樋口泰行のレビュー一覧
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『パナソニック覚醒』樋口社長
【購読動機】
樋口社長は、パナソニック出身です。
ダイエー、マイクロソフトなど多くの経営をされた上でパナソニックに戻る異色の経歴の持ち主です。
①なぜ、戻ったのか?何を志したのか?
②戻ったあとの経営戦略と実行とは何か?
これを知りたかったからです。
【本書の内容】
1.出戻り
樋口社長は当初戻る意思は無しでした。
しかし、当時の経営陣からの問いかけと期待の意図を理解して戻ります。
2.ビックピクチャー
樋口さんがパナソニックコネクト社の社長に就任して行ったこと、それがビックピクチャーです。
ビックピクチャーとは、パナソニックコネクト社の旗印です。
つまり、どの領域でビジネスを展開するのか?また、逆に捨てるのか?
です。
3.組織改革
日本企業は外資と比較して成長スピードがかないません。
マイクロソフト出身がゆえ、強烈に認識した樋口社長は、改革を3ステップで進めます。
①カルチャー/マインド
②ビジネスモデル
③事業立地
【本書からの学び】
1.ビックピクチャー/経営戦略のポイント
外資と日本企業を比較して勝てない領域と勝てうる領域。
それが「わかりづらさ」。
アプリのようなわかりやすさは、競合も増え、成長スピードも加速得意な外資領域となりやすいこと。
したがって、日本企業は逆を張ることも可能性の一つ。
2.統合戦略と戦術
①狙い/ハードウェア+ソフトウェア。
パナソニックコネクトがその実現として実行したのが、M&A/ブルーヨンダー社である。
②統合戦略
年商1000億円を買収総額8630億円で実施した。
統合戦略は段階的である。まず20%出資し、段階を追い100%としていること。
③統合戦術
自社が実験台となること。
パナソニックコネクトとブルーヨンダーの製品の併用を率先垂範していること。
これが、クライアントへのショーケースとなる。
【さいごに】
業務時間をどれだけ、クライアントに向けているか?
樋口社長は、その実行として会議の見直しをしています。
目的は?
本当に必要?参加者はこれだけ必要?
議事の終わりは?いつまでに 誰が 何を。
社員数が増えれば当たり前のように固定費/人件費は増えます。
したがって、このオペレーションも私は、要諦と考えます。 -
Posted by ブクログ
松下電器の技術者からスタートし、いくつもの転職を重ね日本マイクロソフト会長という経験があるからこそ見えてきたものを読者に伝えてくれる。
当時は転職=ネガティブなイメージが強かったはずだが、現在容認されつつあるように、自分のキャリアを磨くために転職する。ということを積極的におこなっていた。
経歴を見ると、エリート中のエリートのような人物であるが、単純な天才でなく努力する天才だということが本書から読み取れる。
「決して現状に満足しない姿勢」「企業のポリシーや理念を尊敬し、自分に落とし込む」「リーダーとしてブレない軸」など、仕事で成功するための肝心なキーワードを教えてくれる。
転職に悩む人、これから経営者や上司として成長を目指す人に読んでほしい本だと思います。 -
Posted by ブクログ
パナソニックの技術者を出発点として、MBA取得後に外資系やコンサルティング会社、IT企業を経て、最近パナソニックの子会社の社長に戻られた。
そんな経緯を知りたくて読みたくて、パナソニックに戻る以前の時点までの内容だが、面白かった。
バリバリの理系の技術者の人が、経営者になるまでのたくさんの苦労談が参考になる。
いわく。
社長の仕事は皿回しのようなもの。
両手に数えきれないほどの皿を回し続ける。
1つの皿に固執すると、別の皿が落としてしまうので、すべての皿の動きを眺めながらバランスよく皿を回していく。
様々なタイプの人と上手に付き合うには何よりも経験がモノを言う。
そのためには、各タイプを類型化し、うまくことが運んだケースを頭の中のデータベースに蓄積しておく。
同じタイプの人と遭遇した場合は、過去の情報を適用するのだ。
人を動かすときには、このデータベースが力を発揮する。
もし、面倒な相手に出会った際には、データベースにない人間と遭遇したのだから対処方法を蓄積するチャンスだ、と思うぐらいの気構えでいい。
⇒この話を聞くと、理系の技術者で人間関係が苦手と思う人ならば、すごく参考になるように思う。
人間関係を良くするためのデータベースを自分で作り出す、ぐらいの気持ちを持つので十分。
たぶん、この方は、最終的には将来のパナソニックのトップに立つ人ではないだろうか。
また、出戻りになるような人を自社に呼び寄せたパナソニックも偉いと思う。 -
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社員からトップが見える会社というのは、一体感が生まれ、社員のモチベーションアップにも繋がる。
私が以前所属していた職場では事業部長が遠い存在で、数ヶ月に一回行われる合同朝会等でお顔を拝見することがあっても、拠点が離れているためにスクリーン越しとなり、資料のプレゼンになるとお顔は見えなくなる。いつもどのようなことを考えておられるのか、どのような仕事をしておられるのか全く分からなかった。ただ、決してそのことが自分の仕事に悪影響を及ぼしていたわけではない。
その後、職場異動を経験し、新しい職場では、事業部長のスケジュールが全体に公開されていたり、一部の会議では、事業部長を含む経営幹部だけでなく、一般の社員も参加可能となっていることに新鮮な驚きを感じた。会議の場では、事業部長がどのような指摘をされるか、普段どのようなことを考えておられるかなど、直接聞くことができる。たとえお話する機会はなくても、事業部長という存在がとても近いものに感じられ、現場の一体感や社員のモチベーションアップに繋がるところがあると思う。
樋口さんがダイエー社長就任後、全国263店舗の店長・支配人に電話をかけたとされるエピソードは、そういった一体感の創出に大きく役立ったのではないかと感じる。まさしても、樋口さんの実直さが現れるエピソードだ。
そのほか、ダイエーでの様々な取り組みの紹介の中で、樋口さんの熱い思いが伝わってきた。
「日本企業で純粋培養されてきた人材は、考え方や動き方がいつの間にか「社内の論理」に染まってしまう。」という一文を読んで、頭が痛い。別に転職を勧めておられるわけではないが、いろんな経験をし、多面的な視点を持つことの重要性を説いておられる。私も心しておかないと。 -
Posted by ブクログ
日本人で有名な経営者と言えば、ソフトバンクの孫正義さんや、ファーストリテイリングの柳井正さんあたりになるのだろうか。
本書を書かれた樋口泰行さんは、前述の方々のような派手さはないが、如何にも日本人らしくコツコツと努力を積み重ね、トップまで上り詰めた日本有数の経営者のお一人だと思う。著書からも、その実直なお人柄がよく表れている。また、ご自身もまだまだ成長しなければならないと感じておられるところに、世間一般の会社員からも親近感がわくように感じられる。
しかし、やはりそんじょそこらの人とはキャリアが大きくかけ離れている。驚くべきは、30代後半からの数々の外資系企業でのご活躍である。お人柄は至って純日本人のようだが、外資系企業で働くなかで、グローバルに活躍できるスキルを獲得された。その手腕を生かして、ダイエーの再生にも白羽の矢が立つことになる。幾度か外資系企業の転職を繰り返し、日本企業のトップとして日本経済の復興にも貢献された稀有な人かと思う。
年齢はどうやっても取り返せないけれども、私も樋口さんのように、とにかく目の前の仕事に真摯に取り組んでいこうと思った。 -
Posted by ブクログ
日本HPからダイエーの社長に転身。最近はマイクロソフトのCOOになった著者。前作の『愚直論』に引き続き読んでみた。
変革を必要とされる企業では強力なリーダーシップを発揮し、人からおかしいと思われたり孤立したり(ここが「変人力」というタイトルの所以)しても己の信じる道を突き進むという資質が必要であるというのが著者の考えで、まさにそれは変革すべきダイエーの経営で必要な資質であった。
今までの日本企業は調整能力に長けた経営者が重視される傾向にあった。現代におけるグローバル競争、マーケットの急激な変化、経営戦略におけるM&Aやアライアンスの活用という企業経営のスピード感の上昇を考えるとどの企業でも調整型より変革が予期されているように思われる。その中で著者の言うような「変人力」で変革をドライブする力が必要になってくるのであり、このような経験が重視されるようになるのであろう。今後の日本の企業経営のあるべき姿を考えるきっかけになった。
詳しくは触れられていないが、著者自身はダイエー社長を辞任することは、まだ道半ばという感じで相当残念な思いがあったのだろうと推測される。