ファン・ボルムのレビュー一覧
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これは、
繊細で優しい人たち
家族の問題に悩む人たち
何度も些細なことで迷い立ち止まる人たち
どこにでもいる私たちのような人たちのお話だった。
韓国の小説はもしかしたら初めて読んだかもしれない。翻訳が上手いのだと思うけど、とても読みやすかった。美しい文章。
呼称の使い分けとか親子関係とか韓国ならではと思った部分もあったけど、大部分において、私たちのように悩んだり人を想ったりしているなぁと日本の小説と同じように共感して読めた。
文化が近いからなのか、そもそも現代社会の人類普遍の感覚なのかはわからない。英語翻訳も出てるから、欧米での書評が気になる。
この本を読んで、
(日本では本当に少なく -
Posted by ブクログ
読書と人との関わりを作者の実体験と絡めて解説しているエッセイです。
自分としてはp208の『読書はわたしにとって余興であり、休息であり、癒やしであり、わたしのささやかな自殺なのです。世の中に耐えられないときは、本を手に取り、丸くなって横たわるのです。』(ジョナサン・コット)という引用文に深い感銘を受けました。辛い現実からの逃避。自分にもそういう目的で読書をすることが何度もあります。多くの人の中にもそういった人たちもいるんだろうなぁとボンヤリと思っていましたが、いざ言葉にされるとドキリとします。
とても面白く読み応えのあるエッセイでした。オススメです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ思わずわたしだ!とさけんだ。わたしがいる。
「心がざわつくときは本という部屋に入ってゴロゴロしていた」
という序章から始まるこの言葉でもう仲良くなりたい!と思ってしまった。
韓国人の方だけど日本の作家も読んでいるし、それだけでなく世界中の名著をあげるので、同志だ!と仲間を見つけたようで嬉しくなりつつも私の百倍くらい読んでる。
51.自分を守る読書 が特に感銘を受けた。
広告画像が、幸せになりたければ脱毛しダイエットして、美人になって、流行に乗り、金を稼げと脅してくる。私たちの思考を鈍らせる。
わたしの幸せはわたしのもので、その信念を読書を通して育てていくのだ。暴力性のある「提案された幸せ」 -
Posted by ブクログ
「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」の著者さん。
読みながら「うわ〜」って何度も感嘆の声が出た。
あちらこちらに読み返したくなる文章が散りばめられていました。
わたし、好きな一文に出会うと、すぐにもう一度読んでじっくり味わわずにはいられないんです。
またしても、「本好きのための、本好きによる作品」といった印象。
先日読んだ、「夜更けより静かな場所」もいたく感動しましたが、こちらも共感と思考と思い出の海にただよっているような素敵な読書時間でした。
ファン・ボル厶さん、小説もエッセイもいいなぁ。
本を読む人なら共感も多いと思う。
著者の言葉に自分の思考や感情を重ね合わせてしまうし、耳を傾けずにはいら -
Posted by ブクログ
ふらっと暇つぶしに寄った本屋さんで見つけ、装画に惹かれて手に取り、パラリと目次を見てビビっときて、すぐにレジへ。
あっという間に読み終え、付箋だらけに。
とっても大切な一冊になった。
本の楽しみ方や向き合い方、自分と本の距離感、本の存在‥そんなことを改めて考え、また、自分にとっての読書のあり方を答え合わせしていくような、そんな一冊だった。
決して堅苦しい読書指南書的な書き方ではなくて、読書の魅力や価値を優しく伝えてくれ、良く本を読む人にとっては共感したりさらなる読書ステップの参考になるだろうし、読書が苦手な人にとっては、だから本って大事なんだな!って気付かされるのではないかと思う。
著 -
Posted by ブクログ
本読み仲間の友人から春樹の事も書いてあるよと紹介されて。いや本好きならたまらない内容よ。
好きで好きで本読み中毒から、書くこと、小説家と自分を昇華させていってるのが凄いな。
そして一点集中型からジャンル問わす読み、学んで行く感じで、これは彼女の本読みとしての自叙伝だ。古典から経済学者の本まで(意図的に色々読んだ時期があると告白されている)。
紹介されてる本は大衆小説的なのは少なくて、古典とかも多い。私なんかは生涯一度は読んでおきたいと思うものの、手をつけられていない本も沢山あって改めて少しづつ挑戦しようと思えた。
ファンさんは、本にアンダーラインを引いて書き込む派だ。確かにその方がよ -
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年末にかけ「毎日飲みます」状態に陥り、アルコールにより読書ができなくなる私には何かと辛い季節だ。断れば良いのだが、交友も大切かと思い、流される。昨年と変わらぬ景色。
酒のせいではなく、読書をしたものを読んだ端から忘れていく。「毎日読みます」しかし「すぐ忘れます」。この悩みは世界共通のようで本書でも吐露される。
ー 読書後の忘却。読書が虚しく感じられる理由だ。先週読んだばかりの本の内容も覚えているような、いないようなありさまだし、一年前に読んだ本は、タイトルも内容も霧に包まれたようにぼんやりしている。どうせこうなるのなら、いったいなぜ本を読まねばならないのか。時間ももったいないし、虚しさだけ -
Posted by ブクログ
ネタバレp.219 あなたを応援します
カリン茶のシーンが良かった。
「わたし、険悪になりそうです。」って台詞が可愛くて、この章だけでも韓国ドラマみたいだった。
ここで言うカリン茶(伝統茶?)ってどんなだろう。韓国行ったら飲んでみたい。
後ろの方の、スンウさんが傷付いたヨンジェと本でコミュニケーションを取ろうとしてるシーンも、愛を感じて良かったなあ。
p.273 コーヒーを淹れる時はコーヒーのことだけを考える
この章のミンジュンさんが1番刺さった。
「その代わり、今日自分がやることに全力を尽くす。」
壮大な目標や遠い未来に途方に暮れたら、このページをもう一度読みたいと思った。
総評、いい本でした。 -
Posted by ブクログ
ヒュナム洞書店のような温かい居場所にいつか巡り会えたらいいなと思いました。
同じ空間に、それぞれ悩みを抱えた人たちがいて、干渉しすぎずに寄り添い合い、前を向いていく姿が本当に素敵でした。
「もっと頑張らなきゃ」と肩肘を張ってしまう日々の中で、自分のペースや方向で歩いていいんだよ、と優しく慰めてもらえた気がします。
私もヨンジュのように、生まれつき良い人じゃなくても、本を読んでいくうちに少しずつ近づけるんじゃないかと思います。
たとえそうでなくても、本は心をそっと落ち着かせてくれる存在だと改めて思いました。
これからもたくさん本を読みたいです。