松田美智子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
松田優作の元夫人のドキュメンタリーなのかそういう小説なのか微妙なラインの作。映画「完全なる飼育」の原作なのかなんなのか。
冴えない事務機器販売社員が、映画「コレクター」を機に、女性の誘拐を企む。誘拐はまんまと成功し、誘拐した女子高生と性的に繋がれて、不思議な同棲生活が始まる。
筆致は大したもので、スルスルと全く引っかからずに読めるし、女子高生が岩園に惹かれていって、一方的に嫌悪感を生じないよう描かれているのは、この本の最も優れているところであろう。
ただ、それだけなんだよね。
後半は、官能小説のようにセックスの描写が続き、隣の学生が都合よく邪魔しに来たり、岩園の同僚の女性が都合よく誘惑を仕掛けたりと、漫画か小説のように展開するが、深く進行してこない。
そうそう、「岩園」「邦子」と姓名を使い分けているところはポイントが高いと思う。
「ドキュメンタリーなのか何なのか」というのは、全体にリアリティーがないのである。まえがき、あとがきあたりで事件の詳細が語られたり、その時代に存在した背景というものがひとつも語られない。
「テレビドラマに映る父親」のドラマのタイトルや、積み上げられていた雑誌の中身など、ちょっと触れるだけでその当時が生きて入ってくるはずだが、一切がカットされている。「ブルセラショップ」があったのだから、バブルの直後くらい(1990年代初頭)なのかと思いきや、1965年の事件らしい。えー?ワープロとか出てくるんだけど?結局最後の印象は、官能小説だったのか。それでもいいんだけど。
もうちょっと情報が足されるだけで、ドキュメンタリーでも小説でも、もっと完成度の高いものになったであろう、惜しい作品である。 -
Posted by ブクログ
9年2ヶ月15日。
9歳から19歳までの長い期間、監禁されていた少女。
その犯人S被告の裁判記録。
裁判で最終判決が下るまで3年を費やした。
第一審での判決は懲役14年。
S被告、弁護側が控訴し、第二審判決は懲役11年。
その後、上告し、最終判決は懲役14年となった。
S被告の裁判での答え方や、態度や表情には、読んでいる方にまで不快感が込み上げてきた。
殺害までに至らなかったこと、ストックホルム症候群になっていないことが、せめてもの救いだったのでは。
にしても、日本の法律には歯痒さを感じずにはいられなかった。
平成24年現在、30歳前半の被害者であった少女が、幸せに暮らしていることを、ただただ願うのみです。 -
Posted by ブクログ
最近料理に目覚め、スティックミキサーを買った。
それで、本書。
スティックミキサー自体にもレシピ本は付いていたが、紹介の料理点数が少ないから。スティックミキサーで作る料理本を探したが本書だけ。フードプロセッサーならたくさんあるが。
ただ、内容は料理初心者にはいまひとつ。材料に必ずといってくらい、一般家庭にはないようなものが入っている。
スティックミキサーは使い方簡単。あまりあれこれ悩まず使ってみるのがいいかもしれないと思った。もっとも便利だと思ったのが、ポタージュ系のスープ。鍋の中で具材を「つぶし」「きざみ」「まぜる」ことができるからだ。
今後は生クリームやメレンゲを使ったスイーツも作ってみたい。夏にはいろいろなジュース。ビシソワーズやガスパチョなどの冷たいスープも。 -
Posted by ブクログ
昭和48年に起きた、立教大助教授教え子殺人事件(その後、犯人の助教授は妻と娘、息子とともに崖から飛び降りて一家心中)をもとにしたノンフィクションノベル風ノンフィクション。愛人である教え子を騙して「旅に出るから心配しないで」などと手紙を書かせたり、失踪した(ことになっている)彼女をいかにも心配している風情で、憔悴した両親のもとを尋ねたり、へたな小細工はするくせに、殺害直後、むかし一度だけ関係をもった年上の大学関係者を呼び出し、ある種のあまえなのかなんなのか、彼女に口裏あわせを頼む(女性は速攻ほかの大学関係者に報告)という間抜けをやらかす、タイトル通りの不完全にもほどがある不完全犯罪。「やっちゃったものはしかたがない」という反省ゼロの言葉と、遺体処理の杜撰さに助教授の本性をみた気がする。これは埋葬ではない、と刑事たちもいった。事件解決よりも体面を選んで通報しなかった大学関係者たちにも腹が立つ。ノリ的には「黒い報告書」みたいなもんっていうか、あの長編バージョンだとおもってもらえればいいです。ノンフィクションと謳っているものの、妄想も多分に入っていそうだし。