田中克彦のレビュー一覧

  • ことばは国家を超える ――日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義

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    言語の系統図を見て、非常に納得した。私が見たかったのはこういう図だった。ハンガリーとフィンランドがヨーロッパでは言語的に飛地になっていることを知った。
    ヒトの長い歴史の中で、少数言語話者でありながら、一度も国を持たなかった人々の不安定さが非常によくわかる。今の中国やロシアの周辺にはそういうマイノリティたちが複数いて、私たちもその一つなんだと感じる。

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    2022年01月18日
  • ことばと国家

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    母語と母国語の違いは何か,こういうことを考えたことがあるだろうか.また,通じて「正しいことば」とは何か,ということも考える.方言や俗語もれっきとした「ことば」なのである.

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    2015年06月19日
  • 漢字が日本語をほろぼす

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    言語は使いやすくおおらかで親しみやすいものがマーケットで選ばれる。複雑怪奇、きわめて難しい言語である日本語は決してスタンダードにはなりえない。窒息するような難しさは外国人にはまず無理。とりわけ、医学用語は、医術の秘儀性、患者との距離を広げようとしたのか、難解極まりない。漢字の難しさが外国人の医療現場への流入を妨げているとも言われている。明治の初期すでに森有礼が日本の公用語として英語を導入しようとしている事実は興味深い。国際的場面で日本語は窮地に追い込まれている。漢字の多用は言葉の力の貧しさなのであると深く自戒しなければならない。

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    2014年08月14日
  • ことばと国家

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    言語と方言。祖国と故国。母国語と母語。話し言葉と、書き言葉。

    母語とは、母から口語で聴いて自然と受け継いだ言葉。
    ユダヤ人や、第二祖国を持たない、日本人である自分は、母語≠母国語でなく、故国・故郷とは別の祖国を意識する事がないが、都内で仕事・生活を続けるにあたって、方言が自分の中から失われようとしている現実は、故国、母語をも失い兼ねない事になるのだと気付かされた。

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    2013年03月05日
  • 差別語からはいる言語学入門

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    真面目な言語学研究のなかに、毒舌がちょいちょい出てくるのが、小気味よい。難しくなりすぎず、ぐだけすぎず言語学に触れ合える。面白い。

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    2012年12月21日
  • 漢字が日本語をほろぼす

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    志賀直哉の復刻版かと思ったら田中克彦だった。昔から漢字廃止論があるのは知っていたし、私が今住む地では事実上廃止されている。しかし日本語と韓国語では音韻・文字体系が異なるので、日本語では現実的でないと思っていた。日本語の表記法が優れたものとは思わないし、筆者の言わんとすることも分かる。それでも、唯でさえ弁当箱と一部で揶揄される京極夏彦本が正立方体になり、片手で持てなくなるという一点において私は反対だ!(笑)途中苛ついたが読後感は悪くない。どうやらツラン文化圏のロマンにやられたようだ。トルコ語でも勉強するか!


    活字好きには、かなり挑発的なタイトルだなあ。^^;取り敢えず、お手並み拝見! 201

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    2012年09月12日
  • 漢字が日本語をほろぼす

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    82ページ
     みずず書房
      ◆みずず書房→みすず書房

    180ページ
     一九七四年のことだと言われる。日本の訪問団が中国を訪れた際に、一行の代表西園寺公一氏が、中国側に、かつて日本が中国に加えた蛮行をわびたところ、鄧小平氏は、「中国もまた日本に迷惑をかけた。一つは『孔孟の道』を伝えたことであり、二つ目は「漢字の幣」を与えたことだ」と応じたという。
      ◆漢字の幣→弊

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    2011年08月31日
  • ことばと国家

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    以前も読んだはずですが…すごく新鮮でした。ことばという日常どこにでもあるものが最も権力と結びつきやすい。でも、水とか食料もそうですね。

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    2010年03月02日
  • ことばと国家

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    文章が難解で読みにくいです。

    言語における考察を作者がつらつらと書いてる。特に大した感想を抱かなかった。ふーんって感じの本。

    母語っていう単語にすごい執念を持っているが、専門領域にしている人でなければ母国語と敢えて区別しないところをつっこみまくっている。

    いや、ほんとに可も不可もなくって感じの本です。

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    2009年10月07日
  • ことばと国家

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    「母国語」と「母語」は違うのか。ふむふむ。

    気になった表現。
    「現実にある言語共同体が用いていることばであって、話されているだけで書かれることのないことばは存在するが、書かれるだけで話されることのないことばは存在しない。つまり、話すことはつねに書くことに先行する。」p.26
    「文法の安定と不変を願う気持が、それを正しいときめ、それからの逸脱を誤りとするから、言語の変化はいつでも誤りであって、正しい変化というものは論理的にはあり得なくなるであろう。そのことはつまり、言語に関するかぎり進歩という概念はあり得ないということになる。」pp.72-73

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    2009年10月04日
  • ことばと国家

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    大学生のときに読んで、「国語」とはつくられたものだったということを知ってかなりのショックを受けました。

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    2009年10月04日
  • ことばと国家

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    Antoine de Rivarol(1753年生まれ) フランス語が何ゆえにすぐれているかという点で、リヴァロールはそのシンタクス(語順)がすぐれていることをあげる。

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    2009年10月04日