大沼保昭のレビュー一覧

  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    村山談話にも関わった著者なので偏りが大きいかと思ったら、非常にバランスの取れた批判が多く、特にリベラルや左派への批判はとても考えさせられました。
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    嫌韓・嫌中、戦争責任など。極端な意見のぶつけ合いになりやすい問題について分析し、どう取り組みべきかをわかりやすく示してくれる。日本がこれまでやってきた戦後処理について自虐や独善に陥ることなく、日本が世界に先んじて進めてゆこうと。誠実な学者の仕事。とても良い本だった。
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    国際法学者の大沼氏にジャーナリストの江川氏が聞き役となり歴史認識について問う。日中、日韓において歴史認識の相違が大きな問題として残っている。加害者側、被害者側、それぞれの立場からお互いの立場を思いやる余裕があればと思うが、現実には疑心暗鬼となってしまうのだろう。問いに対する答えとしたスタイルで歴史認...続きを読む
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    某所読書会課題図書.1931年の満州事変から1945年の太平洋戦争敗戦を踏まえて、東京裁判とサンフランシスコ講和条約の概要を冒頭に述べ、戦争責任さらに戦後責任の議論が続く.戦後間もない時代は、戦争に対する被害者意識が全面で、加害者でもあったことを認識することはなかった由.その通りだと感じた.慰安婦問...続きを読む
  • 国際法
    日本と韓国の関係悪化が止まりません。
    従来から懸案だった竹島問題や慰安婦に加えて、徴用工訴訟における日本企業への賠償命令判決、レーダー掃射問題と課題続出です。
    両国政府とも先方の責任を主張するのみで、出口が見えないスパイラルに陥っています。

    本書は、国際法の泰斗による市民向けの入門書。とはいえ、国...続きを読む
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    江川紹子が慰安婦問題について 2013 に取材を申し込んだところから始まっている。大沼氏から江川氏に共同作業を申し込む形で、インタビュー形式の本書が成立している。主張が分かれ対立する主題に関するわかりやすい見取り図を提示している。

    話題は、東京裁判、サンフランシスコ平和条約、日韓・日中の正常化、戦...続きを読む
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    確かに、現在「歴史認識問題」と言えば、韓国併合から満州事変、太平洋戦争を経て、その戦後処理に係る日韓、日中の対立を限定的に指している。靖国参拝、竹島や尖閣諸島、慰安婦といった問題は、それなりに報道に注視し、親と語らい、解説書や小説を読むことで、自分なりに認識しようと努めてはきたけれど、容易じゃない。...続きを読む
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    難しい問題「慰安婦問題」「侵略戦争問題」。その問題に対しての「歴史認識」の違いやこれからどう未来に進んでいくか。考えさせられる作品であり、語り手である大沼氏、聞き手である江川氏のやりとりも非常にわかり易く説明していただいていたと思う。
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    ある意味、日本人としては読みにくい著。
    愛国心や日本人として自認する中で、批判的に書かれているものの、事実がこうで、何故日本やドイツだけがこのように叩かれるのかということも書かれている。ネトウヨ本などが出る昨今に於いては何がfactなのかを確認しないものも増えている。この本は国際法の学者によるもので...続きを読む
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    聞き手語り手の形で書かれているのでとても読みやすかったが、考え続けるべきことをたくさん受け取った本。
    自分と違う意見なも耳も傾けて考えていくこと。
    論破、というのがもてはやされている今、考えるために大事な1冊。
    次の日世代に少しでもましな状態を引き継いでいくには。
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    著者は2004年に東大で慰安婦問題を通して歴史を考えるゼミを実施、村山富市や上野千鶴子などそうそうたる講師を招くが、当初ご受講登録者はたった1名。焦って二次募集を行いやっと9名集めたらしい。そのゼミの内容をもとに慰安婦問題に関する本を発行したらしい。
    東京裁判、サンフランシスコ講和条約などについて、...続きを読む
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    ‪第5章「21世紀世界と歴史認識」の素晴らしさよ。‬

    ‪世界の近現代史をこれほど的確にまとめ、それぞれの立場の歴史認識がいかに不確実であるかを説いている内容に感銘を受けた。‬

    ‪右派左派的な自らの立場に囚われすぎた本や報道が多い中で、貴重な本だと思う。‬
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    どちらかと云えば自分は右寄りなので、最初から日本の侵略戦争を前提としたお話には、読み進めるのに抵抗もあったが、何と言っても日本軍が1000万人以上の人々を殺戮したという事実は直視するしかないというスタンスに立ち戻れば、しごく真っ当なお話でした。
    そんな著者でも、韓国メディアの反日姿勢の強さは異常だと...続きを読む
  • 国際法
    国際法の観点から、人権、集団的自衛権など
    国際ニュースを理解する上で避けて通れない
    重要なトピックに新たな視点を与えてくれる。

    国際法の限界を冷静に見つめつつ、
    それでもむき出しの国家エゴより
    マシなんだから、うまくつかって
    行こうよ、という著者の遺言のように
    感じた。
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    東京裁判、日中国交正常化なども重要論点だが、慰安婦問題にも紙幅を割く。

    「強制連行」などの史実にかかわる部分については、「ないものはない」と歴史学者としての冷徹な分析を徹底しつつ、一方で問題そのものについての日本の道義的責任は回避できない、との立場。
    同時に、アジア女性基金の設立、歴代日本国首相に...続きを読む
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    特別なニュアンスを持ってしまった「歴史認識」という言葉。
    特に、著者が注力したアジア女性基金が批判にさらされた経緯と行間からにじみ出る苦悩が印象的であった。聞き手の江川紹子氏がさすがの力量と思われる。
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    最近よく見られる日本の近代史についての本は、かなり偏った下品な論調の目立つものが多いが、本書は日本の近代史について、バランスの取れた意見がまとまっていて、とても勉強になった。特に著者が直接関わっておられたアジア女性基金について、一般の報道などでは語られない事情にも触れていてかなり参考となる。
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    「歴史認識」とは、日本人として、日本の近代史をどう考えるのか、ということだ。著者は、この問題について頭で考えただけの人ではない。アジア女性基金理事として多くの人との対話を重ねる中で試され、磨かれた末に得たであろう、実の詰まったことばで、この難しい問題をていねいに説明してくれている。
     とくに慰安婦問...続きを読む
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
    国際法学者としてのキャリアが、史実を恬淡として読み解いておられると感じた。
    歴史修正主義者の発する言動は、少々暑苦しいところがあるが、大沼氏の説明には肩の力が抜けており、戦前戦後の日本の歩んだ道の概略として解りやすいものがあった。
    第5章 二十一世紀世界と「歴史認識」において、英仏・米などの植民地責...続きを読む
  • 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて
     戦後70周年の今年(2015年)、先の大戦が再び注目されている。特に周辺諸国との関係で歴史認識は重要な要素になっている。太平洋戦争とそれに付随する様々な問題。日本は加害者と被害者の両側面を持っており、認識が複雑になっている。著者は基本的に東京裁判史観を肯定的だが、過度に自虐史観に陥るのではなく、戦...続きを読む