村雲菜月のレビュー一覧

  • もぬけの考察

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    ネタバレ

    とある都市のマンション。四〇八号室に住む住人はどういう訳か姿を消してしまう。淡々と代々住民の様子が語られていくけれど、どこかにいる誰かの日常のようで妙にリアル。その当たり前のような日常が些細なことで侵食され、そしてあっけなく崩れていく恐怖を物語っていきます。
    幽霊が出るわけではないけどなんか嫌。怖い。
    これは立派な事故物件です。
    郵便受けに前の住人の郵便物がぱんぱんに詰まっていたり、窓を開けると前が廃墟で殺伐してるので開けたくない。管理事務所となかなか連絡が取れないような部屋には住まないほうがいいかもしれませんね。

    ┈┈少しネタバレ┈┈

    『初音』に出てきたお隣の四〇九号室の人はス〇イダーウ

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    2024年02月22日
  • もぬけの考察

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    とても好きでした。コレクターズ・ハイから先に読んだので、また違った作風で良い。
    ホラー大嫌いな私でも面白く読めました。

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    2024年02月01日
  • もぬけの考察

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     とある街にある ( 恐らくはワンルームタイプの ) マンション。交通や買い物等の利便性が悪いというわけでもないのに、不思議なことに住人が居つかない 408号室。その入居者の変遷と各暮らしぶりを描いた短編集。
     物語は、各話ごとに問題の部屋に入居する住人の視点で描かれる。
     第66回 群像新人文学賞受賞作。
              ◇
     初音羽奈子が引き籠もりに近い生活をするようになってから、3ヶ月が経とうとしていた。正月明けから会社に出勤できなくなり、体調不良を理由に1ヶ月ごとの休職を延長して今に至っている。

     その初音の趣味はハエトリグモを飼い殺しにすることだ。
     部屋に侵入してきたハエ

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    2023年09月22日
  • もぬけの考察

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    やっぱり表題作がよかった。
    その前の3作は、エピソードゼロ的な存在なのかな。
    なんとなく不穏、無気味。
    つい引き込まれる。

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    2023年09月03日
  • コレクターズ・ハイ

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    ネタバレ

    推し活といえば聞こえはいいが、ここまでの執着、中毒ぶりを見るともはや狂気すら感じる。
    終盤の主人公の行動が訳分からなくて怖い。森本さんを付けるとこも、最後景品持ち帰るところも理解不能で怖かった。

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    2025年10月04日
  • もぬけの考察

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    ネタバレ

    群像受賞作と知り手に取った。
    オムニバス形式、住人がいなくなる部屋というテーマも面白そうに感じた。

    早速ネタバレで申し訳ないのだが、先の3話は最後の部屋君の考察ということで理解は合っているだろうか。
    それを前提に。
    膝を打つほど明確なオチ記載ではないが(自分の理解力の問題かも)、タイトル、また語りの人称の違いなど、伏線回収がきれいと感じた。
    一話一話が不気味で、空気がゆらゆら揺れているような、そんな不安定さを感じる。個人的にホラーは得意ではないが、まだ楽しめるレベルのホラー加減で良かった。

    各話で比較すると、一話目と四話目を特に面白く読んだ。文章も、アイデアも。

    新人賞だからデビュー作な

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    2025年06月11日
  • コレクターズ・ハイ

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    “なにゅなにゅを身につけ、部屋がなにゅなにゅで埋め尽くされていくたびに、ほんの少しずつなにゅなにゅみたいに丸く、柔らかくなっていくような気がする。”
    なにゅなにゅを集めることで得られる癒しを求めてなにゅなにゅを集め出す主人公。主人公はゴールのないコレクションに執着しているとどんどん視野が狭くなって周りも顧みなくなってしまうことも分かっていてそうなりたくないと思っているし、なにゅなにゅを集めたことで得られる心の変化にも自覚的だ。なのに、主人公の心が削られていく展開に追い込まれていってしまうのは何故なのか……。主人公の関心はひたすらなにゅなにゅと自分の関係に向いていて、自分が本当は何に一番傷ついて

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    2025年05月12日
  • コレクターズ・ハイ

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    ネタバレ

    年上の親しくない男性に頭を撫でられる事のグロさ。些細な対価のために自分もそうするかもしれないと考えさせられた。

    加えて、撫でる側になるかもしれないと言う怖さも含めて。

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    2025年03月04日
  • もぬけの考察

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     最近は、こういうタイプの短編集が受けるのか、以前よりずいぶん増えた印象だ。アイディア自体はそれほど独創的ではないけれど、細部の描写とか言葉の選び方がおもしろいと思った。登場人物の何となく流されていく感じ、変なところに異様にこだわる点などは今時のあるあるで、若者には親近感があるのだろうか? 時代の空気を映しているように感じられる。

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    2025年02月18日
  • もぬけの考察

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    マンションの部屋を舞台にした4話、住人の身に降りかかる不幸な結末の創作集。蜘蛛のような隣人、ナンパを繰り返す男、文鳥との同居、壁に絵を描くひと。舞台となる408号室の狭い空間で住人+僅かな登場人物や動物のみで物語はすすみます。少しホラーな娯楽小説として楽しめました。

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    2025年02月17日
  • コレクターズ・ハイ

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    推し活とか収集癖とか私には経験ないから、終始心情が理解出来ず、最後は恐怖でしか無かった。
    なんでも程々に。

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    2025年02月08日
  • コレクターズ・ハイ

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    あぁ〜、この話よく分かるかも!

    私も好きなものを集めたくなる収集癖があったから、、、
    今でも若干その気はありますがw

    他人から見たらこんなもの集めてどーするのよ?と思われるかもしれませんが、好きなものは集めたくなるんですよね〜


    例えば、スター・ウォーズが大好きな私は当時、スター・ウォーズとキリンがコラボしたコーヒーの缶を集めてました
    缶欲しさに普段飲まない微糖のコーヒーまでイヤイヤ頑張って飲んでましたw
    (無糖だけでいいのにって何度思ったことか)

    そこまでして全種類の缶を集めた私に奥様が放った一言は、、、

    「このゴミいつ捨てるの!」

    _| ̄|○ il||liガーン

    他人にとっ

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    2025年01月31日
  • もぬけの考察

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    四〇八号室の入居者に起こる不思議な事のお話。
    ここの部屋に住むのは全員変わった人で、みんないろんな理由で部屋から消えていく。
    自分も家を引っ越す時はそういう物件を引かないように気をつけなければと思った。

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    2024年12月11日
  • コレクターズ・ハイ

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    「推し」に人生を捧げる。
    なにゅなにゅオタクの私、クレーンゲームオタクの森本さん、髪オタク美容師の品田。その愛は一方通行だったはずなのに、気がつけば歪んだトライアングルから抜け出せなくなっていて……。
    「オタク」っていうとイメージ悪いけど「推し活」とかっていうとハードル下がるから不思議。でもしんどい毎日を乗り切るためには推しの1つもあったほうがいいのも事実。入れ込みすぎると大変なことになるけどね。みんなそれぞれ歪んでて興味深く読みました。

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    2024年12月07日
  • もぬけの考察

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    とあるマンションの408号室を舞台とした奇妙な短編集。サイズは四六判よりやや小さめ。装丁が好き。1話目は安部公房的不条理感。「人魚伝」みたいな感じ。雰囲気は嫌いじゃないけど、なんだか胸がざわざわする読後感。

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    2024年11月27日
  • コレクターズ・ハイ

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    とても読みやすかった。

    が、わたし自身がコレクションにあまり興味がないタイプなので、ものすごく第三者的に読んでしまった。

    主人公はトイメーカーの社員で、なにゅなにゅキャラクターを集めている。
    なにゅなにゅは、ぽや~んと癒し系のゆるキャラらしく、主人公は苛立つことがあると、「なにゅなにゅはこんなことで怒ったりしない」と自分の気持ちを落ち着かせている。

    そういう心の杖みたいなのは誰にもあったほうがいいけれど、この主人公はどうも危なっかしいというか、なにゅなにゅを信奉するのと同じ勢いで、自分の周囲の人たちを、固まったある1方向からしか見ていない。

    で、結局、自分が信用していたり尊敬していた人

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    2024年10月02日
  • もぬけの考察

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    都市の片隅にあるマンションの408号室を舞台に、次々に不穏な退場の仕方で入れ替わっていく住人たちを描く。
    4つの短いエピソードが収録されているが、特にそれぞれの住人の退場についてなどの詳細があまり語られていないので、これ自体がいろいろと考察しがいのある小説である。ちょっと猟奇的なホラー味もある。
    ただ、自分にはちょっと純文学味が強すぎて、最後までとっつきにくかった。なんだんたんだ、これは、という読後感。

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    2024年09月21日
  • コレクターズ・ハイ

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    タイトル通り、なんらかのものをコレクションしている人が色々出てくる。端から見ると異常と思えるようなものまで……。それは結局裏返しで、主人公もそう思われているという皮肉かも。

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    2024年09月02日
  • コレクターズ・ハイ

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    好意を盾にして、エスカレートし逸脱する自分の行為・欲望を正当化する、推し活・愛・熱中は本当に狂気じみてる。何事も線引きが大事だ…
    物語中に出てくる、「オタク」やネットの解像度が高くて、周りにもこういう人いるなと思い出しながら読んだ。同じ缶バッチ付けまくる理由がわからなかったんだけど、シンプルに数でマウントを取るアクションなのだと知りへぇだった。

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    2025年03月31日
  • コレクターズ・ハイ

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    コレクターの習性がどんどんで出来て、そうそう!あるある!となる。
    クレーンゲームの取るだけが好きな人と物だけが欲しい人のマッチングはウインウインのようでいて、俯瞰で見るとかなりヤバい関係。ギリギリの危うい人多し。最後はドタバタ過ぎませんか?

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    2024年07月10日