飯尾潤のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『近代とは何か』の流れで、議院内閣制について学ぶつもりで読み始める。
不案内な領域なので、まだ消化しきれていないが、、
議院内閣制の理解は、民主政治の理解につながるとして、日本における議院内閣制の特徴を諸外国のモデルとも比較しながら論じた本。
各国比較を読んでのキーワードとしては、議院内閣制対大統領制、三権分立、政官の関係、小選挙区制対比例代表制 などなど・・・統治構造のモデルを学ぶというのが、本書を読む最大の意義。
先進民主政に限れば、政治体制のモデルとしては、大統領制か議院内閣制。前者は、二元代表制であり、後者は一元代表制であるというとらえかたはわかりやすい。
議院内閣制のモデルはイギリスということだが、議院とは議会であり、議会が内閣を決めるという点が、議院内閣制の基本原理。日本においては官僚内閣制として発展。以下日本の特徴を考える上での主な論点。
・三権分立と両立
・省庁制と数多くの「総合調整」機能。そのメリット・デメリット
・与党と政府の二元制
・行政的政治家と政治的官僚
・日本の政治が一党優位できた理由。・・・小・中・大選挙区制の意味
最終的には、日本の統治構造が九十年代以降完全に破綻しているという前提に立つとまで言い切れるというのちょっとした驚き。
どのような統治構造も、特に環境変化が激しい時代にあっては権力の核が必要というのは同意。 -
Posted by ブクログ
1990年代の政治改革以前の日本政治が、官僚の力が強い官僚内閣制、各省庁の利権 を代表するような政治家・官僚がいる省庁代表制であり、自民党の一党体制が長らく続いたことにより、政権交代が起こらない特異な議院内閣制だったことについて論じた本。
そういった中で、同じ自民党なのに、内閣と与党を巧みに使い分けて責任逃れするような体制となっていたこと、選挙で敗北したはずの野党が政策に対する影響力を持つことで利益の再配分が行われ、それが自民党の政権を長期化することに一役買っていたことなど、なるほどど思う視点満載。
そういった中で、より実質的な議院内閣制を実現するために、1990年代以降一連の政治改革が行われ、首相の権限が強化されたことが分かった。
ただ、この首相権限に対する民主的統制として、総選挙において、政党・首相候補・政策の3点がセットで選ばれることが望ましいことなどについて論じられていた。
てか、現実生活にも応用出来そう。
改めて、政治学って、面白い!
ちなみに、文章はペダンチックです。 -
Posted by ブクログ
官僚内閣制、世界でもっとも成功した社会主義国家などと揶揄される、日本の統治構造について、その歴史的経緯から解説した本。なかなか難解な言い回しが並んでいるが、概要を理解するためには非常によくまとまっている。
よく床屋談義においては、日本の政治家や官僚が悪企みをして云々、、といった陰謀論が好まれる傾向にあるが、憎むべきは人ではなくてその構造だろう。現状維持バイアスのかかる官僚機構、ポピュリズムが横行する政治、これらの相矛盾する権力構造が制度疲労を起こし、何の生産性もない調整業務に忙殺されているというのが根本原因なのである。
そして、三権のうちのもう1つ、司法というほとんど忘れられている権力と、第四の権力と言われるマスコミについても、より統治構造という観点から考察を深めていかなければならない。 -
Posted by ブクログ
面白いんだろうけど、頭がついていかなかった………。
生まれてない頃の政治家の名前と関係性が大量に出てきて、それらとさまざまな関係性を築きながら政治のフィクサーになったということは分かったんだけど、頭に入ってこなかった…。
政治の構成要因としての政治記者。もはや介入してるよね。
あとは昔の政治は金の動き方が今と比べ物にならない。
ナベツネというと、なんとなくお騒がせものというイメージが勝手についているが、「書く」ことへの自負という面では唯一無二としての存在なのか。
確かに、政治に提言するメディアとしての「新聞」はあるべきだと思う。それはあくまで、政権の批判ありきではなく、様々な情勢を見た上で、我が社はこう思う、という上での提言。政治のコンサルタントとしての新聞社??
なんとなくこの本に期待していたのは、政治のフィクサーとしての渡邉恒雄より、新聞記者としての渡邉恒雄だったのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
・良くも悪くも、日本の戦後史を語るうえで欠かせないナベツネの回顧録。
・特ダネを書くために、記者自ら特ダネを作ることがあるという。日ソ国交回復のきっかけとなった鳩山・ドムニツキー会談や、1955年の保守合同につながる三木武吉・大野伴睦の会談を、それぞれ新聞記者がセッティングしたというのは衝撃の事実。まさにニュースは「作られる」。
・若い頃、天皇制打倒を掲げていたにもかかわらず、「総理を含め政治家が汚れた存在であるからこそ、政治的に無菌状態の天皇が国民統合の象徴として必要なのだ」として天皇制支持に転向したが、これは大部分の日本国民の感情とも一致すると思う。
・政治家の対立は、政策やイデオロギーの違いから起こるのではなく、人間的な愛憎の感情から起こるという指摘には納得。だからこそ新聞記者は政治よりも政局のほうを好んで報道するのだと思う。
・オーラルヒストリーという手法によって、ナベツネは「喋りたくないことまで喋らされた」と言っているが、例えば「なぜ私はこんなに嫌われているのか」については一言も語っていない。つまり権力闘争についての記述が皆無。「喋りたくないこと」はまだまだ多そうだ。