三日市零のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ大手メーカーの会長・磯田孝之助が起こした交通事故の裁判は、真実が捻じ曲げられ十分な求刑がなされずに終わった。司法に限界を感じた衿須鉄児は弁護士を退職。「合法復讐屋」エリスとして生き始めた衿須の前に現れたのは、件の事故で父親を亡くした少女・楓だった。そして二年後。「秘書」メープルとしてエリスの事務所で働く楓のもとに「孝之助が殺された」というニュースが……。
エリスとメープルの出会いのストーリー。個人的には、メープルの悲しさが伝わってきてぐっときた。車の暴走事故のことは記憶に新しく、他人ごとではないと読みながらずっと感じることができた。
全体としては長すぎず短すぎず、重すぎないがしっかりとし -
Posted by ブクログ
復讐をテーマにした小説です。
全4編の短編で構成されており、テンポよく読み進めることができてとても楽しめました。
シリーズものとしては3作目にあたり、登場人物や世界観にも馴染みがあり、より深く作品に入り込めたように思います。
魅力の一つは、「裏メニュー」を持つ少し風変わりな探偵事務所です。
ただ、単なる復讐代行ではなく、依頼者の気持ちに寄り添いながらも、復讐の対象に対して”とことん叩きのめす”のではなく、時には優しさや思いやりさえ感じられるやり方で懲らしめていく姿勢が印象的でした。
そのやり方に、人間味や懐の深さがにじみ出ていて、ただのスカッと系では終わらない余韻が残ります。
中でも、『 -
Posted by ブクログ
ネタバレ第21回このミスの隠し玉(とは…?)受賞作。
正直この回の大賞よりも面白い。
4編各話の長さも丁度よくてテンポよく読めた。
case3は苦手なテーマだったので少し流してしまったけど、小4の秘書メープルを活かすために必要なテーマだったとは思う。
でもなんやかんや、シンプルな復讐だったcase1の話が一番好き。依頼人になるかもしれない程度の段階でも手を打っておくエリスさん格好いい…。最後の請求書がハンカチ代だけなのも粋。彼女の覚悟を見たかったんだな。
好きな話とはいえ、テイストが似た話が続くと飽きてしまうのでcase4まで違う方向性の話だったのも面白かった。