斉砂波人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
神仏に関する怪談が集められた一冊。
著者によって集まる怪談に傾向がありとても興味深い。
その中でお寺や修験者に関する怪談を綴った橘百花氏の民話のような因果話や海を越えた海外の神について語られる卯ちり氏の怪談、そして一話のみながら思わずヒヤリとさせられる人間も怖い話の「檻の中」の斉砂波人氏と「裏の靖国」の鷲羽大介氏…。
もちろん他の著者の方々の話も大変興味深く、また読みやすいものが多くとても満足な一冊。
しかし後半に行くとかなりアクの強い著者が続くため(悪い意味ではなく作者の個性が強烈に出ている話が多いので)「実話怪談」というより立派なひとつの「作品」として捉えたほうが良いかもしれない。
特 -
Posted by ブクログ
面白かったが、怖かったかと言われたらそこまで怖くはなかった。ただ、記録を読み進めるうちに「儀式」の全容だったり目的が明らかになっていくので、真相に辿り着いて「あぁ、不気味だね」っていう感じ。
なので、ゲームのサイレンみたいな土着の宗教を巡るサバイバルホラーみたいなものを期待して読むと、少し拍子抜けするかも。
柳田國男の『遠野物語』とか、山に纏わる怪談とか、そういう湿っぽい不気味な話が好きな人には刺さると思う。
個人的には、断片的な情報や記録が集まってくるにつれて、話のミソが徐々に読めてくる感覚が、主人公と共に調査をしている気分になれて面白かった。 -
Posted by ブクログ
帯に「背筋氏、戦慄」ってあったのと、小冊子(角川「こわい本あります」フェアの本)が付いてたのを本屋さんで見つけ、これは…と思いお迎えしました。
私、背筋さんの名前が出てたら、読んでみたくなるタチなもんで(笑)
「語り継がれる虚ろな伝承、その断片が集積し、脳内で悍ましい像を結ぶ」と帯で謳われてる通り、山中でのフィールドワークの様子が目に浮かんで…怖面白かったです。
集めた資料の提示から始まってたから「右園死児報告」っぽくも見えたけど、あちらとは違ってお話はひと夏の出来事だったし、資料の合間に「現地(調査)報告」とする小説部分が挟まってたので、読みやすかったです。
本の造作も、前半パートの扉絵 -
Posted by ブクログ
神様に関わる怪談は、それ相応の罰的な展開になるのがやっぱり怖い。
神様に頼るときや何かいけないことをするときは、それ相応の覚悟を持って。
死ぬ気で向き合えること以外は、安易に関わってはいけない。それは、良くも悪くも。
そう思わされた。神社散歩とか、本当にいいのか?とか、薄っすら思った。
もっと下調べしてから色んなところに行くべきだと思った。
あとは神様や近しい存在に対して失礼な態度を取る奴が、人間には良いことをしているなんてあり得ないので。
宗教観とかそういう観点ではなくても、その人たちが心から大切にしているものを粗末に扱うようなことは、何だろうとダメってことで。
私も気をつけます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ感想すぐかかなかったせいで内容あんまり覚えてないけど、オカルトものだった。資料やスクラップを並べていく構成だったと思う、
ネタバレになるが確か民俗学を学んでいる
男のほうが調べてた地方の儀式が実は人肉食の話で
その彼女の女の人が揚羽蝶おっかけていて、そちらが出会った地方の話がロボトミーみたいのでしたという話。
このての形式の話を読むといつもだからどうしたと思ってしまう。すっきりせずモヤモヤだけ残る。毎回興味もあるし手をだす分野だけど結末が欲しい自分には合わないのかもしれない。オカルト小説の最近のブームに乗ったんだなあという感じだった。
正しい評価もよくわからないので星3。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今流行りのモキュメンタリーホラー。
所謂「因習村」の要素が盛り込まれた作品であり、その分民俗学的な要素が強めだった。
本の内容としては、ふたつの村が舞台でありそれぞれ足を運ぶ人物は異なる。
感想としては、不完全燃焼というのが正直なところ。不穏な空気こそ漂っているが、そこからなにか大きな事件が起きるという訳でもなく、あくまで二人の学生が村の風習やそれに纏わる過去に起きた出来事を元に、その裏にあるものを考察していくという内容に終始していた。
ふたつの村が繋がるという展開もないため、物語的なカタルシスは薄め。また示唆的なアーカイブこそあるのの、それもそこまで重要ではなかった。
「近畿地方のある