佐藤俊のレビュー一覧
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大学の陸上部でも7割は出走できないという箱根駅伝。2018の東海大を舞台に裏方に回った学生たちの箱根駅伝を追ったノンフィクション。
何より題名が良い。子供の頃から夢見た箱根駅伝。希望する大学に入学するも怪我やメンタル面の問題などから実力を発揮できずメンバーに選ばれない学生たち。メンバーの支援に回ったり翌年以降に向けて下級生の練習を引っ張ったり。実は箱根駅伝本番で走れない選手の方が多い世界。
付き添いやコース途中でのタイム測定、選手への給水など。主務、マネージャーと控え選手の箱根駅伝の二日間を描いたノンフィクション。
テレビには映らない努力の過程には感動間違いなしです。 -
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2019年箱根駅伝初優勝の東海大。
強豪高校のエースが集まり黄金世代と呼ばれながらもう3年生。優勝候補とされながら5位に終わった前年度からの1年間を追った力作。
エース級の選手の他、努力を続けレギュラーを掴む選手、かたや怪我のため出場できない。監督、コーチと選手の確執などを乗り越えての栄光。
極限まで自分たちを追い込むトレーニング。ケガするかのギリギリのライン。華やかに見える箱根ランナーは1年中ケガとコンディショニングとの戦いである。
筆者には2018年の5位に終わった東海大を追った「箱根0区」という作品もありこちらも面白い。
2018年全日本大学駅伝で東海大は優勝。2019年の箱根連 -
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箱根5区のみを取り上げる、非常に興味深い1冊。
フォーカスすべきは今井・柏原・神野に抜かれた選手達の思いか。
なかなかスポーツ記事には書かれない、というより大会直後ではインタビュー出来ない部分を、今だから胸の裡を明かせられたという清々しさが生き生きと伝わります。
5区が何故こんなにもドラマが発生するのか、理由が少し分かりました。
本文自体はあまり丁寧ではなく、てにをはに違和感があったり説明が不親切な部分も度々ありますが、それだけに「箱根駅伝前に届ける為に急ぎました!」という勢いを感じます。(いや、だとしても最低限の推敲はすべきですが)
東洋大・釜石の、5区で今井と北村に抜かれたシーンから、 -
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「箱根0区」は箱根駅伝にエントリーできなかった選手たちの自称らしい。この本はそのエントリー外になった選手に的が絞られてる訳ではなく、2018年の箱根の各区間の走者を中心にその周りの「0区」の選手のストーリーが織り込まれるような構成。走った選手の「箱根の実際」と、それを見守りサポートする選手たちの葛藤など。
みな一様でなるほどと思ったのは、箱根を目指してきた選手たちが、「自分は走れない」と分かった時悟った時の反応。そのタイミングはそれぞれ違うのだけれど、一旦は気持ちも体も沈んだところから、再度色んな形で立ち上がっていく。それまで心身の不調で走れなかった選手が、箱根に出れなかった自分と向き合った途 -
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2019年の箱根駅伝で,総合優勝した東海大。
その東海大の前年,2018年の箱根駅伝までに密着し書き上げられたルポ。著者はサッカー,陸上競技などに精通したスポーツライター。
東海大に限らず,箱根の常連校は陸上競技者の層も厚く,箱根の10区に入れないメンバーも当然多い。
東海大では箱根のエントリーメンバーが発表されたあと,エントリーメンバーから漏れた4年生は選手のサポート,裏方に回る。これらのメンバーを箱根0区と呼んでいるそうだ。
0区の選手たちは,グラウンドなどの整備,データ集め,本番前の様々な準備,箱根当日は各区間のタイム計測,付き添い,給水,応援などの手厚いサポートを行う。
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箱根の2日間だけが駅伝ではない。
そして、箱根だけ観ても、その面白さを3割程度しか楽しめていない。そう気付かせてくれる大学駅伝チームの1年を追った作品。読んでよかった。
全日本で、アンカーの一色が、時計着けずに走った所の文章は身震いモノ。
〉最終8区。アンカーの一色は襷を受けると、落ち着いた様子でひたすら前だけを見て走り出した。その腕には時計すらもつけていない。
そこには一色のシンプルな考えがあった。
見えなければ見えるところまで追いかける。
追いついたら抜く。
そこにペースを計る時計など必要はない。1kmを自分のペースで走る感覚は体に染みついている。 -
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雑誌『Number』などで執筆しているスポーツライターの筆者が,青山学院大学陸上競技部駅伝チームに密着して書かれたドキュメンタリー。2016年4月~2017年10月の間のルポである。
青山学院といえば,正月の箱根駅伝で,2015年~2018年を4連覇した,現在の駅伝では強豪チームである。
だが,いつも順風満帆に練習を続けてこられたのかといえばそうではなく,故障者があったり,調子の上がらない選手があったりと困難を抱え続けてきていたのである。
原監督がテレビで見せる明るいイメージがあるが,たしかに明るいのだろうが,それでも選手個人個人が意識を持ち,自己管理をしてきているのである。選手たち -
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サッカーライター界では割りと有名な佐藤俊氏の新著。
『越境フットボーラー』という題からして、Numberで寄せているように宮本など日本代表の有名選手のことかとおもいきや、アジアで活躍する、名の通っていない選手を取り上げたインタビュー集。
元からマイナーなジャンルを扱うライターではなく、インタビューから選手の内面を描き出すことに定評のあるライターが知られざる選手について書くと、意外と面白いことがわかった。
香川や長友など、トップリーグで活躍する日本人が増えてきた今だからこそ、そして日本国内にとどまらず中国や東南アジアに飛び出していくビジネスパーソンが増えてきている今だからこそ、読んでおきた -
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タイでもサッカーは人気のスポーツだ。
タイ人はサッカーとは言わずにフットボールと言うのだけれども、タイ語ではLの文字が最後に来るとNと発音するので、「フットボーン」に聞こえる。週末はイングランドのプレミアリーグをはじめとする、ヨーロッパ各国のリーグ戦のかなりの数の試合が放送される。
タイにもプロリーグがある。イングランドのマネをしているのだろう、プレミアリーグと呼ばれる。一度観戦に行こうと思っているのだけれども、なかなか機会をつくれなくて、まだ観戦はしていない。テレビで観る限りでは、満員とまではいかないけれども、そこそこの観客を集めているようだ。
外国人選手も多く、また、日本人選手も何人かプ -
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