筑紫哲也のレビュー一覧
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[ 内容 ]
愛国主義は悪党の最後の隠れ家である。
本書の中で筑紫さんが語る言葉の一つである。
誰もが反対しづらい美辞麗句、思わず振り向いてしまう大きな声には注意が必要だ、という意味である。
二〇〇三年から二〇〇八年にかけて、筑紫さんは早稲田大学と立命館大学で主に大学院生に向けた講座をもっていた。
その中で再三伝えようとしたのは、情報や情緒に流されることなく自分の頭で考えることの素晴らしさであった。
この一連の講義録をもとに、本書は構成された。
「若き友人」を「日本人」と置き換えてもいい。
筑紫哲也さんからの最後のメッセージである。
[ 目次 ]
第1章 まず憲法について話してみよう
第2章 -
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>いちばんのカギは「緩急自在」の「自在」の部分にあります。自れが在る―自分が緩急のペースを選び取るということでしょう。人は何のために生きるのか、人が作った集団・組織が何のためにあるのかを忘れない。すべてを解くカギは「自発性」だと思う。
「自発性」が保てるとすれば、苦しみの先に歓びがあるからだ。そして、このことこそが「学ぶ」ということの本質ではないだろうか。真の「ゆたかさ」とは「心ゆたか」であることであり、そのためには、やっている当人たちが、それを楽しみ、おもしろがり、快いと思わなくてはならない。
私たちは、他者の生活を羨み、同じ欲求を満たそうと、自分の素直な欲求を見ようとすらしません -
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ワーグナーの楽劇「神々の黄昏」で登場する人物が奪い合う黄金の指輪は、それを手に入れた者に世界を支配できる全能の力を与える代わりに、愛することを諦めねければならず、死に至る呪いがかけられる。バーナード・ショーは、この作品の主題は資本主義だと主張した。
1980年代半ばにマクドナルドがローマのスペイン広場に第1号店を開店したときには、猛然な反対運動が起きた。この騒動はイタリア全土でも話題になり、その中からスローフードの語が生まれた。
嵐山光三郎が唱える「良い町の10条件」は、川が流れる、町並みが美しい、祭りがある、長老がいる、若手が活発に活動している、おばさんが元気、酒と料理がうまい、上等のそ -
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ニュースキャスターとは一体いかなる存在なのか?
「人は己を信ずるもののために死す。」
「私が採れる方法は二つあると思う。
一つはひたすらあやまって嵐が過ぎるのをまつ。
もうひとつは何故私があやまったかを
めぐって徹底的に論議することだ。」
「自然破壊を続けたら人類は生きていけない。
人類が滅びれば地球は生き残る。」
「人類の最大の発明はなんだと思うか?」
音楽 12音階
「北風と太陽」
「泥棒にも3分の利」;絶対の真理、絶対の正義はない。
小泉・田中は、文化が違った。
一番違ったのは、「言葉」である。
コミュニケーション
言葉だけによる部分 7%
言葉の抑揚、音節に -
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ネタバレこれからの日本は色々とまずいことになるよ、
今の若者がだめだとは言わない、
(なぜなら若者は大人の鏡だから)
でも、将来を作っていくのは若者しかいない。
本当は、今の日本人(若者)は力も能力もあるけれど、
無知と考える力が無いことで、気付いていないこと、
力が発揮できていないことがたくさんある。
考える力を持って、
自分が持っている力(権利や資源や能力)を
ちゃんと生かしてほしい。
…って筑紫さんは、言いたかった…のかな?
メディアコントロールや、
ナショナリズムとパトリオティズム、
ポピュリズムの怖さ、
日本国憲法が理想に基づいて作られた『奇跡的な産物』であること
(でも男女平等につ -
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2008年に肺がんのために亡くなった、
ニュースキャスター、ジャーナリストの筑紫哲也さんによる、
2005年ころに行われたと思われる大学院生を対象にした講義を主軸として、
他の原稿などもまとめた本がこれです。
若者たちに向けて、「こんな世の中にしてしまったのは、僕たち大人たちなんだ…」
というようなことを、自らの保身抜きで、そして自らの世代の代表として、
若者から搾取する多くの小ズルイ大人たちを告発するかのように言ってくれます。
そういうところから、この本は始まります。
「そんな常識も知らないで」と言いながら、
まるで常識を教えなかったり小出しにしたりする大人って
多いと思うんです、僕の経 -
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物静かに優しく語りかける姿が浮かびます。
この本の企画は、こんなように始まったそうです。
「2008年の年が明けて間もないころ、筑紫さんからひとつの提案をいただきました。 『この何年か講義をしてきて、私なりに遺しておきたい言葉というものがあります。それを新書の形にできないでしょうか』 ということでした。その時すでに病に冒されていた筑紫さんからは、『いきなり新書一冊分書き下ろすのはきついので、“青春と読書”に連載して、その後本にまとめるというのはどうでしょう』 という提案もいただきました。
こうして、2008年の夏に集英社がもつ刊行PR誌“青春と読書”で『若き友人への手紙』というタイトルの連 -
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「青春と読書」での連載として読み物らしい文体で、「9.11」「阪神大震災」「クリントン大統領来日特番」「小泉内閣発足」などさまざまな事件を、普段自分の意思を表立たさないニュースキャスターという立ち場から少し距離を置いて語られている。
筑紫氏の面白いところは、ここまで世間にキャスターとしての立ち場が確立されていながらも、つねに「キャスターとは何か」を自問しているところであり、文末に「無軌道修正を連鎖していくのがこの仕事」と括っているあたり、興味深い。
朱鎔基のインタビューにて、経済皇帝の異名をとる要人を前にしても、彼の人柄にこまかく言及している下りが、この人を面白く奥深く見せていると思っ -
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ケータイを持ったサル:正高信男
テオ・アンゲロプロス:旅芸人の記録、シテール島への船出、ユリシーズの瞳、永遠と一日、エレニの旅
要約
1)自発性こそが全ての出発点であり、命である。
2)ゆるやかな結びつきを組織原則とする。参加者ができる範囲で割ける時間を使ってやれることをやる。
3)小さいことは良いことだ
4)他の「同好」グループとの結びつきは「水平型」「ネットワーク型」を目指し「垂直型」を採らない。
5)「正統性」に固執しない。自分達がやっていることだけが正しいとは考えない(富士山の頂上に到達するにはいろんな登山口がある)
6)寛容とゆとりを持とう。
7)「快」「楽」を最優先にしよう。いくら -
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ニュースの心がけ
(1)あわてたり、上ずらないこと――現場からの中継はいくら興奮してもよい。そのほうが空気が伝わる。だが、それとの対比を出すためにも、受けとめるスタジオは冷静さを保ったほうがよい。とくにパニックを起こしかねない題材の場合は。
(2)とりつくろおうとしたり、ミスをおそれたりしないこと――失敗を恥ずかしがる日本人の性癖を私も人なみ以上に持ち合わせているが、それが無用の緊張、こわばりを生むくらいなら、捨てたほうがよいと思うようになった。ミスはかえって臨場感を出す効果もある。
(3)俯瞰、メリハリ、“総括”を忘れないこと――番組の途中から見始めた人もいるだろうし、忙しくチャ -
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報道の形、ということを思わずにはいられなかった。
新聞 対 テレビ はもちろんのこと、テレビの中にも 当然ながら さまざまな伝え方があるのだ。同じ素材でも 切り込み方・味付けによって 見る側には全く別のものになってしまう恐れもあるのだ、と 改めて番組作りの難しさをも思わされた。
そんな中にあって、同じ報道番組のキャスターを10年以上の長きに渡って務めるというのは 並大抵のことではないだろうと容易に察せられる。
ご本人は謙遜して書いておられるが、それは筑紫哲也という人が ご自分の立ち位置を常に明確にしておられるゆえだろう。
それにしても、生放送の報道番組の綱渡り感を毎日しのぐというの