ケイト・アトキンソンのレビュー一覧

  • 世界が終わるわけではなく

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    懲りにこった謎解きや何重にも絡む人間関係の複雑さを売りにし、結局読書を終えた後には疲労感と確かに読んだという記憶しか残らない本が多い中、風のようにさっとやってきて印象に残る本書は良かった。もったいつけずに言いたいことだけ書きました、って感じで清々しい。話の内容は単純で理解しやすく、故に文筆力が試されるような内容。探偵のやつはいまいち未消化だったが、こういう短編集なら何冊でも読みたい。ちょっと男性描写が辛辣な感じがする。

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    2019年01月27日
  • 世界が終わるわけではなく

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    短編12作。ジャケ&タイトル買い。
    その物語は、確かに着地したけれど、どこへ弾んで飛んでいくのかわからない楕円のボールのよう。いわゆる方向性はこの多面的(ひょっとしたら円形)な世界には通用しない。段々その不確実さに慣れ、安定を伴い面白さが沸々とわいてくる。
    どこがどう面白いかはわからないけれど、気が付いたら読み終えている。

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    2014年01月28日
  • 世界が終わるわけではなく

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    シュールという表現がピッタリなゆるく繋がった連作短編集。
    神話や古典ネタがたくさん出てくるけど、西洋の方は普通にこういう知識を持っていて、この手のネタを楽しんでいるのだろうか。
    これが日本verだったら、私はちんぷんかんぷんな気がするのです。
    (ラッキーなことに、ギリシャ神話やヒンズー神話、エジプト神話や千夜一夜物語にもひととおり目を通したことがあるので、おぼろげにわかったつもりになれたけど)

    まぁ、でも、あまり好きな感じの作品ではないかも。
    表紙の猫様に釣られました。

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    2013年05月18日
  • 世界が終わるわけではなく

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    「奇想小説」の部類に入るんだろうが、読み心地は悪くなく、短いお話同士のゆるやかなつながりを楽しんだ。エキゾチックで、少し残酷で、これもまた「千夜一夜物語」に連なる語りといえる。

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    2013年03月18日
  • 世界が終わるわけではなく

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    現実と非現実が交錯する短篇集。
    それぞれの短篇のひそやかなつながりも心地いい。
    ファンタスティックなのに、妙にリアルで身近な感情が描かれているように思う。各短篇の冒頭に捧げられた、オウィディウスや聖書などからの引用もいいし、全体にヨーロッパ的な香りがあるように思う。
    「テロメア」、「大いなる無駄」、「忘れ形見」が心に残った。

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    2013年02月04日
  • 世界が終わるわけではなく

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    ゆるくつながる12の短編。
    洋酒の利いた高級チョコレートの詰め合わせを一箱食べたような読後感。
    ごちそうさまでした。

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    2013年01月27日