クリストファー・チャブリスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文春のこのシリーズはいつも楽しみ。読みごたえがかなりあるのでうれしい。本書は6種の錯覚に関する科学調査のまとめを、日ごろ出くわす状況と絡めて説明する。相関関係は示せても因果関係を示すことにはならない、という記述にはっとする。しばしばやってしまっていた!さらに逆の状況(因果関係まで把握したのに、相関関係にすぎないと結論づけて、別の実験や設計に鞍替えしてしまったり・・・)も発生させている!気づきと修正したい点がたくさん思いつく本。
と思っていることも「錯覚」か?という、典型的落ちで、しめたい。
※参考文献が70pもリストアップされているのもすごい。しかもちゃんと一言コメントがついている(ただの -
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Posted by ブクログ
【334冊目】特殊詐欺がこれだけ社会問題になる中で、どうして人はだまされるのか知りたくて読んだ本。洋書の翻訳なのに珍しくスイスイ読めた。
だまされてしまうのは人には認知的なハビットがあるから。4つのハビットは以下のとおり。
①集中…相手は何を隠しているのか
②予測…「期待外れ」を喜べ
③思い込み…判断を後回しにする←要は賢いフリや分かったフリするなってことだと理解しました。
④効率…相手の痛いところを突く←決断のときにもう少し踏み込んで調べたり質問したりすべきってことかと。
詐欺師や政治家やセールストークが利用する4つの認知的なフックがこちら。
①一貫性…この世界は不合理だ←一貫性があ -
Posted by ブクログ
クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ『錯覚の科学』文春文庫。
2017年本屋大賞の発掘部門で『超発掘本!』に選ばれた、なかなか興味深い内容のノンフィクションだった。人間の視覚や知覚、記憶の限界と不確かさを様々な事例を使って解説している。事例の多くは錯覚による人間の過ちの怖さを伝えるもので、共感出来る内容だった。
冒頭で紹介されていたバスケットボールの実験のビデオをYouTubeで観たが、ゴリラは簡単に判別出来た。しかし、予めゴリラの登場を知っていたから判別出来ただけなのかも知れない。
人間の脳は保有する能力の僅かしか使われていないという。世の中に溢れ続ける膨大な情報の洪水が人間 -
Posted by ブクログ
実際に人間が「見た」事象と、脳が「見たと思った」像にはずれがある(視覚の錯覚)、事実と人間が記憶している内容との間にはずれがある(記憶の錯覚)、自分が実際に理解できている内容と「自分で理解できていると思っている」内容との間にはずれがある(記憶の錯覚)、人間は物事に因果関係を見つけたがる傾向がある(原因の錯覚)など、脳が周囲の状況をいかに認知するのかというプロセスにどのような「ずれ」があるのかということを主に6つの「錯覚」に分類して解説します。昨今の「脳トレ」ブームや、モーツァルトを妊婦が聴いたら子供の知能が高まるなどの通説が実は脳機能の発達にほとんど寄与していないなど、心理学や脳科学分野を扱っ
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Posted by ブクログ
錯覚という現象に焦点をあてた一冊。
目の錯覚という馴染み深いものから、記憶の錯覚、認識の錯覚というあまり馴染みのないものも紹介されている。
錯覚とは、注意深く物語を認識していれば防ぐことができると考えているのならば、一読の価値がある。
過去に行われた実験から、人間の記憶、認識はかなり曖昧であるということがわかる。
一方でこのような科学的事実、つまりいくら注意を向けても錯覚という現象は不可避であるという事を知った場合に我々にできることは何か?
それは、いついかなる時でも人は錯覚に陥るということを理解し、知っておくことが重要なのであろと思う。
意思決定が必要な場合、すぐに過去の事実から決める -
Posted by ブクログ
キャッチーな邦題だが、中身は比較的堅実。原題は”Nobody’s Fool: Why We Get Taken In and What We Can Do about It(誰にも騙されない(抜け目のない)人:なぜ我々はだまされるのか、どうすれば防げるのか)”。
著者のダニエル・シモンズは心理学者。クリストファー・チャブリスは認知科学者。
2人は2004年、「見えないゴリラ実験」でイグノーベル賞を受賞している(イグノーベル賞2004年受賞者(英語))。「白と黒の2チームがあります。白いTシャツを着ている人たちがボールをパスをする回数を数えてください」と被験者に求めると、彼らは課題に集中するあま -
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