ニッコロ・マキアヴェッリのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
私が読んだのは講談社版の2022年第31刷版なのですがこれがとにかくおすすめです。というのもまずこの本は「大文字版」ということでシンプルに文字が読みやすいです。文字の見やすさって意外と大事ですよね。特にこうした古典作品ですと小さな文字が並んでいるだけで「うっ!」となってしまう方がたくさんおられると思います。私もそうです。読み始めるのにもかなり覚悟が必要になってきます。その点でこの「大文字版」は非常にありがたいです。
また、本書の冒頭に訳者による「まえがき」があり、そこで時代背景やこの本を読む際のポイントなどを解説してくれています。これもわかりやすく、挫折しがちな『君主論』を読み通す際に大きな -
Posted by ブクログ
以前に岩波文庫のものを読んだが、二度同じものを読むよりは訳者が違うものを読む方がいいと考え、今回は講談社学術文庫のものを手に取った。
改めて目次を見てみると、目次のすごさが目を引いた。目次を見るだけでマキャベリという人が対象をどれだけ明快に分類し、考察していたかがわかる。
「本は目次が大事」はその通りかもしれない。目次が良くないものは、著者も明快に考察できていないと考えた方がよい。
この本を読むのは二度目で、しかも『わが友マキアヴェッリ』や『マキアヴェッリ語録』を読んだ後なのでスーッと入ってくる。なんといっても一気に読み通せてしまう長さであるのが良い。訳は特別良くもなく、悪くもなく…。一章ごと -
Posted by ブクログ
なかなか上質なビジネス書でございました! ビジネス書じゃない? まっさかー(^^)
んで、本書が書かれたのは1500年頃とのことですが、その理念は現在にも通ずるところがあります。君主を上司、リーダーと置き換えてみたり、臣民を部下と置き換えてみたりすると、意外としっくりきちゃうのです。今後、まったくの新天地にリーダーとして招きいれられた場合、どのようにふるまったらいいのか、そのヒントがここに記されています。
もちろん、すべてが全て使えるというものでもないでしょう。さすがに、権力者を一同に集めて暗殺するなんてね。まあ、そのへんは比喩的に捉えてみたらいいのだと思います。
繰り返しになりま -
Posted by ブクログ
訳が上手くてとても読みやすかった。
なんとなく孫子と似ているな、と思う。
ただ、孫子は主に軍事面から論じており、君主論は統治面から論じている点が違いだと思う。
当時のイタリアの世相や社会情勢が本からよく伝わってくる。
孫子はあまり感情的な記述が少なく作者の想いはあまり見えてこない教科書的な内容(これは善し悪しではなく)だけど、君主論は作者の感情面が伝わってきて面白い。
自分のキャリアから得た経験を客観的かつ冷静に分析している著者マキャベリの頭の良さ、みたいなものがにじみ出てます。
内容としては、思い当たる節が色々ある。
【メモ】
ところが人間は思慮が足りないために、あ -
Posted by ブクログ
立場によって読み取り方が異なる本。
世間でいうマキャベリズムとこの本で本当に言おうとしていることは違うと思います。
君主がどうあるべきかを述べた本であり、君主になるための方法論ではありません。
エッセンスをビジネス書として読むことができます。
1.この本を一言で表すと?
・超現実的な政治手法
2.よかった点を3〜5つ
・人間は寵愛されるか、抹殺されるか、そのどちらかでなければならない(p38)
→人間の本質を見抜いている。
・すべての国にとって重要な土台となるのは、よい法律とよい武力とである(p105)
→権力の根源をわすれてはいけないという戒め。
・賢明な君主は信義を守るのが -
Posted by ブクログ
マキアヴェッリの代表作と言えば、この『君主論』か『マンドラゴラ』でしょう。後者は、最近はRPGで人の形をしたニンジンみたいなのの名前として有名になっちゃったりしましたが、たぶん関係ないと思う。
彼の時代において、君主とはどうあるべきか、どんな君主ならば長く自分の治世を続けることができるのか、という点に関して持論が展開されています。さすがに、その内容を「現代の日本」に当て嵌めるのは難しいですが、それでも「上に立つ人間としてどんな美徳を備え、どんな欠点を修正していくべきか」という視点から見ると、いまだに参考になる部分も多いです。
この講談社の『君主論』は、マキアヴェリについていくつかの著作があ -
Posted by ブクログ
読書会の課題本として読みました。
今、なぜ君主論をよむのか。読んでみた後に、その質問をしてみたいですね。
15世紀のイタリアを中心とした時代背景や、ローマ帝国についての知識を持ち合わせていないとなかなか読み解くのが難しいと感じました。
いわゆる君主、としてではなく「第一人者」としたリーダー論として読むこともできるかもしれません。個人的にはあまりそのような読み方はできなかったですが。
講談社の訳は比較的わかりやすいものとなっていますので、あまり読み切るのに自信がない方には講談社をお薦めします。文字も大きいですし。
総論として読んだ場合、時代背景や価値観の違いが鮮明にですぎていて、なかな -
Posted by ブクログ
ふむ、後半から面白くなってくるな。
教会への対応の仕方とか今の世の中であまり役に立たないだろJK。
性悪説に基づいて書かれている君主論。
文章から若干怖さを感じる、何か辛い実体験があったのかなマキャヴェリさん(´;ω;`)ウッ…
--気になった言葉--
人は些細な危害に対しては復讐をするが、大きなそれに対しては復讐出来ないからである (P39)
他人に勢力を得させる原因を作る者は自ら滅びる(P48)
偉大な人物が新たに与えられた恩恵によってかつて受けた侮辱を忘れ去ると考えるのは誤りである。(P80)
同胞市民を殺害したり、友人を裏切ったり、信義や慈悲心、宗教心を欠いていた人