ケイト・アトキンソンのレビュー一覧

  • ライフ・アフター・ライフ

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    ネタバレ

    第六感は前世で体験したことという解釈が面白い。
    輪廻転生。
    生まれて来た目的、今、生きている意味、成し遂げるべきものの為に、人生でいろんなことを体験している。
    点が線になる。
    虫の知らせは無視しない。
    今、生きてるっていうことが、奇跡に近い。
    精神科医も輪廻転生していた。という事は、全ての人が輪廻転生しているのか?
    見事な作品だと思う。

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    2023年07月05日
  • ライフ・アフター・ライフ

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    命は儚い。
    生と死を分ける分岐点。それは、事故や病気かもしれないし、結婚や戦争かもしれない。

    「人生とはいまこの瞬間の経験を生きることなのだ。」

    読み終わっても、パリンプセストのような主人公アーシュラの人生が、まだまだループして終わらない気がする。
    とても面白かった。

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    2021年05月05日
  • ライフ・アフター・ライフ

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    面白い
    重量級のボリュームなので一気に読みきるのはなかなかしんどいが中盤以降特に引き込まれた。

    何回も人生を繰り返してもおそらく正解は無い。
    どの分岐を選んでも全ての人が幸せ自分も幸福な事はなかった。

    歴史的事実を背景にしているので知っていれば面白い。スペイン風だったりロンドン大空襲だったりヒトラーの愛人がエヴァだったり。

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    2021年03月21日
  • ライフ・アフター・ライフ

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    引用メモ
    私たちは1度しか生まれない。前の生活から得た経験を携えてもう一つの生活を始める事は決してできないだろう。私たちは若さの何たるかを知ることもなく少年時代を去り、結婚の意味を知らずに結婚し、老境に入る時ですら、自分が何に向かって歩んでいるのかを知らない。
    ミラン・クンデラ「小説の精神」より

    ライフアフターライフは、そうした人間の未熟を踏まえつつ、今生きている人生をいかに実りあるものにできるか、その可能性と限界に超絶技巧で挑んだ転生の物語と言うことができるだろう。
    訳者あとがきより

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    2020年08月14日
  • 世界が終わるわけではなく

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    皮肉の混じった現実の世界に、神話的な、あるいはSF的な非日常が入り込む。
    関係のないようなそれぞれの短編は少しずつクロスしている。
    一冊の本として巧みな構成となっていて、面白かった。

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    2015年02月08日
  • 世界が終わるわけではなく

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    可愛がっていた飼い猫が大きくなっていき、気がつくと、ソファの隣で背もたれに寄りかかって足を組んでテレビを見ている!そして…という「猫の愛人」、真面目な青年と、悪さをしながら面白おかしく暮らす彼のドッペルゲンガーの物語「ドッペルゲンガー」、事故で死んだ女性が、死後もこの世にとどまって残された家族たちを見守ることになる「時空の亀裂」等々、十二篇のゆるやかに連関した物語。千夜一夜物語のような、それでいて現実世界の不確実性を垣間見せてくれる、ウィットブレッド賞受賞作家によるきわめて現代的で味わい深い短篇集。

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    2013年06月01日
  • 世界が終わるわけではなく

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    かなり好きな世界。

    千夜一夜物語のような現実と幻想がまじりあった世界は、そのブレンド加減の好みが人によって違うと思うのだけれど、ワタシにはこの小説の世界は絶妙。

    最初の「シャーリーンとトゥルーディのお買い物」がシュールで笑える。

    かといって、この作者の長編は読めないだろうなとも思う。ぷっつりと結末が切れることの面白さを感じるから。

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    2013年03月15日
  • 世界が終わるわけではなく

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    短編集といっても、ただ短編を集めたのではなく、かなり巧みに構成されている。どれもシニカルでブラックだけれど、胸をうつところもあり、素晴らしかった!幼い子どものいじらしさから思春期の子の手に負えない様子、独り立ちした子の勝手さなど、すごくよく書けていて、母親の気持も子供の気持ちも痛いほど伝わってきた。好き嫌いが分かれそうで誰にでもお勧めってわけにはいかないが、ジュディ・バドニッツなんかが好きな人には合っていると思う。
    表紙の絵にもなっている「猫の愛人」、「魚のトンネル」「大いなる無駄」など、繰り返し読みたくなる。

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    2013年02月03日
  • ライフ・アフター・ライフ

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    主人公は物語の初段で二度死亡する。
    以降.夫からのDV他の理由により何回も亡くなってしまう。過去の微かな記憶を持ちながら死んでしまう。面白い物語ではないが感動はある。
    もう一度読み返したいかと言われたら拒否するが駄作でないことは間違いない。

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    2023年06月12日
  • 世界が終わるわけではなく

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    うっすらと登場人物が重なり合って一つの世界を作る短編集。どの短編も少し不思議な、幻想的な世界と繋がっている。また短編によって手触りが少しずつ違う。最初の短編は、まさしく世界の終わりのような日々の中でひたすら商品名が列挙される。妻を失った話は叙情的だし、いかにも十代な会話とモノローグ形式で進む短編もある。
    シッターと有名人の不憫な息子の二人旅の話、認知されなかった大富豪の息子が、その家を訪ねた時の辛い思い出の回想の話が良かった。

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    2014年11月16日
  • 世界が終わるわけではなく

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    「そもそも我々が現実とみなしているこの世界だけが、
    唯一無二の現実なのだろうか」
    訳者あとがきにある作者の問い掛け、と云うこの一文に
    凝縮されているのではないでしょうか。
    12編からなる短編集なのですが、
    どれも少しずつ関連したお話になっています。
    最初と最後の2つのお話だけが、
    ある世界の現実としたらそれは悲劇の様ですが。
    そしてシャーリーンとトゥルーディの寝物語とした処から、
    千一夜物語の様、という書評に繋がるのでしょう。

    それは置いておいて。
    少しずつ絡む世界と人物を1つずつ探して楽しむもよし。
    世界が何処で繋がっているかに思いを馳せるもよし。
    個人的には「テロメア」「予期せぬ旅」

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    2014年09月17日
  • 世界が終わるわけではなく

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    なんだろう、なんか好き。アイルランドの空気と、滅びの気配と、やりきれなさ、諦め、ほのかな明るさ。いつもの世界が少しずれてしまって、それもありかと笑ってしまうような感覚。

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    2013年03月22日
  • 世界が終わるわけではなく

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    それぞれの話が関わりを持ちながら展開する短編集。
    この主人公は前の作品に端役で出ていたはず、と振り返りながら読んだり、楽しめます。

    でも最初の作品だけはどこか違和感を感じながら読み進めていくと、、、
    ああ、こういう話だったのかと最後の話を読んでタメ息。
    ケイト・アトキンソン、上手いなあ。

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    2013年03月01日
  • 世界が終わるわけではなく

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    ネタバレ

    ぽつぽつと緩やかに繋がった、ほんのり群像劇テイストな短編集でしたが、
    辛口ながらもバッサバッサと軽妙なリズムで突き進み、
    時折ブラックな笑いに誘われる、奇想と現実のスクランブル。
    しっかりと長編を読み終えたかのような満足感が残りました。
    装丁も素敵。

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    2013年03月10日
  • 世界が終わるわけではなく

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    ――世界が終わるわけではなく
    タイトルに惹かれて購入。すばらしい世界観。

    毎日をひたすら生きてみたりちょっと息抜きしてみたりときに逃げたくなったりこもりたくなったりそんな日常を私たちがもし、ありのまま受け入れたなら。

    舌にのせるとさながら美しく光り輝くドロップはたまた宝石のような美しい言葉たちに魅了される、ありそうでなく、なさそうである、現実それとも夢なのか、そんな細長い境界線の上を驚くほど華麗にバランスをとりながら読者を惹きこみ魅了する、ナンセンスコメディもしくはナンセンスメルヘン。くせになるちょっとたまらない本でした。

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    2013年01月19日
  • 世界が終わるわけではなく

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    12 の作品からなる短編集。
    各編のゆるいリンク、不安定感?、不確実性?が、
    ちょっとタマラナイです。

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    2013年01月13日
  • 世界が終わるわけではなく

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    どこかシュールで幻想的な奇譚集…とでも言うのが適切だろうか。
    12の短編で構成され、各話はどれも割と近所で起こっているのか、場所や登場人物が少しずつ共有されている。

    話としては、どれも概ね現実的な世界を舞台にしているのだが、そのすぐ裏面にシュールレアリスティックな、あるいは幻視の中の世界がぴたりと貼り付いていて、しばしば時空の裂け目から登場人物たちのいる世界に侵入してくる。そんな具合だ。
    短編によってはその異常に困惑する人物もいれば、なぜだかそれを全く意に介さずのほほんとお喋りを続ける人たちもいる。
    そのような現実だか非現実だか分からない世界で繰り広げられる、やたらに饒舌な登場人物たちのお話

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    2025年12月10日
  • ライフ・アフター・ライフ

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    難しかった。主人公はアーシュラ。でも私がミドルネームを知ったのは最後の方。ラストネームもいまいちわかってなくて、トッドって誰?と最初の方思ってました。内容はアーシュラが死ぬ度に元にもどって人生をやり直すのですが、死の記憶が強い胸騒ぎや既視感で完全ではないため、主のルートというのが無いんです。なんだか並行世界の話に次々飛んでるような感じ。そして話は急に数年飛んだり戻ったりして、知らない登場人物が突然出てきて、誰コレ?となって、グッと我慢して読み進めると誰か分かるといった感じ。やり直しの人生も同じルートを何回かやったりするので、前回どうだったか分からなくなったり、私の記憶力もひどいので、本当に読み

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    2024年05月05日
  • ライフ・アフター・ライフ

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    一人の人間(1910年生まれ女)が何度も死んで何度も生き返って人生をやり直すパターンの連続。よくあるドラマとかの展開では「前回までの失敗した記憶はそのままに時間だけリセット」という、いわゆるゲームのリセットボタン形式ではなく、ただただ淡々と産まれ、いろんな理由で死んで、また初めから生まれて生きるというパラレルワールド形式でした。これを他の作家がやったら、とんでもなく緞帳に退屈で脳味噌沸騰しそうだが、この作家の場合、独特に洗練されていて、全然イライラしなかった。

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    2022年07月25日
  • 世界が終わるわけではなく

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    時系列は異なるが、緩やかに繋がりのある世界を舞台にした十二の短篇集です。

    内容は、言葉遊びから、家族ドラマ、バディもの、ホラー、SF等々、多種多様となっており、更には、それぞれの物語がひと癖ある展開で楽しめましたが、個人的にはやや引き気味の視点が多かったのが気になり、物語の好き嫌いもありました。

    それでもタイトルについては、どんな事象が起ころうとも世の中は続いていくし、輪廻転生や、夢についてのポウの言葉を引用していることから、魂の普遍性や現実世界の儚さを感じ取ることにより、ちっぽけなひとりの人間の存在を感じ取れた事で、ある意味、気楽になれた自分もいました。

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    2021年02月01日