福原義春のレビュー一覧
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資生堂名誉会長の著者による、読書について書かれた本。
著書の幼少期からどのように読書と親しんだか、おすすめの古典の本の紹介、ご自分の体験のほかに出版業界への課題など話題は多岐にわたりとても面白かった。
やっぱり、幼少期の本との関りが大きく影響していることは間違いない。
こんな本に囲まれた環境を自分の子どもにも提供できたらと改めて思えた。
特に第6章は出版業界について言及している箇所は本当に興味深い。出版業界がどれだけ「本離れ」「書店離れ」をインターネットなどのせいにしているかわからないが、経営者目線の考えが新鮮だった。
私はあまり古典が好きではない。
文学だけでなくて、いわゆる古典と言われ -
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四季の変化に対して極めて繊細な感覚を持っていた日本人。詩人の高橋順子氏によれば日本には2,145もの風を表す言葉がある。時津風、芋嵐、夏疾風、薫風、比叡おろし・・・。雅味あふれる言辞だが今やほとんど使われていない。語彙が急速に失われている。著者は文化の衰退、文明の衰退を憂う。今こそ人間が人間らしく生きていくための感性を取り戻す必要があると訴える。日本人の本来豊かであった感受性を取り戻す方法は、自然に触れること、美に触れること、本物に触れること。自然は、私たち人間の生命力を養うと同時に想像力の源ともなる。フランスの詩人、ポールクローデル氏は1943年、日本の敗戦が濃厚になってきたとき、どうしても
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Posted by ブクログ
本を読むことの重要性と自分の体験を含めて書いている。また著者のおすすめ本が書いている。
オススメの本を教えあい、また読んだ本について語り合える「書友」を持つことや、本を読む事とネットなどで情報を得ることの違いとその有効性を書いている。
また、元経営者であり、本を何冊も書いていると言う事で見えてくる出版社と読者との断絶や、読者カードが編集や実際の著者まで届かない仕組みなど現状の問題を憂いている。
それを読んでいて、書店に設置されている検索システムは、書店の仕入れに反映されるようになっているのかな?と疑問に思った。
おすすめ本は、古典的な本「ガリア戦記」「史記」が多い。確かに2千年もの間読ま -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
資生堂創業家に生をうけ、新入社員の時から現場を経験した著者は、社長に就任後、大胆な経営改革、情報開示等、時代を先取りする経営を推進し、また社員の意識改革に積極的に取り組んできた。
企業の枠を超えた、意欲的な文化活動への関わりでも知られる。
会社の中での個人の働きがい、生きがいを探求し、また社会の中での企業の役割と位置づけを追求する姿勢はどのように育まれたのか。
思索と行動の跡とその背景を辿る。
[ 目次 ]
序章 ものごとの本質(キャンプ・ニドムの体験 日仏文化サミットに参加して ほか)
第1章 ものの見方(コラージュづくりから 「オリヂナルに還れ」 ほか)
第2章 ビジネスマ