R・F・クァンのレビュー一覧

  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    19世紀のオクスフォードを舞台に、銀細工による魔法がイギリス中に行き渡っている、という設定の元に描かれる架空歴史モノ。主人公は清国で生まれ、イギリスで育った若者。
     翻訳のニュアンスのズレが魔法の源だが(魔法に呪文はつきものだ)、言語について深く踏み込んでいるのは興味深い。オクスフォードを舞台に、マルチリンガルである主人公は、翻訳の妙味を学びつつ、19世紀のイギリスということで、ブリカス全開の現実に向き合う。銀細工の魔法が産業革命の蒸気機関の代替となっていて、盛り沢山の作品だ。

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    2025年07月16日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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     “銀の棒が震えながら歌っていた。自分たちに関する筆舌に尽くしがたい真実を表現しようとしているかのようだ。それは翻訳が不可能だと言う真実だった。翻訳がとらえ、表現する純粋な意味の領域は決してわからないだろうし、わかりようがないことを。
    というのも、アダムの言語なんてものがどうやったらあり得るのだろう? 生得的で、完璧に理解可能な言語なんてものは存在しない。そんな言語になり得る候補なんてない。威張りちらし、一つのものになろうとして、吸収できるような言語はない。
    言語はたんなる相違なのだ。千もの異なる見方、世界の動き方がある。いや、ひとつの世界の中に千の世界がある。そして翻訳は、どれほど無駄であろ

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    2025年07月11日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    同じ意味の単語を二か国語からそれぞれ選んでも、語源を辿ると完璧には一緒の意味を示すことにはならない。言葉は、単語一つ取り出しても歴史的・文化的背景によって本質的に多義的なのだ。この単語のペアに含まれた意味のズレに魔法が宿る、という設定が面白い。これは自分でも考えて作りたくなる。
    例えば日本語と英語のペアでは、こんなのはどうだろう?
    「間」と「gap」をGoogleで調べるとAIがこう回答してくれる。

    「間(ま)」と「gap」は、どちらも「隔たり」や「隙間」を意味しますが、ニュアンスや使われ方が異なります。「間(ま)」は、時間や空間、または心理的な隔たりなど、幅広い意味で使われる抽象的な概念で

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    2025年07月10日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    「ダーク・アカデミア」と呼ばれるジャンル
    知的な(アカデミックな)雰囲気とダークでミステリアスな雰囲気を組み合わせ、学問への情熱と古典的な美意識を修身に据えたサブカルチャー

    上巻は、なかなか読み進まず、辛い読書でもあったけれど、下巻は大きく物語が動いて面白く、3日で読んだ

    幕間の、登場人物視点の話があるのが良かった

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    2025年06月26日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    ネタバレ

    ラヴェルがヘルメス結社のメンバーという激アツ展開来たかと一瞬思ったが当たり前に違かった。冷静に考えればこれまでのラヴェルの行動や言動を踏まえればそうなるわけがなかった。

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    2025年06月17日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    こんなに物語に没入したのはいつ以来だろう?小学生の時に時間を忘れて読書していたら周りが暗くなっちゃったのを思い出すくらい夢中になって読んでしまいました₍ᐢ⑅• ̫•⑅ᐢ₎
    少し大人向けですが、ハリーポッター好きの方や外国語、翻訳に興味のある方には是非読んで欲しいです!

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    2025年06月15日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    読み始めた時には、大学生版ハリーポッターみたいな流れでそのうえ話しが継ぎ接ぎな章ばかりだなと思いながら読んでいたら徐々に話の焦点にピントが合っていくようになってきて半分過ぎたところくらいから没頭して読むのが止まらなくなってしまいました。それでは下巻へ行ってきます→

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    2025年06月07日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    作品の世界観が斬新で、「翻訳の差異が生む力」を利用するという設定が面白い!難しい内容の本かと思ったが、学園ものファンタジーな感じで、読んでいて楽しかった。

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    2025年05月27日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    作品の世界観が斬新で、「翻訳の差異が生む力」を利用するという設定が面白い!難しい内容の本かと思ったが、学園ものファンタジーな感じで、読んでいて楽しかった。特に上巻は読む手が止まらなかった。

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    2025年05月27日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    ネタバレ

    難しかったけど、面白かった。
    人種差別のあった中で行きていくために、ロビンが殺された人達を思い、暴力で打ち負かそうとすることは認められないけど、理解は出来た。
    最後まで仲間がいたことは良かったと思う。

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    2025年05月25日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    アヘン戦争や産業革命の時代の英国を舞台にした魔法使い(翻訳家)たちの物語。中国との戦争を止めるため植民地に出自をもつ魔法使いが中心となってクーデターを起こす。

    すでに銀を触媒にした魔法は英国のインフラとなっておりストライキによってそのメンテナンスをしないことで混乱を拡大させていく。すでにインフラとなったインターネットやこれからなるであろうAIに置き替えると、職業が失われることがどういうことか、寡占的に起業に技術が集中し資本や政治と結びつくことで権力がどう暴走するのかということを考えさせられる。

    物語として面白いけど前半の丁寧な前提の描写に対して登場人物が簡単に死にすぎだなと感じる。

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    2025年04月29日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    アヘン戦争前のイギリス、清から連れて来られた主人公の物語。翻訳が魔力を生み出す世界。最初は戸惑うが、青春物語としても奴隷の物語としても面白く読めた。

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    2025年04月23日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    圧倒的な銀の保有量と覇権言語の英語を母国語とする英国帝国が世界支配を強める中、それに反旗を翻す革命家たちの物語。

    現実の世界史を下敷きにする魔法ファンタジー。帝国vs抵抗軍という古典的な対立構造だけど今のグローバリゼイションや欲望の肥大化へのアンチテーゼとも読める。多様性や寛容性というのはなかなか育まれにくい。下巻での伏線回収が楽しみ。

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    2025年04月20日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    ネタバレ

    CL 2025.4.7-2025.4.10
    本書の原題が「バベル、あるいは暴力の必要性ーオックスフォード翻訳家革命秘史」であることを考えれば、このラストはある意味そのままで、予測できるけど。それでも下巻はなかなかに厳しい状況ばかりで切なくもある。
    19世紀のイギリスの傲慢すぎる帝国主義、今に残る白人至上主義。決して過去の話ではない。
    こういう作品が日本の若い人にももっと読まれるといいのにと思ってしまう。

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    2025年04月10日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    ネタバレ

    以下ネタバレしてます!!!

     架空歴史学園ファンタジー? いやいや、これは、革命史。そう、タイトルは「バベル オックスフォード翻訳家革命秘史」後書きによれば、英語タイトルでは「バベル、あるいは暴力の必要性 オックスフォード翻訳家革命秘史」だそうで、助長なので「あるいは暴力の必要性」は削られたそう。読後に知ったけれど、たいへん的を射たタイトルだと思った。

     上巻は楽しい。でも、ひたひたと変化が追ってくる緊張感を感じていた。ゆっくり澱が形成されていくように。生い立ち、血のつながり、搾取、差別、被支配、暴力、孤独。
     上巻の終わりにそれまで澱のように沈んでいたものが撹拌され、衝撃的かつ決定的な事

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    2025年03月02日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    19世紀、大英帝国は世界中の銀を手中に収めることで空前の大繁栄を遂げていた。
    そんな中、遥か彼方の中国・広東で死にかけていた少年ロビンが、非印欧語のネイティブかつ英語話者という資質を買われオックスフォード大学教授のラヴェルの元で言語を教え込まれ翻訳家への道を歩み出す。
    だが一方で、帝国に反旗を翻そうとするヘルメス結社の存在があった。

    寮生活で親友たちと一緒、魔法が出てくるということもあって、どこか『ハリー・ポッター』のような雰囲気もあった
    前半・ロビンたちの順風満帆さと、後半・その順風満帆さの裏に隠れた世界の構造との対比がえげつなかった
    時々入る注釈が、『バベル』世界そのものの注釈として(例

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    2025年02月27日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    タイトルだけ見るとなにやら小難しそうな印象だが、本作は19世紀イギリスを舞台にしたアカデミックなファンタジーだ。著者は前書きに相当する注釈で「スペキュレイティブ・フィクション」と呼んでいる。ネビュラ賞、ローカス賞受賞作だ。
    銀の棒に刻まれた2つの言語による単語の意味の違いから生じる魔法が、イギリスに強大な力を与えていた。オックスフォード大学の敷地内にある研究所〈バベル〉の新入生となった男女4人が、世界中の言語とそれをめぐる陰謀に向かい合う姿を描く。
    上巻だけで467ページもある。注釈も多く、読みやすいとはいえないがおもしろい。下巻へ。

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    2025年02月23日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    上巻と雰囲気が変わって争いの世界になってしまった。
    戦う理由が私にはわからなかったし、最後の決断もそれはどうなんだろう?と思ってしまった。

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    2025年12月16日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    もちろんおもしろかったし、ラストには一筋の希望もあったんだけれども……。

    自分が期待していた、上巻での斬新な発想や中華SF的な飛躍はなく、失速した印象を受けてしまった。ハリー・ポッターの終盤に似たつらさがあり、死ななくていいはずの人物が結末ありきのプロットのために退場させられているように感じてしまった。

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    2025年11月14日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    19世紀円半のロンドン、オックスフォード大学が主な舞台。中国、インド、ハイチなど、当時の大英帝国の支配下にあった国々から集められた言語能力に優れた子供達。オックスフォード大学の翻訳研究センター、通称バベルの塔で翻訳と銀を使った不思議な銀器を取り扱う。銀の力と言葉の力で魔法を起こすものだが、その力でイギリスは産業革命を成し遂げ、植民地支配を広げているというもの。アヘン戦争前後の下りは史実と一緒だが、一種のパラレルワールドになっている。主人公を含む4人の学生の友情や葛藤、愛国心、人種差別、奴隷制度、植民地制度をめぐる相剋が描かれている。オックスフォードという世界最高の学びやで、奨学金や生活費を支給

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    2025年11月03日