日比野コレコのレビュー一覧
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ネタバレ内容の理解はしきれないが多々挟まれるパンチラインがすごい 詩か?
「たったひとりで、八十七年を生き切ることはできるか。涙を誰かの服に渡さず諦めを言葉尻から滲ませず、怒りを下唇に預けて固執を左心室にあつめて、たったひとりで駆け抜けるように生き抜くことが。わたしにはそれが、わたしにはそれがどうしてもできない。」
恋愛ものってあんまりピンとこないことが多いけどこの作品は好きだった 恋愛さえすれば救われるとか相手が救ってくれるとか、そういう話ではないからかも
トイレットペーパー巻きはじめたシーンで、あとの展開の想像はついたけど水鉄砲じゃないものを使うんじゃないかと勝手に危惧して自分にいやけがさした ど -
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ネタバレすごいものを読んでしまった!!という感覚。今までに体験したことないような読書体験だった。
まさにパンチラインの連続。時折心にクリーンヒットする。ぐわぐわと揺さぶられて、共感できてしまうことが苦しくて、フラッシュバックのような感覚もあった。車のナンバーの描写は私自身の経験とも重なって苦しかった。でも文章は読みやすく、淡々と進む。スラスラと読み進み、一気読みだった。主人公達が高校生というのも良いなと個人的には感じた。他の作品をオマージュした文章が多く、文章を楽しむことも出来る作品でもある。暗いものを抱えた主人公達だが、読後感もさっぱりとした気持ちだった。
『育ててくれて超ありがとう。でも、私と -
Posted by ブクログ
ネタバレ書き出しの「異食の道化師」で「誤植かよ」と思ったが、間違いではなかった。普通の食物を食べられない薗(その)は、時計台で異食を見せ物にしていた。その時計台の側には池があり、飛び込めばどこかにある“出口”にいけるという。薗はフリーハグをする女性のハグと知り合う。薗は花の雌蕊が好物で、雄蕊を陽根、雌蕊を陽蕊と呼んでいる。これは性器のメタファーとなっている。ハグの陽蕊が軟派師の弘愛(ひろめぐ)の陽根に侵害され、ハグと弘愛は池に飛び込む。残された薗は···。生と死と再生(輪廻)を感じさせる時計台。薗はどのような状態になるのか想像するのが読みどころなのかなあ、と正解のない読解をしてみた。
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Posted by ブクログ
著者は、2003年生まれの大阪の女の子らしい。文体が、数珠繋ぎのようにつながって異様な世界を生み出す。主人公は、薗というこだわりを持った女の子である。なんとなく、大阪万博のマスコット、ミャクミャクをイメージする。ミャクミャクは、「脈々と受け継がれてきた人間のDNAや知恵や技術、歴史や文化を未来に受け継ぐ」といった意味を込めて「脈々=ミャクミャク」と名付けられた。読んでいると薗がミャクミャクに見える。様々な言葉が、文章の中に転がっている。無造作な言葉たちが漂う。それが文学だと錯覚しているように。その転がっている言葉を食べていくような錯覚に陥る。
薗という存在も、どんなことがあっても生き抜 -
Posted by ブクログ
面白かった。
配信者の方が薦めていたことから読んでみた。
パンチラインと評されるそれぞれの表現は、このようなものを書けるひとはいるよね、という印象。短文SNSで日々、名も知らぬ一般人が名言を生み出す世の中では。
我々は、140字の中で足し引きし、主述をぶっ飛ばし、語尾で畳み掛け、書き言葉と話し言葉のバランスをせめぎ合い、最も良い語を最も良い順番で並べるための、特殊な訓練を受けてきた。
作者はもう一つ二つ若い世代のはずだが、どこでそれをやってきたのかしら。
というわけで、言葉遣いが巧みですね!という点よりは、捻れたままのそれらを積み重ねて、全体で像を形づくれる方に技量を感じた。
狂気と正