飯尾潤のレビュー一覧

  • 日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

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    テレビで著者が話をしていて興味を持った。米国のような大統領よりも英国や日本のような首相の方が権力集中型ってつかみの話が目から鱗だったし、1~5章の分析もおもしろかった。が、本書で一番参考になったのは6~7章の「ではもっと良い議院内閣制にするにはどうすればよいか」。
     
    ひとつは首相の権限強化で、すでにそういう方向に動いているのは誠に結構。もうひとつは政党の裾野拡大。官僚ではなく政党が民意を集約する必要があるので、単に選挙に行くという政治参加だけでなく党員として政策立案に関与する。なるほど目指す方向がよくわかった。良い本だった。

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    2018年10月13日
  • 日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

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    1990年代の政治改革以前の日本政治が、官僚の力が強い官僚内閣制、各省庁の利権 を代表するような政治家・官僚がいる省庁代表制であり、自民党の一党体制が長らく続いたことにより、政権交代が起こらない特異な議院内閣制だったことについて論じた本。
    そういった中で、同じ自民党なのに、内閣と与党を巧みに使い分けて責任逃れするような体制となっていたこと、選挙で敗北したはずの野党が政策に対する影響力を持つことで利益の再配分が行われ、それが自民党の政権を長期化することに一役買っていたことなど、なるほどど思う視点満載。
    そういった中で、より実質的な議院内閣制を実現するために、1990年代以降一連の政治改革が行われ

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    2016年11月27日
  • 日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

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    政治学の基本の必読書一覧の一冊に本書が記載されており、本書をとった。政治学の基本的なことを非常にわかりやすく記述しており、日本の戦前戦後の政治の歴史を俯瞰しながら概要をすんなりと理解することができた。

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    2014年05月26日
  • 日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

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    官僚内閣制、世界でもっとも成功した社会主義国家などと揶揄される、日本の統治構造について、その歴史的経緯から解説した本。なかなか難解な言い回しが並んでいるが、概要を理解するためには非常によくまとまっている。

    よく床屋談義においては、日本の政治家や官僚が悪企みをして云々、、といった陰謀論が好まれる傾向にあるが、憎むべきは人ではなくてその構造だろう。現状維持バイアスのかかる官僚機構、ポピュリズムが横行する政治、これらの相矛盾する権力構造が制度疲労を起こし、何の生産性もない調整業務に忙殺されているというのが根本原因なのである。

    そして、三権のうちのもう1つ、司法というほとんど忘れられている権力と、

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    2012年09月11日
  • 日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

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    民主主義や議院内閣制という用語で普遍的に解説される枠組みがまずあり、それが日本での政治的風土文化と時代に合わせて「解釈」される程度のものを「構造」と呼ぶのは過ぎるのではないかとタイトルを見て思った。
    しかし、本書は与党(自民党)・政府の二元体制の下、"政治的"官僚と"行政的"政治家が練り上げてきた「構造」は如何に責任と権力の主体を不可視なものにしたかを教えてくれる。また、単なる政治制度の「解釈」ではすまされない「構造」の根深さが今(H24現在)の政権交代の失敗に現れていることもまたよく理解できた。

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    2012年06月03日
  • 日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

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    官僚制の実態から、政府・与党の関係、各国の政治制度の比較まで。幅広く政治学科の学生が手にとるべき内容が網羅されている好著。
    ところで、官僚制を知る楽しさがどこにあるかと言えば……「官僚たちの夏」をはじめ、「外交官・黒田康作」しかり、「相棒」しかり。ドラマがさらに深く味わえる(おい!

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    2011年09月18日
  • 日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

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    ネタバレ

    議院内閣制の仕組みそのものを検証し、日本型の議院内閣制=自民党の政策決定が、官僚内閣制になっていると指摘している。

    役人文化、官僚と自民党のなれあいといい、それらを変化させないと困るのではないだろうか。

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    2011年06月28日
  • 日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

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    いま、読んでおくべき本と感じて。
    今後の日本政治・行政慣習のあるべき姿について、令和の今読み返すと的を得ている部分が多く感じるが、論じられている以上の負の側面も表出しているように思える。政権交代、安倍長期政権から現在に至るまでを踏まえて、改めて筆者がどのような批評をするのか興味がある。

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    2025年01月03日
  • 渡邉恒雄回顧録

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    面白いんだろうけど、頭がついていかなかった………。
    生まれてない頃の政治家の名前と関係性が大量に出てきて、それらとさまざまな関係性を築きながら政治のフィクサーになったということは分かったんだけど、頭に入ってこなかった…。

    政治の構成要因としての政治記者。もはや介入してるよね。

    あとは昔の政治は金の動き方が今と比べ物にならない。

    ナベツネというと、なんとなくお騒がせものというイメージが勝手についているが、「書く」ことへの自負という面では唯一無二としての存在なのか。
    確かに、政治に提言するメディアとしての「新聞」はあるべきだと思う。それはあくまで、政権の批判ありきではなく、様々な情勢を見た

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    2024年02月23日
  • 日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

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    自民党について調べている流れで読んでみた一冊。
    う~ん。奥が深いけど、もう少し分かりやすいと良かったなあ。(って、自分の無知を露呈しているけど。。。)

    でも、政治が分かりづらい仕組みになっているから国民の意識も上がらない気がする。もしかして、それが政治家たちの作戦なのかもしれないけど。下手に分かられると自分たちの思惑通りに進められらなくなるから?笑

    しかし、それでは民主主義ではないってことだよな。

    第29回「サントリー学芸賞受賞」作品(2007年)

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    2018年10月18日
  • 日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

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    イギリスという国が生み出した議院内閣制を最も上手く成功させた国は日本だが、その実情は官僚内閣制であって…。という部分までは理解できた。政治家とか高級官僚を目指す人は読んだ方がいいんじゃないかなー。

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    2013年11月04日
  • 渡邉恒雄回顧録

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    ・良くも悪くも、日本の戦後史を語るうえで欠かせないナベツネの回顧録。

    ・特ダネを書くために、記者自ら特ダネを作ることがあるという。日ソ国交回復のきっかけとなった鳩山・ドムニツキー会談や、1955年の保守合同につながる三木武吉・大野伴睦の会談を、それぞれ新聞記者がセッティングしたというのは衝撃の事実。まさにニュースは「作られる」。

    ・若い頃、天皇制打倒を掲げていたにもかかわらず、「総理を含め政治家が汚れた存在であるからこそ、政治的に無菌状態の天皇が国民統合の象徴として必要なのだ」として天皇制支持に転向したが、これは大部分の日本国民の感情とも一致すると思う。

    ・政治家の対立は、政策やイデオロ

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    2013年04月10日
  • 日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

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    日本の現状の政治形態がどんなものか、そしてその問題点は何かを簡単に知ろうとするにはコンパクトに纏まってるし、いいんじゃないかと思う。

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    2011年06月13日
  • 日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

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    「日本は官僚が支配している」とはよく聞いた話であるが、その実態、構造を正しく理解している人は少ないと思う。この本はそれを分かりやすく解説してくれている。ついでに自民党一党支配での政治構造もよくわかる。

    筆者の結論は、政権交代のある健全な政党政治こそ民主的な議院内閣制をもたらす、ということ。しかし政権交代を急きすぎている気がする。民主党が健全な政党でないことは、今の時点で明白なのに。現時点で筆者はどう思っているのか、論文でも読んでみよう。

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    2013年01月31日