元キーエンスのエンジニアで、現在は独立して経営戦略コンサルティングを行っている著者による「付加価値」の創り方に焦点を当てたビジネス本。
「付加価値」の解像度を上げて、それを創出するためにはどのようにすれば良いのか?が主な内容となっている。
「付加価値」=「お客様のニーズ」−「原価」 で表すことができる。
この「お客様のニーズ」には、顕在化しているニーズと、まだお客様自身も気づいていない潜在ニーズが存在する。
キーエンスは、徹底的なお客様へのヒアリングによってこの潜在ニーズを他社よりも深く・広く拾うことができている。そしてそのニーズをカスタムではなく、一定汎用的な製品として共通化している。故に原価を抑えることができ、結果的に高い収益性を維持している。
ここで重要なのは、「お客様のニーズ」を超えた機能は付加価値にならないということである。価値としてお客様に認められない以上、対価を受け取ることはできず、それは「ムダ」である。
ここに日本メーカが陥りがちなオーバースペック、過剰品質による収益性悪化という要因がある。キーエンスは開発前段階の深いマーケティングにより、こうした技術の独りよがりを排除できている。
以上が、本書のざっくりとした要約である。
ほとんどの文章が、「キーエンスでは、、、」から始まるので、「じゃああなた自身の価値は何なの?」と著者につっこみたくところではあるが、それほどまでにキーエンスという企業の仕組みが優れているということかもしれない。
また、その仕組みを言語化して、本書のように広く伝えているところに著者の価値はあると思う。
本題以外にも、キーエンスのカンパニー・カルチャーにも触れられており、その内容も勉強になった。