田中克彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
志賀直哉の復刻版かと思ったら田中克彦だった。昔から漢字廃止論があるのは知っていたし、私が今住む地では事実上廃止されている。しかし日本語と韓国語では音韻・文字体系が異なるので、日本語では現実的でないと思っていた。日本語の表記法が優れたものとは思わないし、筆者の言わんとすることも分かる。それでも、唯でさえ弁当箱と一部で揶揄される京極夏彦本が正立方体になり、片手で持てなくなるという一点において私は反対だ!(笑)途中苛ついたが読後感は悪くない。どうやらツラン文化圏のロマンにやられたようだ。トルコ語でも勉強するか!
活字好きには、かなり挑発的なタイトルだなあ。^^;取り敢えず、お手並み拝見! 201 -
Posted by ブクログ
「母国語」と「母語」は違うのか。ふむふむ。
気になった表現。
「現実にある言語共同体が用いていることばであって、話されているだけで書かれることのないことばは存在するが、書かれるだけで話されることのないことばは存在しない。つまり、話すことはつねに書くことに先行する。」p.26
「文法の安定と不変を願う気持が、それを正しいときめ、それからの逸脱を誤りとするから、言語の変化はいつでも誤りであって、正しい変化というものは論理的にはあり得なくなるであろう。そのことはつまり、言語に関するかぎり進歩という概念はあり得ないということになる。」pp.72-73