宇田川幸大のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
わたしの中で早くも今年度一位!の予感。
今の問題の本質を見極めるためには、過去にさかのぼって考える必要があるとのことで、日清戦争から現在に至るまでの日本の歩み(主に加害の歴史)をたどることができる。これを読むと日本がこれまでずっと都合の悪いことは「他人のせい」「なかったことにする」で解決しようととしてきたことがよくわかる。
加えて、どの国の為政者たちも(おそらく意図的に)「今」悪いのは誰か、にばかり目を向けさせようとしてきたし、これからもしていくのだろうということがわかる。
正義のための戦争なんてない。誰かの損得や見栄のために、たくさんの人が犠牲になっている。そのことを、何度でも胸に刻みた -
Posted by ブクログ
戦争体験者がいなくなった時に、如何なる戦争責任論を以て、戦争を防ぐか。碩学の論文・討論集。
印象に残った点を二つ挙げる。
一つは、従来日本で語られてきた戦争責任論は、個人の体験・証言に依存したものであるということだ。個人の戦争体験は、圧倒的な迫力を以て聞き手の感性に訴えかけるものだが、普遍性に乏しい。論理的に構築された、普遍性のある戦争責任論を打ち出していく必要があると感じた。
もう一つは、「戦後責任」というワードは、韓国語に翻訳不可能であるという点だ。韓国では未だ朝鮮戦争が終結しておらず、戦後は訪れていない。世界を見渡せば、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、ウクライナ戦争など、1945 -
Posted by ブクログ
世界地図を見なさい。本を読みなさい。どんなふうに人が生きてきて、物事がどんなふうに起きたのか、意味を問いなさい。知らなければ判断できないでしょう。
岩波ブックレットNo.1075です
刊行は2023年2月7日
ロシアによるウクライナへの侵略戦争が始まってからちょうど一年がたった頃ですね
この侵略戦争についてわーわー言う前にちょっと自分たちがやった侵略戦争について考えてみようよってことなのよ
その主旨にはおおいに賛同したいけども…歴史ってやっぱムズいよね
わりと最近の出来ごとなのに何がほんとかわからんちんなことが多すぎやしないか
そもそも太平洋戦争を「侵略戦争」と認めない人もかなり存在