日比野コレコのレビュー一覧

  • モモ100%

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    好みが別れる作品。

    好みが別れる部分として考えられるのは、
    独特の例えや、つらつらと流れる必要か必要じゃないかがギリギリのラインの文章の多さ。

    例え話が多すぎるゆえに話の脱線に見られたり、没入感が得られにくいという点も多々あると思う。

    ただ例え話のどれもが、唯一無二の言い回しが多く、一つ一つの着眼点が素敵で個人的にはとても好き。

    場面が突然変わることが多いので、登場人物のその後などが捉えずらい。
    もっと知りたかったなと思う。

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    2025年03月16日
  • ビューティフルからビューティフルへ

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    青年期にしか味わえない青さ苦しさエモさイタさがヒシヒシと伝わってくるような。不安定で絶望的なパンクビューティーがリズム感のある文に凝縮されていて一気読み。野狐禅やブルーハーツを筆頭に有名曲やその他小説の一節が出てくるのも、自分の青春時代を思い起こせて読んでて楽しかった。この本、トー横周辺で布教したい。
    そして、町田康さんの帯コメントは納得でした。
    ー極度な自己否定を極度の自己肯定に反転させ、その両極を繋げることによって、束の間、魂を生き延びさせる、その方法を描いた小説である。

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    2025年03月07日
  • ビューティフルからビューティフルへ

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    アニメや漫画を用いた比喩やちりばめられた言葉遊びが面白かった。「死にたい」を抱えて生きるヤケクソ感が好きだった。「死にたさ」を重く捉えず綴った小説が珍しかったからすごく気に入った!!
    笑顔は感情の終着点で希望はコートのように羽織るもので人生は死ぬための準備だという言葉に共感しつた。ナナが言っていた希死念慮には負けたことがないというのは私も同じだなと思った。
    青春の裏側感にワクワクしながら読めた作品。

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    2023年12月30日
  • モモ100%

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    フレッシュさと爆発的な感性によって、スピード感があって「速い」という印象を受けた。繊細で美しい表現、というベクトルではないから好きではない人は一定数いると思うけど著者と同年代の自分からすれば、自分にはできないような比喩ばかりで感嘆した。彩度が高く、また一貫して詩のようだった。オススメ

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    2023年12月05日
  • モモ100%

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    恋バナしとけば誰とでも盛り上がれるから、モモの戦略的に恋愛する姿勢分かるなと思った。選ぶ相手が誰でもいいのは訳分かんないけど。


    衛生的に無理なシーンあり。あと、若い人が書いたもの、ジジババが自分の感性に合ってないからってサブカルって呼ぶの大嫌い。どんなカルチャーもその人にとっては人生そのものかもしれないのに、なんで端っこに追いやる言い方なんだろう

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    2023年12月05日
  • ビューティフルからビューティフルへ

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    かなり面白かった。けど、作者の意図したことをどれだけ理解できているか自信がないのも確か。それでも溢れる比喩の波に気持ちよさを感じる。理解を超えた気持ちよさなのかも。賛否あって当然な作品。

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    2023年03月01日
  • ビューティフルからビューティフルへ

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    ネタバレ

    すごいものを読んでしまった!!という感覚。今までに体験したことないような読書体験だった。

    まさにパンチラインの連続。時折心にクリーンヒットする。ぐわぐわと揺さぶられて、共感できてしまうことが苦しくて、フラッシュバックのような感覚もあった。車のナンバーの描写は私自身の経験とも重なって苦しかった。でも文章は読みやすく、淡々と進む。スラスラと読み進み、一気読みだった。主人公達が高校生というのも良いなと個人的には感じた。他の作品をオマージュした文章が多く、文章を楽しむことも出来る作品でもある。暗いものを抱えた主人公達だが、読後感もさっぱりとした気持ちだった。

    『育ててくれて超ありがとう。でも、私と

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    2023年02月03日
  • たえまない光の足し算

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    この作品も又、社会不適合者を主役に据えたもの。
    SMAPの歌や金子みすずの詩が表すような、多様性が反映されているのかなぁ?

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    2025年11月11日
  • たえまない光の足し算

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    ディストピアの東横キッズ。前作も男の子1人と女の子2人の構成だったけど、今作も。
    今作は生々しさを封印して寓話に仕立ててたけど、
    最後は悲劇よりの希望があった。
    奇妙奇天烈な世界観だけど、言いたいことはわかる。
    言葉の扱いが面白い。

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    2025年10月02日
  • たえまない光の足し算

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    ネタバレ

    書き出しの「異食の道化師」で「誤植かよ」と思ったが、間違いではなかった。普通の食物を食べられない薗(その)は、時計台で異食を見せ物にしていた。その時計台の側には池があり、飛び込めばどこかにある“出口”にいけるという。薗はフリーハグをする女性のハグと知り合う。薗は花の雌蕊が好物で、雄蕊を陽根、雌蕊を陽蕊と呼んでいる。これは性器のメタファーとなっている。ハグの陽蕊が軟派師の弘愛(ひろめぐ)の陽根に侵害され、ハグと弘愛は池に飛び込む。残された薗は···。生と死と再生(輪廻)を感じさせる時計台。薗はどのような状態になるのか想像するのが読みどころなのかなあ、と正解のない読解をしてみた。

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    2025年08月29日
  • ビューティフルからビューティフルへ

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    ネタバレ

    ネグレクトを受けて育ったナナ、自己破滅願望がありそうな静、スネオ的ポジションで生きてこれたビルEを中心とする高校生の私小説。

    穂村弘さんが書いてある「作者以外は誰も全貌がわからない。」の通りである。
    作者が感じた、言葉にできない感情を、言葉を介して表現したらこうなったのだろう。詩的であった。
    (穂村弘さんの短歌集を見たときと同じ感覚)

    表紙のはっきりとした色使い、そして頭から青のペンキをかける描写が印象的だった。

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    2025年08月03日
  • たえまない光の足し算

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     著者は、2003年生まれの大阪の女の子らしい。文体が、数珠繋ぎのようにつながって異様な世界を生み出す。主人公は、薗というこだわりを持った女の子である。なんとなく、大阪万博のマスコット、ミャクミャクをイメージする。ミャクミャクは、「脈々と受け継がれてきた人間のDNAや知恵や技術、歴史や文化を未来に受け継ぐ」といった意味を込めて「脈々=ミャクミャク」と名付けられた。読んでいると薗がミャクミャクに見える。様々な言葉が、文章の中に転がっている。無造作な言葉たちが漂う。それが文学だと錯覚しているように。その転がっている言葉を食べていくような錯覚に陥る。
     
     薗という存在も、どんなことがあっても生き抜

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    2025年07月22日
  • たえまない光の足し算

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    初めて日比野コレコさん
    異食は馴染めなかったけど、何度か出てくる花を食べる描写が官能的で、心身の成長のアンバランスさと合わさってドキドキしてしまった
    ラスト直前のことシーンがとても美しくて心に残った分、エピローグにあたる部分が唐突にまとめに入ってる感があって、もう少し余韻を楽しみたかったな

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    2025年07月06日
  • ビューティフルからビューティフルへ

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    SNSでとある方が絶賛していたので読んでみましたが、私の感性では咀嚼しきれませんでした。言い回しや比喩の独特さで読んでいて飽きはしませんでしたが、内容の方は???という感じでした。

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    2025年05月18日
  • ビューティフルからビューティフルへ

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    パンチラインの奔流。そう書かれている通りという感じ。
    意味わかんないけど意味わかんなくない。
    一気にすべての文字が読まさる。
    大丈夫だ、高校生。世界は広いし思っているより人生は長い。

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    2025年04月19日
  • ビューティフルからビューティフルへ

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    面白かった。
    配信者の方が薦めていたことから読んでみた。

     パンチラインと評されるそれぞれの表現は、このようなものを書けるひとはいるよね、という印象。短文SNSで日々、名も知らぬ一般人が名言を生み出す世の中では。
    我々は、140字の中で足し引きし、主述をぶっ飛ばし、語尾で畳み掛け、書き言葉と話し言葉のバランスをせめぎ合い、最も良い語を最も良い順番で並べるための、特殊な訓練を受けてきた。
    作者はもう一つ二つ若い世代のはずだが、どこでそれをやってきたのかしら。

     というわけで、言葉遣いが巧みですね!という点よりは、捻れたままのそれらを積み重ねて、全体で像を形づくれる方に技量を感じた。
    狂気と正

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    2025年03月15日
  • ビューティフルからビューティフルへ

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    原宿さんの紹介で読んでみた。けっこう好き。
    裏表紙には「軽やかなことば遊び」「たたみかけるようなパンチライン」とあるけど、もっとだらだら滴るゆるんだ蛇口みたいな印象だった。
    静のターンがすごく好き。
    ビルEがダイに依存してるのはそうだけど、ダイも実は関西弁を使ってたり、ビルEを意識?している感じがなんか可愛いなーって思った。

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    2025年03月10日
  • モモ100%

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    恋愛は生きていくための道具。生き残り方だけを知っていて、生き方を知らなかった。
    10代女子の取り留めのない話し方が地の文なのに、ちゃんと純文学。

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    2024年03月16日
  • モモ100%

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    ワードセンスがすごい。内容はかなりサブカル寄り。ひとつひとつの比喩をじっくり吟味することが求められるこういう小説は割と好き。

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    2023年11月11日
  • ビューティフルからビューティフルへ

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    ネタバレ

    言葉に勢いがあり、独特で面白い小説だった。いろんな文学的技法が使われていそうだが、自分に知識がないのでうまく説明することができない。ただ、こういう表現をする小説は読んだことがなかった、とは言える。「絶望をドレスコードにして」とか、「性根の腐敗は、腐ったリンゴ方式で舌の根にまで及んでいた」とか、言葉遊び的な表現が最初から最後まで続く。間違いなくこれは自分には書けない文章なので、ただただ凄いと思う。ポンポン飛び出すフレーズのような言葉、それらを最初から最後まで盛り込んでいる。作者のコレコさんは自然とこういった文章を書ける人なんだと思うし、そういった意味ですでにご自身の作家としての個性を確立されてい

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    2023年08月22日