一と、遠山富士弥、遠山林平、鬼窪善一郎、倉繁勝太郎ら「山賊」と称された仲間たちによる、
    北アルプス登山黎明期、驚天動地の昔話。
    また、埋蔵金伝説、山のバケモノ、山岳遭難、山小屋暮らしのあれこれなど、
    幅の広い「山の話題」が盛り込まれていて、読む者をして、まるで黒部の奥地にいるような気持ちにさせてくれる
    山岳名著の一書です。

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    2015年10月03日
  • 定本 黒部の山賊

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    遭難や殺人事件などの悲惨な話が織り込まれているのにまるで寓話の様に読み手に伝わってくるのはなぜだろう。それは読み手も山ヤさんであることを意識しているのだろうか。特に印象的だったのは愛犬ジャムが下界に降りた時にやたらと子供に吠えたり(恐らくストレスで)毛が抜けてしまったと言う話。全く人間も同じで山に入ると山ボケや幻の声などそこは現実の地上世界とは違った世界があり山賊とはまさにその世界で生きる種族。
    読み手がそれを感覚で捉えることが出来る事を意識して書いている。

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    2015年08月31日