塩崎省吾のレビュー一覧
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前作「ソース焼きそばの謎」ほどは面白くないだろうと期待せずに読んだが、あとがきに書かれている通り前作の3倍面白かった。前作のソース焼きそばは経済や物流、本作はアヘン戦争や日清戦争といった国際関係や文化を背景に語られており、日本・中国・アメリカにあんかけ焼きそばのルーツを求めるなど、食べ物を巡る話とは思えないほどスケールが大きく読み応えがあった。
あんかけ焼きそばの来歴を探るため、あんかけ焼きそばと似た皿うどん、更にその元となるチャンポンのルーツ、カタ焼きそばのルーツでは19世紀のアメリカまで調査。作者の調査能力と熱意には脱帽。アメリカ人のカリカリ嗜好の実例としてではあるが、「焼きそば」のルーツ -
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戦後に生まれたと言われている「焼きそば」の話です。
「果たしてその説は本当なのだろうか」という疑問を持ち、今日の焼きそばの誕生に
至る過程を解き明かした一冊です。
鍵はお好み焼きですね。
お好み焼きは、明治の終わり頃に天ぷらや西洋料理を模して、天かすや餅を小麦粉に
溶いて焼いた代用食というか、パロディ的な食べ物だったそうです。
調理は鉄板で行われていたわけですから、あとはここに麺があれば「焼きそば」の
出来上がりですが、そうは簡単に行かなかったそうです。
なぜか。
麺が高級であったそうですが、つまり小麦粉が高かったのでしょう。
しかし東武鉄道の玄関口である浅草には、北関東の小麦の -
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ネタバレ膨大な資料のリサーチやインタビューを重ね、ソース焼きそば発祥について探る、良くできたミステリーのような一冊。「焼きそばかお好み焼き食べたい!いや、それよりもソバ入りのお好み焼き食べたい!!」と思いながら一気読み。漫然と思い込んでいた「お好み焼き&焼きそば大阪発祥説」は見事に覆させられ、皆んな大好き粉もん&ソースの歴史が良くわかった。続きの「あんかけ焼きそばの謎」も読んでみたい。
・明治30年代にお好み焼きが東京下町で、大正初期にはソース焼きそばが浅草で誕生。戦前までにお好み焼きと焼きそばは全国に伝播したが、焼きそばは東京のように中華麺を安価に入手できなかったため、本格的に提供 -
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今年読んだ本で言うと「ポテトチップスと日本人」も思い切り堪能しましたが、この「ソース焼きそばの謎」もなかなかに満喫できる新書でした。マニアックという言葉では言い表せられない探求力でなんとなく語られている俗説を打破していきます。例えば大阪発祥説、戦後普及説などなど…その中で今回、個人的に目から鱗的に理解できたのはお好み焼きの発祥でした。イカ天、エビ天が具材の標記とか味のバリエーションではなく、料理の形態模写であったこと。浅草染太郎のシューマイ天も食べたことありますが、なんでこれがシューマイなのだろうと不思議な気持ちになったことを思い出しました。でもそのワンダーな気持ちが、お好み焼きのDNAだった
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焼そばの歴史から中国の革命まておよぶ内容は面白かった
「揚州炒麺」など「揚州~」と表記される中華料理は「五目」のこと。江蘇省揚州のことで、この地域出身者は富裕だったので「豪華」という意味でつけられている19
麺と具を炒めて味つけする「上海焼そば」のルーツは寧波料理。明治期に西園寺公望の要請で中国の留学生を猪熊治五郎が招聘。宿舎を神田神保町あたりに作る。その留学生向けに神保町には中国料理屋が建ちはじめる。そこは寧波コミュニティの料理人が多く、その系譜の店は上海焼そばを提供する。寧波は上海と直線距離で約100km。但し上海は江蘇料理。寧波は浙江料理。なぜ「寧波焼そば」や「浙江焼そば」と名乗らな -
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<目次>
プロローグ 明治二年の「鳥やきそば」
第1章 支那料理屋の「ヤキソバ」考
第1節 老舗「ヤキソバ」実食分析
第2節 戦前料理本の「ヤキソバ」レシピ
第3節 「上海風焼きそば」の真実
第2章 長崎皿うどんを解きほぐす
第1節 皿うどんのルーツ「支那うどん」
第2節 太麺皿うどんの起源に迫る
第3節 太麺から細麺へ~長崎皿うどん革命
第4節 細麺皿うどんとカタ焼きそば
第3章 「炒麺」(チャーメン)はどこから来たのか
第1節 アメリカ式中華料理「チャプスイ」
第2節 「チャウメン」の誕生と変容
第3節 アメリカでの中国人排斥がもたらしたもの -
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ソース焼きそば、考えてみれば不思議な食べ物である。うどんでも蕎麦でもなく中華麺を蒸して鉄板で焼き、醤油でも塩でもなくソースで味を付ける。東洋起源と西洋起源の素材がなぜ日本で出会って全国で花開いたのか。そんなソース焼きそばの歴史について、複雑怪奇な謎を1つ1つ丁寧に紐解いていくミステリー仕立てで物語は進んでいく。
それもそのはず、この本の出版社は早川書房でありタイトルは『ソース焼きそばの謎』なのだ。諸説あるソース焼きそばの起源についても、戦前戦後の時代背景をベースにかなり確実なところまでアプローチしているので、文献的な価値もある。そして全国各地に派生するご当地焼きそばの流れについても、様々なロ -
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ソース焼きそばに、まさかこんな歴史があろうとは思わなかった。
戦後に登場したみたいな話は確かにどこかで聞いたことはあったが、それよりも随分遡るというのも興味深かったし、材料調達や商売になるか(儲けが出るか)という点から丁寧に考察してあったのも面白かった。
歴史を追うという点ではとても真摯に書かれていた印象。
ただのソース焼きそばのオタクによる本と侮るなかれ、ちゃんとした歴史本だった。
焼きそばの全国普及をご当地焼きそばの歴史も絡めて考察しているので、地元の焼きそばの歴史や有名店も出てくるのも嬉しい。
注意点は、焼きそばの写真が多数出てくるので、読んでいると猛烈にお腹が空いてくる点かと。
鉄板 -
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何故、醤油でなくソースなのか?その発祥は何処?
ソース焼きそばの謎を各種の史料から読み解き、探索する。
全国各地の60を超えるソース焼きそばのカラー写真も掲載。
・昭和15年頃の浅草周辺の地図
・まえがき
・プロローグ 昭和11年の焼きそばマニュアル
第1章 ソース焼きそばの源流へ
第2章 ソース焼きそばの発祥に迫る
第3章 戦後ヤミ市のソース焼きそば
第4章 全国に拡散するソースの香り
・あとがき
・ソース焼きそば年表、参考文献有り。
各節ごとに節の要約有り。
ソース焼きそばの発祥を求めての探索は、ミステリーの如く。
多くの史料・資料や文献、書籍を調べ、店を訪ねての取材は情熱。
大正初期に -
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<目次>
第1章 ソース焼きそばの源流へ
第2章 ソース焼きそばの発祥へ迫る
第3章 戦後ヤミ市のソース焼きそば
第4章 全国に拡散するソースの香り
<内容>
もう学術論文やん!?というのが正直な感想。特に第1,2章は様々な文献に当たり、巻末に強烈な出典注がつく。著者をここまで追い込んだ?のは、ソース焼きそば愛だろう。ソースの香り、もちもちとした食感、食事でも酒の肴でもOK!。確かに縁日の屋台に始まり、「日田やきそば」「そばめし」「富士宮やきそば」「横手やきそば」…。B級グルメとしてあちこちで名乗りが上がっている。食べたくなること請け合いである。 -
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audible67冊目。
なんとなく、大阪(関西)発祥と思っていたソース焼きそば。
身近な食べ物だからこそ、その歴史について実は知らないなあというものがたくさんあると思いました。
起源を突き止めようにも、必ず文字資料が残っているわけでもないだろうし、なかなか難しい。
でも、そのために、かつての社会情勢などを踏まえて考察することになるから、それはそれで面白いなあと感じました。
塩焼きそばや海鮮焼きそば、あんかけ焼きそばも好きだけれど。
やっぱりソース焼きそばの、あのジャンキーな感じがいいなあと再認識。
夫が作ってくれる焼きそばと、お祭りの屋台の焼きそば、どっちも食べたくなりました。 -
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ソース焼きそばのルーツを探る一冊。諸説あるらしい起源を迫っていく様が必死で、何とも言えない熱意に溢れています。著者さんの焼きそばブログも見てみようかな。
yakitan.info
■ソース焼きそばは、もともとお好み焼きの一種。
■どうやら戦前の浅草にルーツがありそうというのが著者さんの説。歴史が興味深くて、
日本が関税自主権を取り戻す→海外製の粉と価格勝負できるようになる。粉を清に輸出するまでになる→東武線が出来て東京まで粉を輸送するルートができる→浅草は粉の仕入れに適した場所だった。
■浅草近辺の老舗が気になった。田原町の染太郎、千束のデンキヤホール、清川の大釜本店 -
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現代でもある「ソースあとがけ」の焼きそばは戦中戦後統制で砂糖が手に入らない時に、ソース業者がサッカリンやズルチン代用ソースを作った。それを焼きそばに入れたのがルーツ。サッカリンは熱に弱く、火入れをすると苦くなるため、あとがけにした。尚、代用の代用でチクロが後に使われたが、こちらは大変味が良かったという。166
鉄板でステーキを焼く「高級鉄板焼」の元祖は、
神戸みその。1945年焼け野原のなか、造船所で手にいれた鉄板でお好み焼きを焼いたのがルーツ231
前橋市あくざわは昭和23年以前創業202
「エンコ」浅草公園の愛称。コウエン⇒エンコ63 -
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熱い。
いやいいっすよね。こう言う本。
巻末の参考図書もそうだが、実際足で歩いて色々と検証されている。
焼きそば好きで全国食ってるだけやんと言う面もあるが。
で、著者なりに、仮説を立て検証している。誰もその検証を再検証していないのは学術書じゃないのでしょうがないのだが、それでも何年か何十年か先に、日本の食を研究している誰かが、紹介する一冊になるのではないかね。
大阪人としては、コナとソースは大阪やと思ってるからちょっと辛いが、どうやら焼きそばとかお好み焼きは、大正末期の浅草あたりから発祥したようなのだ。で、お好み焼きというのは料理そのものではなく、どうやら料理の「分野」で、そこに焼きそばも含ま