【感想・ネタバレ】錯覚の科学のレビュー

あらすじ

あなたの脳は「6つの錯覚」に支配されている

ハーバード大学の俊才たちが、最先端科学実験で次々に明らかにする、あなたの記憶のウソ、認知の歪み、理解の錯覚。

「えひめ丸」を沈没させた潜水艦の艦長は、なぜ“見た”はずの船を見落としたのか。ヒラリー・クリントンはなぜありもしない戦場体験を語ったのか。――日常の錯覚が引き起こす、記憶のウソや認知の歪みをハーバードの俊才が科学実験で徹底検証。サブリミナル効果、モーツァルト効果の陥穽まで暴いた脳科学の通説を覆す衝撃の書!

解説・成毛眞

単行本 2011年2月 文藝春秋刊
文庫版 2014年8月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

読みやすい本でした。いくつかのテレビ番組はこの本をもとにして作られたと思います。自信の強弱は、生まれつきのものだということが分かりました。後半は、グダグダです。

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2017年10月04日

Posted by ブクログ

 文春のこのシリーズはいつも楽しみ。読みごたえがかなりあるのでうれしい。本書は6種の錯覚に関する科学調査のまとめを、日ごろ出くわす状況と絡めて説明する。相関関係は示せても因果関係を示すことにはならない、という記述にはっとする。しばしばやってしまっていた!さらに逆の状況(因果関係まで把握したのに、相関関係にすぎないと結論づけて、別の実験や設計に鞍替えしてしまったり・・・)も発生させている!気づきと修正したい点がたくさん思いつく本。
 と思っていることも「錯覚」か?という、典型的落ちで、しめたい。
※参考文献が70pもリストアップされているのもすごい。しかもちゃんと一言コメントがついている(ただの羅列ではない)。

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2015年11月08日

Posted by ブクログ

論文的な本。文字ぎっしりで長く読むのに時間がかかった。

印象的な部分は、3つの錯覚
①注意力の錯覚(見えないゴリラの実験)
②自信の錯覚(能力ではなく自信でリーダーが決まる)
③原因の錯覚(前のことを後のことの原因と捉えやすい、殆どが単なる相関関係である)

内容はユニークでイグノーベル的な面白さでした。
時間がある時に読むのはいいね。

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2025年06月12日

Posted by ブクログ

人間には様々な錯覚があり、それを避けるのは難しいが、その錯覚があると知ることが第一歩になる
特に自信の錯覚は職場でよく感じることがあったし、人を騙したりするのに役立つと思った

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2021年04月18日

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ゴリラの実験は昔大学の授業で聞いた。懐かしい。認知心理学について分かりやすく書かれた質の高い科学読み物。

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2020年08月26日

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クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ『錯覚の科学』文春文庫。

2017年本屋大賞の発掘部門で『超発掘本!』に選ばれた、なかなか興味深い内容のノンフィクションだった。人間の視覚や知覚、記憶の限界と不確かさを様々な事例を使って解説している。事例の多くは錯覚による人間の過ちの怖さを伝えるもので、共感出来る内容だった。

冒頭で紹介されていたバスケットボールの実験のビデオをYouTubeで観たが、ゴリラは簡単に判別出来た。しかし、予めゴリラの登場を知っていたから判別出来ただけなのかも知れない。

人間の脳は保有する能力の僅かしか使われていないという。世の中に溢れ続ける膨大な情報の洪水が人間の脳の処理能力の限界を超え、我々を錯覚という罠に落としめているのだろう。

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2017年05月05日

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実際に人間が「見た」事象と、脳が「見たと思った」像にはずれがある(視覚の錯覚)、事実と人間が記憶している内容との間にはずれがある(記憶の錯覚)、自分が実際に理解できている内容と「自分で理解できていると思っている」内容との間にはずれがある(記憶の錯覚)、人間は物事に因果関係を見つけたがる傾向がある(原因の錯覚)など、脳が周囲の状況をいかに認知するのかというプロセスにどのような「ずれ」があるのかということを主に6つの「錯覚」に分類して解説します。昨今の「脳トレ」ブームや、モーツァルトを妊婦が聴いたら子供の知能が高まるなどの通説が実は脳機能の発達にほとんど寄与していないなど、心理学や脳科学分野を扱ったバラエティー番組の内容がほとんど科学的根拠に乏しい通説であるかを指摘する痛快な科学的読み物です。特に「相関関係と因果関係との違い」についての章は理系の学生さんや、技術者の方には是非、読んでいただきたいと思います。

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2014年11月03日

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読み終わった後、今まで見えていた世界が違って見える。
記憶が思うほどあてにならない、ということに不安を感じた。錯覚を意識して生きていこう。

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2014年09月30日

Posted by ブクログ

人間は錯覚するものであることがよくわかる。
注意の錯覚、記憶の錯覚、自信の錯覚
知識の錯覚、原因の錯覚、可能性の錯覚
今まで何となく思っていたことが実は錯覚だった
ことが大いにありうることに気付かされる本。

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2014年09月25日

Posted by ブクログ

私たちが見たり聞いたりして信じていたことが、実は思い込みで「錯覚」している可能性があると言うことを様々な角度から、心理学的実験結果を列挙して説明している。
モーツァルト効果も、脳トレも、効果を錯覚しているだけだったなんて衝撃でした。

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2014年09月16日

Posted by ブクログ

錯覚という現象に焦点をあてた一冊。

目の錯覚という馴染み深いものから、記憶の錯覚、認識の錯覚というあまり馴染みのないものも紹介されている。

錯覚とは、注意深く物語を認識していれば防ぐことができると考えているのならば、一読の価値がある。
過去に行われた実験から、人間の記憶、認識はかなり曖昧であるということがわかる。

一方でこのような科学的事実、つまりいくら注意を向けても錯覚という現象は不可避であるという事を知った場合に我々にできることは何か?
それは、いついかなる時でも人は錯覚に陥るということを理解し、知っておくことが重要なのであろと思う。
意思決定が必要な場合、すぐに過去の事実から決めるのではなく、過去の事実を錯覚していないかをよく検討してみることが重要である。
余談であるが、上記のように過去の事例、経験を踏まえれば正解率が上昇するようなケース(つまり論理的な推論により正解に到達できるようなケース)では錯覚を排除するため、検討する時間をとると良い結果になりやすく、逆に得られり情報が限定的な場合(つまり論理的な思考を必要しない、もしくはそれが無意味な場合-例えば、ワインのテイスティングで高価なものを当てるという「味」以外の情報が取得できない場合-)は即決するほうが良い結果を得られる可能性が高いようである。

このように、錯覚という事象を受け入れること、そしてそれをうまく利用する方法を知っているのと、知らないのとでは大きく結果が異なる可能性が高い。
一読の価値あり。

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2014年09月07日

Posted by ブクログ

時間的に最後まで読めなかったが、バスケの試合でのゴリラの話は他の本でも紹介されている。人間は自分が思っている以上に実は見えていない。茂木先生のアハの実験もそうだが、後でなんでこんなことがわからなかったのだろうということがいかに多いかを考えさせられる。

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2019年03月26日

Posted by ブクログ

誰もが使いやすいデザインを考えていると、人の脳の動きが気になって、認知心理学にたどりつく。でも、人間誰しもこうした錯覚に陥るわけで、とすると、いついかなるときも絶対に誤操作しない、究極に使いやすいデザインなんかないよね…と思ってしまう。それこそ究極には、「棒」みたいなミニマルなものが、実は全ての人に対応できるのだろう。多少のミスが命取りにならない仕組みだったり、多少使いにくくても愛着があれば、その使いにくささえ魅力に感じるデザインだったり、そんなところが落しどころなのかなと思った。ちなみにこの本の著者は、以前受けたセミナーで見た、ゴリラの動画の原作者でした。そういえば認知心理学はマーケティングの世界にも限りなく近づいていきますね。面白い。

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2017年05月13日

Posted by ブクログ

・あることに注目すると他が見えなくなる。
・人の記憶は作り替えられてゆく。

日ごろ感じていることが、実証的な説明に納得する。

・自信と能力は比例しない。
・脳トレは脳全体を活性化しない。

今まで騙されていたorz...

世の中のスピードは産業革命以後、自動車、新幹線、飛行機...と高速化している。情報通信手段も手書きの手紙から、テレックス、電話、パソ通、インターネットと高速化し、情報があふれる時代になった。
人の脳の容積はここ数百年ではほとんど変わっていないと思うが、人の処理すべき情報の量は莫大に膨れ上がっている。この世の中を人が生きてゆくには、情報の取捨選択、間引きと補間が必要なのだろう。社会の速度に旧来の脳が付いてゆく為に錯覚が起きるのではないだろうか。

これからの私も当然ながら警察、司法、自動車や飛行機の開発者は、「人は錯覚する」ことを強く意識しなければいけないと感じた。
とりあえず、ウォーキングを始めよう。

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2016年05月20日

Posted by ブクログ

人が陥りやすい6つの錯覚、1.注意の錯覚、2.記憶の錯覚、3.自信の錯覚、4.知識の錯覚、5.原因の錯覚、6.可能性の錯覚、について丁寧な説明と解説がされている。
その例として、アメリカの潜水艦がえひめ丸に衝突した事件や、リーマンショックの引き金、脳トレゲームなどを挙げている。
ゴリラが見えていない実験など、興味深い話がたくさんであるが、これらの錯覚を記憶にとどめて常に気にするかと言われると、なかなか難しいだろう。

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2015年11月05日

Posted by ブクログ

科学的論証に頼るまでもなく、あまりにも身近で、自分にも心当たりの錯覚現象が網羅されていて、いちいち納得してしまう。冒頭著者は「見えていないゴリラ」という事例で「注意の錯覚」を証明しているが、既にそこからはまる。たとえば計算に夢中になっている。ウォーリー探しに集中している。そんな時に近くを友達が通っても気づかない。要はそういうことの象徴である。他にも「記憶の錯覚」「自信の錯覚」「知識の錯覚」「原因の錯覚」「可能性の錯覚」といった5つの錯覚を挙げており、どれも「あるある感」を裏切らない。

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2015年03月15日

Posted by ブクログ

この世界は錯覚に満ち溢れている、ってね。

目の錯覚とかそういう類の、脳が勘違いしましたみたいな話が好きだから、この本を手に取ってみたわけで、実際読んでみたら、いろいろと面白いことが書いてあって、とても為になるんだけれども、どうにも情報量が多すぎて読んだそばから忘れてしまう。

いつも思うんだけれど、ノンフィクションを読むにはオレの脳ミソの容量は全然足りない。
巻末の膨大な参考文献然り、1995年1月25日ボストンのハンバーガーレストランで~とかそういう情報、一つも覚えれらない。

どうせ読んでも覚えてないなら、読む意味ないんじゃないか。とも思うんだけれど、本書を読む限りでは、バッチリ覚えているぜ!って記憶でも、思い込みやら、その時の状況やらで記憶が歪められてしまうらしいので、だったら覚えてなくても良いかって気になり、ちょっと救われたり。

高校の時の同級生と飲むときに、良く高校時代の話とかをするんだけれど、みんなが盛り上がっている中、自分だけ覚えていなかったりして、とても寂しい気分になる時が良くある。
でもまぁその昔話ですら、本当にあったことなのか分からないんだなぁとか思うとちょっと救われたり。

お前は話が二転三転する。とか、前と言ってることが違う。とか良く言われるんだけれど、その二転三転ですら、本当に二転三転しているのか怪しいもんだなぁとか思うと、ちょっと救われたり。

以下、本書の見出し的なやつ。

実験1 注意の錯覚

見えているはずのものが見えない的な。
有名なゴリラの実験とか、えひめ丸沈没事件とか。
実はこの実験1だけ読めば、あとは読まなくて良かったかも。

実験2 記憶の錯覚

衝撃的な出来事ほど、人の記憶に鮮明に残るように思われるが、それこそが錯覚なのだ。みたいな。
9.11の事件を例にして、皆の記憶がいかにあいまいなのかを調査。
日本で調査するなら3.11の地震発生時、何をしてた?って感じかな?
オレは職場にいて、レジを打っていたと思うんだけれど、本書を読む限りではオレの記憶も相当怪しい。

実験3 自信の錯覚

自信ありげな医者とかは有能に見えるけど、実は無能なやつほど自信過剰なんだよね。みたいな。

レイプ被害者が犯人の顔をバッチリ見たぜ!そうコイツ!って証言したにもかかわらず、犯人は別のやつでした。って事例には度胆を抜かれた。

実験4 知識の錯覚

トイレは知ってるがその仕組みについては知らない。自転車は知っているがやはり、その仕組みについては知らない。
あなたの知識、実は上っ面だけなんじゃぁありませんか?みたいな。

実験5 原因の錯覚

セックスで若返る、アイスクリームが売れる日は水難事故が多発する。 様々な物事に相関関係こそあれ、必ずしも因果関係があるわけではない。みたいな。

日本でいうなら、アニオタ=犯罪者みたいな最近流行りのやつね。 

実験6 可能性の錯覚

人間は普段脳ミソを数%しか使ってないから、今こそあなたの中に眠る力を解放しましょうみたいなやつ、あれ全部ウソなんで!みたいな

この章はちょっと反証がこじつけっぽかったかなー。

なんだかもうお腹いっぱいです。

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2014年11月02日

Posted by ブクログ

2014 10/6パワー・ブラウジング。
認知系の実験をやるにあたって読んでおくか、と思って買ってみておいた本。
いかに人の感覚があてにならない部分を含んでいるか、そのことに気づかず自身の感覚を信じていることで、自分自身すら信じられないようなミスや失敗をしたりするか(悪意なく)ということを、様々な研究成果を持ち出しながら丹念に紹介していく本。
丁寧に、繰り返し指摘しているので、多くの研究を参考できるのは良い。反面、ややしつこくも感じる。

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2014年10月13日

Posted by ブクログ

これまで効果があるとわたしも認識していたモーツァルト効果や、脳は10%しか使われていないなどの通説を科学的かつ明確に否定している良書。ビジネスや日常生活でも、慣例や常識をバランスを持って批判的に疑いを持つ必要性があると改めて感じた。大学生に読むことをお勧めする。

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2014年08月31日

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