雨糸雀のレビュー一覧
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購入済み
いやー面白かった。
まだ 2巻までだけど途中退屈することもなく最初から最後まで楽しめる。 登場するキャラが全て良い(挿絵も可愛い子)。 闇堕ちはするがそれでも悪い方向に突っ走るわけでもなくストレスなく読める。 値段は少し高いが満足できる作品です。
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Posted by ブクログ
曇らせ、というジャンルがあることを初めて知った。
男性陣がものすごくしっかりしていてイケメン揃い。
大きな事件は物語開幕直後に起こり、
いわばこの物語は後日談で進められていく物語と言っていいと思う。
主人公、ウォルカが命をかけてパーティーメンバーを守ったことで、
守られたパーティーメンバーが病んでいく。
ひとことで言えばただそれだけの話だが、
その中にキャラクターの魅力がぎゅっと詰まっている。
特に、冒頭でウォルカの自己評価が低い説明から始まったために、
物語が進むにつれて他のキャラクターからの主人公あげが気持ちいい。
大筋の物語としては時系列的にはなんの展開もしていかないのだけれど、
過去の回想を交えて主人公をあげていく、というシステムは
誰が勇者を殺したかでもあたっているので有効な手法なのかも。
とりあえず2巻は時間のある時に読んでみようかな。 -
Posted by ブクログ
ウォルカに関しては1巻の時点で他者と常識の基準が異なる様子が描かれていた。それは原作知識があるからだと軽く考え過ぎていたかもとちょっと自分の浅さを思い知る内容でしたよ…
てか、ここまで常識が異なり過ぎると本作を理解する上でウォルカって「信頼できない語り部」に属するかもとすら思えてくるね
ウォルカには原作知識がある。普通の転生ライトノベルなら、その要素は他の登場人物に対する優位性になったり今後起きる問題の指南書となったりする
けれど、舞台がド外道ファンタジー世界であり、原作キャラやストーリーラインに関わる事が殆どない本作の場合は意味が変わってくるね。ウォルカはあの世界を作り出した人物を知っている、あの世界では人々が残酷に命を落としてしまうと知っている。何よりも自分達が<摘命者>に殺される運命を見ている。だから運命を回避して、それ以上の原作要素に巻き込まれないなら既にハッピーエンドへの道程は始まっている認識となる
これはあの世界に暮らす者達と常識が異なってくるのも仕方ないというもの。特に神様が信仰される世界において、あの世界を作り出した『神様』という名の作者が存在していると知っているのは大きな差異となる。ウォルカの中に信仰が育まれる事はなく、むしろ原作知識を思い出した事で残酷な世界を生み出した『神様』への憎悪は増すばかり
こりゃ他の者達と常識を共有するなんて出来ないわけだ。根本から見ている世界が異なる彼は他の者達と認識をすり合わせられず「信頼できない語り部」が誕生すると…
本作の傾向を考えるとき、<ならず者>退治関連にあれだけの紙幅を費やすのは一見風変わりであるように思える。多くの異世界ファンタジーの例に漏れず、主役となるウォルカ達はそんじょそこらの相手では太刀打ちできない程の実力を身に付けている。実際、<ならず者>を打ち倒すシーンそのものは短くあっさりとしているし
ならば、どうしてあそこまでのベージ数が必要なのかといえば、理由があろうともウォルカ達にとって<ならず者>を殺すのはリアルな現象だから。ユリティアやウォルカが人を殺す感傷を消しきれないように、人が人を害す光景に気を悪くせざるを得ないように
だから本作にとって、威張る悪人を倒す工程はあまり意味を持たないんだろうね。むしろ悪を名乗る人間によって害された者達にこそ寄り添おうとしている。その為には<ならず者>を倒すシーンよりも、<ならず者>によって傷つけられた人や想いをこそ描く必要がある。その中核に多くの傷を持つウォルカが居るわけだ
だからって、自分に刃を向けたシアリィへの対処を優先して自分を心配する仲間達を後回しにしてしまうとか本当に重症ですよ…
ウォルカが最も望んでいるのはあのクソッタレな世界で理不尽に傷つけられた者を出来る限りハッピーエンドへと連れて行く事。だから絶望の中で妹を守ろうとしたシアリィを傷つける理由なんてウォルカは一欠片も持たなくて
その行動はシアリィやルエリィを救う上ではこの上なく正しいのだけど、再びウォルカが傷つく様子を目の前で見せられた挙げ句、再び何も出来なかった自分と向き合う羽目になったリゼル達は当然の如く病み具合が深まるわけで
おまけに助けられる命は望外な程に助けたというのに、それでも神への憎悪を口にするウォルカの姿まで見てしまったらなぁ…。また、そんな姿まで晒したウォルカ自身は思考をあっさり切り替えて一人で立ち直っているのが本当に悪辣ですよ…。そりゃリゼル達がクソデカ感情を持つのも仕方ないというもの。だって自分達を助けてくれたウォルカ自身は何度も傷ついて今も新たな傷に苦しんでいるのに助けを一切求めないんだから。その上でリゼル達を幸せにしようと覚悟を固めているならば、彼女らに出来るのはウォルカの傍で微笑み続ける事ばかり
だというのに、肝心のウォルカは根本から常識やら見ている世界が違う為にリゼル達のクソデカ感情の源泉が判らないと。これは既に手遅れな気がしてしまうな……
パーティ内でも既にややこしい感情が飛び交うウォルカの周囲。ここに来て更に聖女関連でもややこしさが増してきますか
ディアが懸念しているように、ウォルカが聖都から出ていってしまったら実力者が居なくなるという意味でも痛手なのに、アンゼもウォルカを追って出奔してしまうだろうという点では彼の存在はもはや政治的な意味を持つようになってしまっている
また、聖女すら呑み込みかねない実力を隻眼隻脚の状態で放てるなら、尚更に彼を取り込んで義足を用意して恩を売って完全に取り込んだ方が良いという話になる。リゼル達にはウォルカが隻眼隻脚になってしまった事は痛みばかり感じる事案だけれど、関係のないディア達にとって付け入る隙となるのか
気になるのは思わずディアに口走ってしまった神への憎悪かな…。それは神というより原作者への恨みであるのだけど、ここでもやはり転生者である為に見ている常識が異なる点が作用してしまうね。てか、「普通の精神状態だとは思えなかった」って凄いコメントだな……
ただ、それによって聖女達には強烈な印象を残したわけだから、ウォルカの将来を考慮するなら良い会談結果だったと言えるのだろうか…?でも、これによって聖女達、中でもユーリがウォルカにクソデカ感情を持つフラグが経ってしまったような気が…
ウォルカの意に反して彼の包囲網は狭まってきて、原作キャラが彼に関わりを持つ可能性も増えてきた。おまけにウォルカの実力はただの剣術バカの範疇から明確に逸脱し始めた
果たしてウォルカは守りたい者達を守れるのか?その過程で更にリゼル達が病みはしないか?というか、ある程度前向きに物事を捉えているウォルカを見て感情が曇る者がこれ以上増えやしないかと懸念しつつ期待もしてしまう面白い展開になってきたね
というか、この巻の範囲内だとウォルカ達に助けられただけの少女として終わったルエリィだけど、プロローグやシアリィがウォルカにした事を考えるとこの娘も病み要因としてカウントされそうな予感がひしひしとするんだけどな…… -
匿名
購入済み周りの目が勝手に曇ってく
曇りっぷりが肝で、そこが面白い作品ですが
病んでいるのはどっち?
前巻の引きから、事件が進みます。
原作中では早々に退場のモブのはずが
最強剣士並みなのは些か違和感があります。
被害者達の、ある意味ありきたりなエグめの末路。
ダークファンタジーの世界の中にあって
主人公のメンタルは、メタ視点で、自身の欠損も1パラメータに過ぎない捉え方。
その世界の人間としてみた場合、普通に考えれば狂ってます。
そんな狂った主人公の発言に、周りは勝手に「闇」を感じて曇りまくり。
とは言え、主人公のメンタルがそもそも常識的におかしいので
病んでいるのは、むしろ主人公の方と感じます。 -
購入済み
後書きが素晴らしい
話も十分に楽しませてもらいましたが、後書きに一番感銘を受けました。
後書きを読むために、この作品を購入してと読み取られるかもしれないが、作者の後書きは素晴らしい作品を世に生み出すために必要なメソッドが記載されている。
こういう作者がいるから、ライトノベルで面白そうな作品があれば、即購入するのを止められない。 -
Posted by ブクログ
原作小説ってヒロイン達の病みに病まれた主観的心情描写が魅力と思えていただけに、客観表現となるマンガではどうなるのかと身構えていたのだけど、原作小説とは異なるアプローチで魅力を披露出来ていた印象
ウォルカはあの異世界の原作となったマンガだと無残に殺されるしかなかった状況から絶技を発現する事によってどうにか生き残った。それは目出度い事象の筈ながら、ウォルカだけ重傷を負い身体を欠損し他の少女達はほぼ無傷という点が両者の心情を断絶させる要因となっているね
ウォルカっていわば別ルートの未来を知っているようなものだから、全滅エンドを避けられただけで僥倖と感じてしまうんだよね。でも、リゼルアルテらはそんな原作ルートを知らず自分達が体感した絶望だけを見ているからウォルカと心情を共有できないという
この点、ウォルカとリゼルアルテ達はどうしても判り合えない。見ているものが違うから
そうした違いがリゼルアルテらの病みを誘発してしまうのは不幸としか言い様が無いが
ただ、この病み具合は彼女らの魅力を増すものになっているのは作品として成功している証か
いや、本当に良いよね。表情が曇った上で病んでいる彼女らの様子は。割と高頻度で目からハイライトが消えてるもん
見て判るレベルで彼女らの精神は追い詰められている。なら、その変貌に直面したウォルカは彼女らに「自分は大丈夫だ」と証明する為に少しでも頑張ろうとするのだけど……
それが尚更にリゼルアルテらの病みを深めていく構図はもはや芸術的
ウォルカがちょっとでも動けばリゼルアルテは顔を青白くして心配し、「そんなに心配しなくても…」と返せば自虐に走る
ユリティアとアルテはウォルカの知らん場所で極まった表情になりつつ、彼の絶技を思い出しては更に心を追い詰めると
最早ちょっとやそっとの言葉では取返しが付かない状況になってしまっている。それが良い
パーティ内だけでも既にどん詰まり状態であるというのに、パーティ外からも病み少女がおかわりされる構図はもう清々しい
アンゼってウォルカ視点だとそこまで親密な相手ではないから、「何故そこまで?」と疑問を覚えてしまう為にフォローしきれないのだけど、逆に抑えが効かない彼女によって更にウォルカ過保護計画は進んでしまうという
ウォルカにとって、やはり自分が回復しないと皆の病みを止められない状況であると再確認できてしまう
リゼルアルテ達は看破しているけど、ウォルカって本当に剣が好きだし、剣を振れない自分を想像できない
だから彼女らを安心させる為というのは建前で、実態は剣を振りたいから振ってしまうわけで。そうして漏れたのがあの一言だったんだろうけど……
自分達を原因と感じ入るリゼルアルテ達としてはやり切れないよなぁ……
病み要素は隅々にあるけれど、他方で各ヒロインの可愛らしさも充分に表現されているのは良いね
特に6話でのリゼルアルテなんて、のじゃロリお師匠様として存分に活躍しているし
偶然見掛けたウォルカを心配して魔法を教えて、もっと一緒に居たいからパーティを組むなんてちょっとしたラブコメの導入にすら見えてしまう。てか、本当にリゼルアルテ可愛いし
……まあ、その分だけウォルカの生き甲斐を奪ってしまった罪悪感に押し潰されそうな彼女の様子にも魅力を感じてしまうわけだけど
こうした魅力的な表現がされる少女達がまだ3人も残っており、更には聖都への旅路にて更に病み少女も現れるだろう事を考えると、本コミカライズは充分に楽しめそうだと思える第1巻でしたよ -
Posted by ブクログ
内容はパーティを守るために大怪我を負った主人公と、そんな主人公にいかに重い愛を抱いているかというヒロイン達の関係性の話が主な内容でした。
ヒロインの執着には説得力があり、そんな状況で主人公が命をかけて守ってくれれば、まあこうなるよなというヤンデレ好きにはたまらない一冊です。
逃れられない恩義と依存がしっかり書かれていてとても良かったです。
惜しむ点は、一冊の書籍としての構成です。
全編を通してキャラクターと関係性の提示に終始しており、物語が本格的に動き出す前に幕を閉じてしまう長いプロローグという印象を拭えません。
近年の書籍単価を考えると、一巻単体で完結する大きな満足感が欲しいところ。
内容は高評価も納得ですが、一冊としての構成に惜しいところがあります。