あらすじ
これは、日本各地に点在する集落で今も密かに行われている儀式を記録したものである。
第一の記録『瀧来集落』
東北では、少女を囲み、男たちが無言で数珠を回す雨乞いの儀が行われる。儀式の後、少女は必ず失踪し、誰一人として戻ってきた者はいない。
第二の記録『高山集落』
四国では、神仏の声を聴くための禁忌の儀式「オハチヒラキ」が継承されている。霊力を強制的に開花させるこの行為は危険すぎて禁じられているが、集落では今も続けられているという。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読み始めは「近畿地方のある場所について」と似たような感じかな?と思ったが
読み進めていくと作品のスタイルは似てなくもないが
作品の質は全然違った
ファフロツキー現象や蝶の生態なんかの記述はやたら詳しくて
読み進めているうちにどんどん怖くなる
最近はこんな感じのホラー作品が増えているが
むせかえるような怖さとストーリーの面白さを兼ね備えた作品はマレ
これは私の愛読書になりそうだ
Posted by ブクログ
一気読みした。
めちゃくちゃ面白かった!
各地に残る儀式的なお祭を調べる男子学生と、昆虫を研究する女子学生のお互いに調べたことを擦り合わせていくはなし。
片方は人肉食、片方は強制的ロボトミー。
やばすぎる儀式を解明したかもしれないはなしでそこに収束していく過程がめちゃくちゃ良かった!
間に挟まれた実話怪談?も面白くて、占いのひとがほんまにいてるなら見てほしいなぁと思わせる筆力!
この作家さんの他の作品も読んでみたいですねー!!
Posted by ブクログ
面白かったが、怖かったかと言われたらそこまで怖くはなかった。ただ、記録を読み進めるうちに「儀式」の全容だったり目的が明らかになっていくので、真相に辿り着いて「あぁ、不気味だね」っていう感じ。
なので、ゲームのサイレンみたいな土着の宗教を巡るサバイバルホラーみたいなものを期待して読むと、少し拍子抜けするかも。
柳田國男の『遠野物語』とか、山に纏わる怪談とか、そういう湿っぽい不気味な話が好きな人には刺さると思う。
個人的には、断片的な情報や記録が集まってくるにつれて、話のミソが徐々に読めてくる感覚が、主人公と共に調査をしている気分になれて面白かった。
Posted by ブクログ
東北の瀧来集落と四国の高山集落で行われる不可思議な儀式の記録を綴ったモキュメンタリーホラーで、民俗学のみならず各国の伝承や科学的見地から儀式を考察する下りが面白く、徐々に浮かび上がる儀式の正体のおぞましさと最後まで全容が明かされない不可解さが恐ろしかった。
Posted by ブクログ
日本の歴史の闇に埋もれた悍ましい儀式に足を踏み入れる大学生たちの物語。
タイトルにもなっている儀式の恐ろしさはもちろんだが、各国の神話や事例との類似性を示す資料・描写も多く、表現が異なるだけで似たようなことやモノが世界中で存在しているのかもしれないと言う違った恐ろしさも感じた。
大きく前後編に分かれており、途中わずかに話が交わる部分はあるが基本的に独立した話。
どちらもある意味いいところで話が終わっており、続きを読みたいと思わせる終わり方だった。
Posted by ブクログ
帯に「背筋氏、戦慄」ってあったのと、小冊子(角川「こわい本あります」フェアの本)が付いてたのを本屋さんで見つけ、これは…と思いお迎えしました。
私、背筋さんの名前が出てたら、読んでみたくなるタチなもんで(笑)
「語り継がれる虚ろな伝承、その断片が集積し、脳内で悍ましい像を結ぶ」と帯で謳われてる通り、山中でのフィールドワークの様子が目に浮かんで…怖面白かったです。
集めた資料の提示から始まってたから「右園死児報告」っぽくも見えたけど、あちらとは違ってお話はひと夏の出来事だったし、資料の合間に「現地(調査)報告」とする小説部分が挟まってたので、読みやすかったです。
本の造作も、前半パートの扉絵が黒、後半パートは白になってて、それがお話の設定と上手く噛み合ってるのが面白い。
本屋さんで見た時、小口の色が途中から変わってるのって、何か仕掛けがあるのかな?って不思議に思ってたけど、そういう仕組みだったんだ。。
ただ、資料に出てくる語句が割と専門的だったから、日をおいて少しずつ読み進めてると、小説パートでその語句が出てきた時に?ってなることが時々あったのが難でした。
どういう意味だった?っていちいちページ探すのがちょっと億劫… まぁ、一気に読まなかった私が悪いんだけどね。。
一気に読んだ方がもっと面白かったかもしれん、って後悔してます。
Posted by ブクログ
普通に面白かった。記事の切り抜き風だったり、言い伝えの記録だったりだいぶ細かく分かれてたけどそれもあってかすぐ読めた。
こういう民族系のホラー好きだから似たような本もっと読みたい。
Posted by ブクログ
考察したくなるホラーが好きな人に
特に刺さるタイプの作品。
東北の瀧来集落と四国の高山集落に伝わる
不可思議な儀式を二部構成で描いた
モキュメンタリーホラー。
それぞれの地域に伝わる儀式は、
一見すると単なる伝統に見える。
しかし現地で拾い集めた資料や、
スクラップとして挟まれる過去の伝承や
怪異の記録を重ね合わせていく事に
禍々しい真相が浮かび上がってくる、
というストーリー。
派手な恐怖ではなく、
ジワジワと滲むような気味の悪さがある。
Posted by ブクログ
スクラップやメモを読んで話が進んでいきます
1項が非常に短く、さくさく読み進められました
因習村系大好きなので
初めはワクワク読み進めていたのですが
だんだん失速
謎は謎のまま終わります
結局上には上がいるということ
(1)とあるのですが
続くのか!?
Posted by ブクログ
なかなか異様というか、異質な空気感のある一冊。ホラーというよりも何か文化に迫るフィールドワークや調査の一端を垣間見たような、あまりにも真実味があって、かえって恐怖を覚えないような感覚すら感じるというような印象。背筋さんのモキュメンタリーホラーと似ていると思いきや、またしても一線を画している独特な作品に出会えたという感じがした。自分自身が辰年ということもあって、なんだか自分がばらばらに破断するような思いになったかも。次の作品を読んでみたい。
Posted by ブクログ
様々な雑学と物語の謎が交互に繰り出され、その実像が少しずつ見えてくる展開はとてもおどろおどろしくて面白かった。
ただ、そういうホラーだから仕方ないかもしれないが、ほとんど推測で進んでいくので、イメージが漠然としていた。そういう面でいえばおどろおどろしい雰囲気をまとっていた前半にくらべ、後半は「こういうイメージの作品にしたいんだろうな」という作者の意図みたいなものが垣間見えて、少し興ざめだった。また、後半が少し急ぎ足だったような気もする。
Posted by ブクログ
感想すぐかかなかったせいで内容あんまり覚えてないけど、オカルトものだった。資料やスクラップを並べていく構成だったと思う、
ネタバレになるが確か民俗学を学んでいる
男のほうが調べてた地方の儀式が実は人肉食の話で
その彼女の女の人が揚羽蝶おっかけていて、そちらが出会った地方の話がロボトミーみたいのでしたという話。
このての形式の話を読むといつもだからどうしたと思ってしまう。すっきりせずモヤモヤだけ残る。毎回興味もあるし手をだす分野だけど結末が欲しい自分には合わないのかもしれない。オカルト小説の最近のブームに乗ったんだなあという感じだった。
正しい評価もよくわからないので星3。
Posted by ブクログ
友人が、それぞれのフィールドワークに行き、来訪者として村の風習や奇祭、その裏を想像する話。
構成としては、一人称の現場の観察、スクラップにまとめられた断片的な知識と情報、2人の会話による考察が繰り返される。
モキュメンタリーかと思ったら、衒学的な感じで必ずしも結末があるわけでもない。スクラップのおかげで答えには辿り着けるけれど、スクラップの順番のせいなのか怖さというものはあまり感じなかった。
よかったのは観察者がずっと村の外から来た観察者であり関係のない人であり続けたこと。ただ見る人に徹したからこそこのスクラップが生きている気がする。
Posted by ブクログ
今流行りのモキュメンタリーホラー。
所謂「因習村」の要素が盛り込まれた作品であり、その分民俗学的な要素が強めだった。
本の内容としては、ふたつの村が舞台でありそれぞれ足を運ぶ人物は異なる。
感想としては、不完全燃焼というのが正直なところ。不穏な空気こそ漂っているが、そこからなにか大きな事件が起きるという訳でもなく、あくまで二人の学生が村の風習やそれに纏わる過去に起きた出来事を元に、その裏にあるものを考察していくという内容に終始していた。
ふたつの村が繋がるという展開もないため、物語的なカタルシスは薄め。また示唆的なアーカイブこそあるのの、それもそこまで重要ではなかった。
「近畿地方のある場所について」のような内容を求めていた分、自分には物足りない本だった。