村雲菜月のレビュー一覧

  • コレクターズ・ハイ

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    じわじわと怖く特に終盤の主人公の行動にぞっとした。なにかを過剰に収集するって結局執着だし思考も行動もどんどんくるっていくけどそれってハイになることでもあるんだと興味深かった。こわがらせるぞ〜とかなにか驚かせるぞ〜という感じではなく、じわじわそれぞれの狂気を感じさせてくれる展開がとても好みでした。

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    2025年06月01日
  • コレクターズ・ハイ

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    コレクションに関するヲタ活の物語。

    最初は森本さんとの関係くらいなら良いんじゃないかな?と思って読んでいたのだけど、
    最終的にかなり力を行使するような行動にでてしまい
    そうなってしまうのか…と。

    自分とは違うコレクションの仕方をしている人を
    下に見ていたわけだけど、
    そのコレクションをしていない人から見れば
    どっちもどっちと思え、複雑な気持ちになった。

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    2024年12月04日
  • コレクターズ・ハイ

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    読友さんのレビューで気になっていたこの本。推し活に焦点を当てた社会派作品か。私も以前は結構色々集めたがりだったのでめちゃくちゃ共感出来た。今は部屋のスペースを考えてあまり集めなくなったけど、小説のサイン本はついつい買ってしまう。この主人公の女性は謎のグッズ「なにゅなにゅ」にまつわるものを集めている。クレーンゲームにもそのグッズがあり、取ってもらう代わりに頭を撫でさせると。それもWinwinなら良いかと。推し活は基本賛成派。それで当人が満足して自己肯定できるのならどんどんすれば良いかと。もちろん分相応に。

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    2024年10月13日
  • もぬけの考察

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    ただ淡々といなくなるまでがかかれていて
    それがひどく不気味に感じました
    なんでこんな書き方なんだろうと
    最終章をよんで、なるほど、
    そうだったんだね。となりました

    前の住人とはなんの関係も関連も無く
    その部屋に住んだ住人はいなくなる…
    ついさっきまで普通だったのに
    そうじゃなくなる瞬間が一瞬で
    静かすぎて不安になります。

    部屋という空間とそこに住む住人のみの連作短編
    ある意味家系ホラー…なんでしょうか。

    ページ数はそんなに無くて
    読みやすいけれど、しっかり不穏です。

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    2024年08月02日
  • もぬけの考察

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    改行が少なく、字がぎゅっと詰まっているけど読みやすい。令和の若い子はこんなだよ~って話かと思ったけど全然違った。アタシ内田百閒読んでた!?みたいな、この世界どこ?みたいな頭がクラクラする感覚でした。群像新人文学賞をとった短編が最後に入っていてそれまでの短編のお話を回収してくれました。
    次も必ず読みます。
    久しぶりに新しい作家さんに出会えて幸せ。

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    2024年02月02日
  • もぬけの考察

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    第66回群像新人文学賞作品。装丁は、何か同賞受賞の村上作品の雰囲気もある(佐々木マキ)。
    4編からなる連作。この手の続いていく作品は好き。想像で408号の住人を想像が膨らんでいく。

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    2024年01月24日
  • もぬけの考察

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    あれ?これホラー?の1章から読み進め、この不気味さをどう受け取ればよいかと思案していると、最終章「もぬけの考察」でノックアウトされる。
    描くとは、書くとは、の考察にしびれる。
    遠野遥の破局の主人公を思わせる部屋の住人たちには、どれも顔がない。

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    2024年01月13日
  • コレクターズ・ハイ

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    コレクションや推し活をしたことがない私からすると、主人公も美容師も、クレーンゲームしてくれる人も異常で面白かった。
    美容師の収集癖に自分が関与している事が分かった途端、自分の過剰な推し活を棚に上げてあそこまでなるなんて…きっと誰しも自分の推し活は正しいと思っているのかなと思った

    推し活とはいったいなんなんだろうと考えさせられた

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    2025年08月12日
  • コレクターズ・ハイ

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    すっごい身につまされる推しの話。“推し活”が個人のうちでなくなってきてるから起きると軋轢ってあるよな、と。身近な個人を推すことの歪みとかね。グッズ集めるのってなんなんだろう、と定期的に自問自答する。

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    2025年06月03日
  • コレクターズ・ハイ

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    オタク、コレクター、推し活--
    社会において、今はこれらの人は“普通”とされている。

    こうした普通のはずの人達の行動が、執着により、“普通”の人の枠から“異常”の人の枠へと、一瞬ガタンとはみ出してしまう。
    その瞬間、“異常”と人々に認識されても、本人は“普通”にいるつもり。読んでいて、この相反する認識がすっと納得感を抱いて入ってきて、恐怖へと変わっていく。
    ここに納得感を抱かせられるかどうかで、恐怖は喜劇になってしまうだろう。
    作者は素晴らしいバランス感覚と客観性を持っていると感じる。凄い。

    その素晴らしいバランス感覚が、残念ながらラストに少しレールがずれて、喜劇に寄ってしまったように感じ

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    2025年04月12日
  • コレクターズ・ハイ

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    まるで共感できない登場人物だが、それぞれ強いこだわりがあって、ストーリー展開が全く読めずにただただ意表を突かれる。彼らの感情や思考の流れを説明するでなく、だだ淡々と刹那的な反応を描いているのだが、斬新な表現が多くて飽きない。上手い書き手だな〜という印象が強く残り、今後の活躍が楽しみだ。

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    2025年02月23日
  • コレクターズ・ハイ

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    “推し活”ってこんな感じなのかなぁ
    私には収集癖も推しもないけど、ひとつのものに執着する気持ちはわからないでもない
    登場人物ほぼ全員がなにかのオタクで執着気質
    普通にいそうな人達なのがまた恐ろしい

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    2025年02月16日
  • コレクターズ・ハイ

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    推しがいる私には共感しかない小説だった。主人公の、推しグッズへの執着や欲求がリアルすぎるくらいリアル。クレーンゲームでなにゅなにゅを取ってもらうため、自分の頭を撫でさせる。見ず知らずの男とそんな交換条件を交わす。常識的に考えれば異常だし、危険なこと。推しが絡むと正常な判断ができなくなる。主人公のそんな姿を自分と重ねながら読んだ。ラストでは恐怖と羞恥の感情が大爆発だった。

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    2025年02月06日
  • コレクターズ・ハイ

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    読書備忘録885号。
    ★★★★。

    わずか100pちょいの作品。
    全然オッケー。逆に好きな世界。

    作品タイトルの通り、コレクター(蒐集家)が陥った狂気の世界。

    主人公は三川さんという玩具メーカーに勤める三十前の女子。
    なにゅなにゅとかいうキャラ(表紙絵キャラがイメージ)の熱烈なコレクター。
    ガチャガチャから、クレーンゲームから新作がリリースされると仕事を休んででも出かけてゲットする。

    そんな三川はなにゅなにゅをゲットするために他人との間に危うい関係性を作っていた。その関係性(いわゆるギブ&テイク)たるや、ちょっと一般人には考えられないレベル。
    その危うい関係性が崩れた時、一気に世

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    2025年01月09日
  • コレクターズ・ハイ

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    前著「もぬけの考察」が好きだったので読んでみたけど、前作のようなキレは感じなかった。全体的に借り物の狂気という感じで、キャラクター達の深淵に迫り切れていないなぁと感じた。もぬけ〜との共通点は空虚感と不気味さ、主人公の気力の低さ。

    なにゅなにゅは現実世界でのちいかわみたいなものかと思いながら読んでいた。確かに、遡るとリラックマとか、サンリオとか、ディズニーとか、鬼滅もかな。グッズをあまりに沢山集めて身の回り全てそれで染める人はちょっと狂気じみててこわいなと感じる。金を持て余した富豪でもなくて、意外とお財布事情カツカツでも次々に購入して置く場所がない、みたいな人も見かける。そこにどんな衝動がある

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    2024年10月20日
  • コレクターズ・ハイ

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    『なにゅなにゅ』というゆるキャラに癒しを感じて以来、グッズを収集するのが趣味になった主人公は、カプセルトイを作る会社に勤務している。自分の好きな分野の仕事に就けたはずなのに、自分の嗜好と利益優先の会社とではズレがあって、こんなはずでは…というジレンマを抱えて生きていた。そんな彼女はなにゅなにゅコレクションにのめり込み、抜けでられない沼にハマっていく。
    叢雲菜月さんの少し前に読んだ『もぬけの考察』が面白かったので読んでみました。この作品も面白かったです!
    ここに出てくる人達は何かのオタクです。真っ黒ストレートの髪の毛好きだったり、ゲーセンのクレーンゲームだったり。世の中にどこにでも居そうな本来微

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    2024年08月31日
  • コレクターズ・ハイ

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    欲求がこの1冊に詰まっていて読む前と読んだ後の感情の変化が大きい作品です

    好きを追求しすぎて周りが見えなくなる表現がとても繊細に書かれていて推し活をしているときの高揚感を思い出しました

    推し活をしている方にぜひ読んでいただきたい
    1冊です!



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    2024年06月19日
  • もぬけの考察

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    ネタバレ

    面白かった。特に1話目。最後の最後に隣人が蜘蛛女?だった事のホラー感と衝撃。文面を5度見した。これは、主人公が自ら外の世界との関わりを断ちだんだんカビが生えてしまったという隠喩にも感じるが、そもそもハエトリグモを故意に飢え死にさせていた事への罰が蜘蛛女の襲来なのかもしれない。でももっと遡るとこんな風になったのは、コロナ禍で出勤が減ってこの陰鬱な部屋に引っ越して来たから。人と会う事が減って身なりを気にしなくなって、どんどん社会性が失われていったから。そんな生活で何かしら溜まったストレスの捌け口が恐らく虫への加害のきっかけになったから。人に会わなすぎて判断力が鈍っていなければ管理会社はダメでも11

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    2024年06月17日
  • もぬけの考察

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    ホラーではないけれど怖い連作短編集。
    こんな本を読んだら安い賃貸には住めなくなるかも。

    読んだ後も引きずる一冊でした。

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    2024年05月23日
  • もぬけの考察

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    群像新人文学賞を受賞しているだけあって、あるマンションの408号室を舞台に、この部屋の住人たちが日常から逸脱して行く様子が怖いです。怖いと言ってもホラー的ではなく精神的な怖さです。108ページ程の薄い本なのであっという間に読めますが、内容は本の見かけほど軽くはないなぁと思いました。

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    2024年03月17日