日比野コレコのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
大好き!大好き!大好き!
オモコロチャンネルで紹介されてたから読んだけどドンピシャで大好きな作品だった。
うねるように次々登場するパンチラインの数々、どれも好きすぎて悶えた。
生きたいとか死にたいとか愛するとか信じるとか殺すとか色んな感情が心の中で日々渦巻く中で人と関わり合うことで生まれる感情の矢印を追うことに億劫になって自分から自分に向ける矢印が死にたい、しかなくなってしまう私はナナや静やビルEの存在に痛いほど勝手に共感したし救われた。
惰性でも結局生きるしかなくて私にとっての地獄は他人にとってはどうでも良くて。
道化を演じ続けるナナの切実さも分かるし自己肯定感の低さが原因なのかは分から -
Posted by ブクログ
ネタバレ衝撃的な作品だった。
薗やハグ、ひろめぐたち「とび商」は、「かいぶつ」と呼ばれる時計台のまわりで商売をしており、薗は異食、ひろめぐは軟派、ハグはフリーハグをしていた。
爆発を待つ時計台は薗たちの気持ちを表しているようで、気持ちがいつ爆発するか分からない危うさを感じた。
.
「痩せたらなにもかもが変わる!」
美容外科に飾られたそんな広告をきっかけに、薗はダイエットをして痩せ、異食をするようになった。
口にするものが「食べ物」であればあるほど食べられず、「食べ物ではないもの」であれば食べられる。
特に花の雄蕊と雌蕊を好んで食べる描写が強く印象に残っている。
そんな薗の行為は異様で考えられない -
ネタバレ
最後まで食えば美味しくなってる
そういう料理みたいに読んだ後は魅了された。
私は全然登場人物に共感もしなければ同情もしなかった。それはいい意味で文体や言葉選びに集中できたからだろうと思う。
内容としては最初のページから生々しくて、重苦しくて、青臭くて、重たいようなこの本のことを最後まで読めるか不安だった。でも私は自分が終えた学生時代というものを濾過して、美化をしていたことに気づかされた。人生は思ったより汚くて、学生時代だって信じられないほどグロテスクな人間関係があって、自分は何を平気なふりをして生きてるんだと震えた。無料の同人エロ漫画を読み漁って夜を更かして、女だって全然そうでもいいだろと正気になった。
-
Posted by ブクログ
色彩豊かな言葉が乱立していて、初めて小説を読んで、酔いました。でも、この酔い方は、中毒性があって、文学の新たな形なんだと、あらためて感じました。この作品の中心になるのが、ナナ、静、ビルEの3人の高校生の日々の生きづらさ、思春期という、一番憂鬱になる時期をリズミカルな文体で描いてる作品です。一つ一つの文章が、ラップのリリックみたいで、頭に残りやすい印象でした。
最近の若者という言葉で、一括りにしたくないが、最近の若者の感受性はとっても繊細で、ナイーブで、脆くなりやすいんだなと、客観的に見てそう感じました。言葉って大事だなと再認識しました。
第59回文藝賞受賞作。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ内容の理解はしきれないが多々挟まれるパンチラインがすごい 詩か?
「たったひとりで、八十七年を生き切ることはできるか。涙を誰かの服に渡さず諦めを言葉尻から滲ませず、怒りを下唇に預けて固執を左心室にあつめて、たったひとりで駆け抜けるように生き抜くことが。わたしにはそれが、わたしにはそれがどうしてもできない。」
恋愛ものってあんまりピンとこないことが多いけどこの作品は好きだった 恋愛さえすれば救われるとか相手が救ってくれるとか、そういう話ではないからかも
トイレットペーパー巻きはじめたシーンで、あとの展開の想像はついたけど水鉄砲じゃないものを使うんじゃないかと勝手に危惧して自分にいやけがさした ど