西岡文彦のレビュー一覧

  • ビジネス戦略から読む美術史(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    西洋絵画の裏歴史というべきか、画家や作品ではなく世界史から絵画の道具、さらには政治やビジネス戦略から絵画を見るとこうも切り口が出てくるのか、とワクワクした一冊です。

    元々は宗教画など崇高で神聖なものとされた絵画は、宗教改革や偶像崇拝の禁止の影響で大口取引だった教会や聖職者を失い、あらたな消費者として市民へ間口へ広げていった。一方で富豪のメディチ家は自身のもうけによる罪から逃れるために、芸術への支援を行いそれが現在のアートにもつながった。

    こうした歴史背景から絵画がどのように利用されていったか、続く章で考察されていきます。

    絵を描くためのキャンバスの誕生が芸術に与えた影響。
    ナポレオンの芸

    0
    2022年05月14日
  • 恋愛美術館

    Posted by ブクログ

    絵画、彫刻の「恋愛にまつわる物語」をまとめた一冊。

    恋愛を描いた名画の物語もあれば、名画を描いた画家自身の物語も。

    著者の西岡文彦さんは、版画家、多摩美術大学の教授でもあり、沢山の美術本を書かれている方。
    また、『日曜美術館』、『世界一受けたい授業』、『芸術に恋して』、『誰でもピカソ』、『タモリ倶楽部』等、様々なテレビ番組も手がけているようです。

    西岡さんの本を読むのは二冊目。文体としては、中野京子さんに比べると真面目な印象だけど、主観をあまり入れないので、俯瞰で美術の世界を見ることが出来る。
    だからといって堅すぎもなく、バランスが絶妙です。

    収録作品は、モディリアーニを最後まで献身的

    0
    2022年03月31日
  • ビジネス戦略から読む美術史(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    絵画と歴史や経済の流れで見る、というのはあまり経験がなく、とても面白く読めた。
    ただ文章がややくどいかな…。

    0
    2022年02月08日
  • ビジネス戦略から読む美術史(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    【ビジネス戦略から読む美術史】 西岡 文彦 著

     編集者が付けたタイトルと思いますが、内容からすれば「西洋史における美術」という感じです。

     プロテスタントが偶像崇拝を禁じたことから商業絵画がオランダで開花。当時、「家政は国政の礎」とされて、家政婦の社会的位置づけは高く、フェルメールが「牛乳を注ぐ女(家政婦)」を描いて、パン屋の広告に使われたという話から、ダ・ヴィンチ、ナポレオンなどの史実を踏まえて、19世紀ころまでの西洋史(+米国史)を新書サイズに一気に書き上げた内容になっています。

    読んでいるうちに、「これ、歴史の本じゃないの?」と思うときもままあり、金利の話やそれによるユダヤの位置

    0
    2021年09月21日
  • ビジネス戦略から読む美術史(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    多摩美術大学教授で、テレビの美術系番組の企画も行う著者による、ビジネスの視点に立った美術史。西洋絵画を主体に、単に画家や美術作品そのものを評価するのではなく、ビジネスの視点から画家やそのオーナーなどが成功を収め、需要に応えることによって宗教画や自画像、印象派の絵画へと移っていったことを説明している。フェルメールもレオナルド・ダ・ヴィンチもレンブラントもビジネス的に上手く時代にはまったからこそ、現在でも高価な値がつく作品を残せたことに納得した。美術には素人である私でも興味深く読み進められた。勉強になった。

    「フェルメールのように無名の少女や家政婦を主人公にした絵は、宗教改革が宗教絵画を禁止した

    0
    2021年08月14日
  • ビジネス戦略から読む美術史(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    全く気が付かなかった、芸術作品が商品であり、印象派はアメリカの新興富裕層によって爆買いされていたんですね。

    0
    2021年08月08日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

     先日、西岡 文彦 氏 による「ピカソは本当に偉いのか?」を読み終えました。
     「ピカソの絵って、どこがスゴイの?」、初めてピカソを観た多くの人が抱く疑問です。私もその一人でした。
     著者の西岡氏は、本書で、「ピカソとその作品にまつわる素朴な疑問」に答えていきます。
     著者によると、ピカソの絵はピカソ以前の審美的基準でみると「美しくない」、しかし、誰も真似することができないほど、ピカソの画力は「驚異的に上手い」のだそうです。ともかく、ピカソはもとより、美術界にの歴史についての興味深い論考が山盛りの著作です。

    0
    2015年08月01日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

    絵画ビジネスのバブルという背景。ピカソの英才教育でのデッサン力、破壊性、異常な人格、そこから出来上がる前衛作品。いろんなことがその時代にマッチして大成功したという感じか。

    あまり興味がなかった美術の歴史やピカソについていろいろわかって面白かった。

    ピカソの絵を自分でも描けると思う人がいるって驚き。私は美術に詳しくないし、わからないけど、あれを見たことのない時に描けるのかと言われたら描けるわけない。
    でも、この絵がなんでこんな高価なの?とか、中にはどこがいいんだろう?と思う絵もある。
    自分は飾りたい?いや飾りたいとは思わない。

    今日でいう芸術家は工事と同じで安い給料で働いていた。19世紀末

    0
    2015年07月06日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

    いかにしてピカソが芸術家として富と名声を獲得したか。
    説得力があって面白かった。
    しかし、この本を読んで、ピカソの作品を「あんなヘタクソな絵が・・・」と思っている人も少なからずいることを知り、逆に驚いた。
    個人的にはピカソの卓越した造形能力を疑ったことが全くなかったからだ。
    しかし・・。
    ピカソという人は自分の描いたモチーフが何であれ親密な暖かい愛情関係を持つことはなかったかもしれない。
    ピカソは果して画家として幸せだったのかな?

    0
    2014年05月28日
  • 恋愛美術館

    Posted by ブクログ

    プロテスタントの隆盛が、キリスト教の肖像画や人物画を禁止したことにより、風景画や静物画が始まり、先行するオランダの風景画に憧れて、初期のフランスの風景画は、モンマルトルの風車を描いたものが多いなど、恋愛以外にも、興味深いエピソードが満載で楽しい。もちろん、芸術家たちの激しい恋愛話は読み応え十分。芸術家毎に各編がまとめられているが、カミーユ・クローデルの彫刻が、ジェロームの「ピグマリオンとガラテア」に影響を与えたのではなど、編間のつながりもあり、絵画や彫刻の鑑賞が、更に楽しく感じられる。

    0
    2014年01月14日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

    伝統的基準では美しくないが、驚異的に上手い。美術館に入ることを目的に制作された近代以降の絵画では、価値は「自分語り」「前衛」に変わり、圧倒的なまでに突出した存在だった。

    ピカソの読み解き方がよく理解できました。役に立たない、美術館がゴール、というのもなるほどです。

    0
    2014年03月17日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

    ほとんどの人が思ったことがあるだろう「ピカソの絵は本当に凄いのか?」をうまく説明してくれている。
    狂人ピカソ、絶対に共感できない。
    でもピカソは素晴らしい。「パイプを持つ少年」は恐ろしいほどにリアル。これだけでも初心者の私にもピカソの絵画の才能が分かった。

    その絵が描かれた時代の時代背景も密接に関係していることが分かった。
    時代背景以外にも、ピカソ以外の画家も一緒に紹介してくれ、初心者の僕にとっては勉強になる本になった。

    個人的には、モネの絵が好き

    0
    2013年10月12日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

    芸術家、美術大学教授の筆者が、誰もが思うであろう、ピカソの絵の法外な価格や、その芸術的評価の理由について、ピカソの天才性や、芸術というものの成り立ちなどの観点から教えてくれる。

    美術になど全く興味がない自分には、ピカソを始めとした現代芸術の絵というのに、100億という値が付くというのがまず驚き。
    そして、ピカソ自身生涯で14万点という作品を制作しており、総資産は7000億を超えるとか。
    まさに王。
    ピカソがそんな圧倒的な存在だとは、ちょっと想像を絶していた。

    現代の美術というものは実用性を徹底的に排し、絵そのものに絵を語らせることに主眼をおいており、革新的な理論を乗せた学者の論文のようなも

    0
    2013年10月10日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

    美術の基本的なことから、ピカソの人柄まで分かる、易しい本だった。
    美術史についても、ピカソを軸に学べるので分かりやすく、いい勉強になった。
    美術について殆ど何も知らない人を想定して書かれているので、入門書としてもおすすめ。
    ピカソ晩年の自画像、芸術と人生を考えさせられる。

    0
    2013年10月02日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

    題に魅かれて軽い気持ちで読んだが、美術史を俯瞰する視点でピカソを捉えた油断できない評論だった。フランス革命の後、印象派が出てくるあたりの絵画が新興勢力の市民に支えられた芸術になっていく過程からピカソに至るまでを簡潔に論述している。印象や感情による解説を極力排除し、当時の世相や風俗、個々の画家の手法などを中心にした解説は絵画の門外漢にはとてもわかりやすい。コードチェンジとかモード奏法とかを具体的に説明する菊地成孔のジャズ評論と同様に感心し、ピカソの革新性と商業性にマイルス・デイビスを思い浮かべた。

    0
    2013年09月24日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

    芸術って、どこか不思議な世界。数学や物理のように明確に説明できるわけじゃないだけに、理解出来ないことも多い。かといって「わかんない」とも言い難いシーンもあったりするので、つい「天才のすることは私のような凡人には理解不能」と、自分を卑下して終わりにしてしまうという経験をしたことのある人も、少なくないだろうと思う。

    ピカソのキュビスムも、その際たるもののひとつ。しかもその理解し難い作品に途轍もない高値がつけられているのだから、余計にわけがわからなくなる。

    正直、私にとってピカソやブラックのキュビスムは、中学の頃にはトラウマでもあった。セザンヌやゴッホは私に安らぎをくれるのに、ピカソのキュビスム

    0
    2013年07月23日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

    先日、著者がラジオで話しているのを聴いてとても感銘を受けたので。ピカソの絵を前にして「よくわからない」「こんなのは自分でも描けるよ」とやり取りを交わし揶揄する反面、これが理解できない自分はおかしいのか?と思うこともあった。でも自分が感じた「美しい」が美しいでいいという事。フッと軽くなった。ピカソは写実の絵ももの凄く上手いということ。そして破天荒な生涯。そういう人物だからこそあのような爆発した絵が評価されるのだと。破壊の創造、ピカソの見方が変わった。読後にピカソの絵を観ても「なんじゃこりゃ」なんだけど。

    0
    2013年04月08日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

    自分がピカソの絵を見ても、美しいとも、感じるものが何もなかったのは、ごく普通人の感覚として問題なかったようです。
    誰にも真似できない、驚異的な上手さはあるようですが、普通人からすれば、猫に小判、豚に真珠のお話でした。


    現代美術の摩訶不思議なからくり。要するに、ピカソは「絵画バブルの父」だった、ということらしい。

    やはり、自分には、ダ・ヴィンチやミケランジェロのような、芸術以前の時代に作られた作品が合っているようだ。


    (2013/2/9)

    0
    2013年02月23日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

    「安住紳一郎の日曜天国」に著者がゲスト出演していたのがきっかけで手に取った一冊。
    教会や王侯貴族のためのものだった絵画が、市民革命と美術館の登場によって「芸術」となっていった過程をわかりやすく説明している。
    その結果、ピカソの「アヴィニョンの娘たち」のような「訳の分からない」作品が成立するに至ったか、時代背景やピカソの人生に沿って論じられている。
    新書だから仕方がないのかもしれないが、図版があるともっとイメージがつかみやすいと思う。それにしてもピカソの私生活はヒドすぎる。。。

    0
    2013年01月29日
  • ピカソは本当に偉いのか?

    Posted by ブクログ

    ピカソの人となりと、ピカソが評価されるに至るまでの美術史についても書かれている。読み物としても、美術史や現代美術入門書としてもいい本だった。
    印象は→キュビスムと来てピカソがあるということは美術史で習っていて基礎知識は多少あるけど、交友関係とか画商とのことも含めて書いてあるから、理解が進む気がする。

    ピカソは時代を捉えた前衛的なカリスマだけど、やっぱり天才ってどっか狂ってるんだなあと。

    美術関係のことを考えるといつも行き着くのは、美術館の高尚な美よりも、用途や使いやすさ、日常の中の美しさを求めるデザインや工芸のほうが私には合ってるわ。

    0
    2013年01月28日