福原義春のレビュー一覧
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装丁で本を選ぶことは多いけど、ここまで表紙しか見ずに買ったのは初めてかもしれない。いつもはちゃんと著者のプロフィールを見てから買うのに、この本は手に取ってすぐにレジに持って行ってしまったから、著者が資生堂の名誉会長であることを知ったのは読み始めたあとだった。表紙にもちゃんと肩書きが書いてあるのに、なんで気づかなかったんだろう。
それくらいこの本の表紙に、というか書名に惹かれたのは、読書術の本やビジネス書を読む中で「教養」というワードにたくさん出会ったからだ。教養というのはすごく大事なもので、しかもそれは本を読めばある程度身につく、という説はどの本にもわりと共通して登場する。でも「教養」ってなん -
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ネタバレ資生堂名誉会長の著者による、読書について論じた本。
著者が幼いころからどのように本に接して来たかから始まり、影響を受けた本の紹介、読書がいかに重要か、そして現代の本・出版を取り巻く問題点まで、内容は多岐にわたる。
影響を受けてきた本の章では、ガレア戦記や方丈記等の古典、陰影礼賛などまで、厳選された数々の本を紹介している。単なる紹介ではなく、その本を読むことの重要性や、その本の中の名文などが語られ、本当にその本に慣れ親しみ、愛読していることがわかるのだった。
著者の書く文章も平易だが洗練されており、知性の高さをひしひしと感じた。
以下、一点だけ引用。
”私は、教養とは、情報(デ -
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資生堂の名誉会長が読んできた本の振り返りと、それを踏まえて現代の「読書」に対する筆者の主張が掲載されている。
強く思ったのは、この人の家庭の文化資本というのは大変高かったということ。
本を買い与えられて育ったという環境に「本を読む」という行為は強く依存するものではないかということ。
だから、単純に「本を読め」と言ってもそれは難しいことで、「本を読まない」家庭と「本を読む」家庭とのギャップを埋めないことには、同じようなスタートを切れないような気がするなあ。
と思ったのでした。
でも、大体の部分に同感。
今回新しく買った本は、大体ここからのチョイス。 -
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2011年最初に読んだ本。父さんが紹介してくれた本で、なぜ読書をするのか?という読書をする以前の根本的な問いを改めて考えることが出来、これから1年間を過ごしていく上で良い刺激になった。
資生堂社長の福原義春さんの読書に関する考え方で、なぜ本を読むのか、本を読む大切さを福原さんの経験に基づき分かりやすく書いてある。基本的なことと言ってしまえばそうであるが、自分の中に刻んでいきたい。
・本を読まないとは偉大な損失である。
一人の人間が一所懸命、一生をかけて色んな事を考え、経験を積もうと思っても、所詮一人がやることは僅かな領域。
我々の祖先の人々が経験し、考えたことが本になって膨大な「知」が残っ -
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「人が本を読まなくなったのだという。それでいいのだろうかと怪しむ。何やかやと忙しくて時間がないからだともいう。そんなに忙しければ、朝起きた時に顔を洗わなければいいじゃないか。晩飯を抜いたらどうだろうか。それは困るというなら、どうして本を読むことだけをやめてしまうのか。」
「私という人間は、今まで読んでた本に編集されてでき上がっているのかもしれない。」
「私は、教養とは、情報(データ)や知識(インフォメーション)が元の形のまま集積したものではなく、人間という入れ物の中で知性(インテリジェンス)に変換された人間性の一部ではないかと考える。」
「日常の経営は、日々変化する個別具体の一回性の出来 -
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仕事や生活を豊かにする読書することのすばらしさを書いている。自分はそもそも洗脳的に読書っていいもんだと思っているから「書を捨てよ、町に出よう」じゃないけど本を頼りにするばかりは抑えたほうがいいと思っているんだけど、本書のまえがきに「書を読んで、町に出よう」とあり、そっちのほうがよいと思う。とはいえ、福原さんも刊行当時にしてけっこうな年輩の方。確かに読書は大切だけど、読書だけで知を養えるとも思いきれないのが現代だとも思う。ITとかも要は使いようなんだろうけど、本を読むことも併存させながら自分の知を築いていくようにしよう。
書中でも触れていた福原さん提唱の「サクセスフルエイジング」っていま風にいえ