真門浩平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
双子の小学生のロジカルぶりに驚愕! 二重三重にも展開される濃密ミステリ #バイバイ、サンタクロース
■きっと読みたくなるレビュー
双子の小学生である圭司と有人が中心となり、学校の友人たちと日常の謎や事件を解決していく連作短編集。学園モノのふんわりとしたミステリーと思いきや、ロジックガチガチの超本格モノです。
館、密室、死体消失、ダイイングメッセージ、雪の足跡など、ミステリー好きが泣いて喜ぶ素材もたっぷり。特に双子の主人公の議論のやり取りは、多重推理を思わせるほどの論理展開です。
謎解き以外では、やはりキャラクターが推しどころ。小学生とは全く思えないほどの推理がエグいんですが、性格や特徴が違うところが面白いところなんです。特に最終話のプロットは想像以上だったし、作家先生のチャレンジ精神を感じました。
まだ20代前半の若手先生で、これだけの作品を書かれると、今後も期待せずにはいられませんね。
●最後の数千葉
入院している同級生、病気を不安に思う彼女とクラスメイト達の物語。
日常の謎ミステリーで、ありがちなストーリーかと思いきや、ガッツリ本格です。ロジカルな圭司と、人の行動心理の洞察が深い有人、この二人の特徴がめっちゃでてる!
●消えたペガサスの謎
教室から消えたフィギュア、転校生の犯行と思われるが果たして…
ロジックも凄いけど、短編なのにこのレベルで物語を成立させますか。ちょっとスゴイ。転校生が男前すぎてカッコイイですね~、私もこんな小学生だったらモテてただろうな。
●サンタクロースのいる世界
サンタクロースの存在証明と雪の足跡の謎。
物語は一気にリアルな殺人事件になってくる。雪の足跡トリックは、これまで様々なパターンがありましたが、本作は目から鱗でしたね。そして小学生とは思えない圭司のセリフにひっくり返りました。
●黒い密室
館ものミステリー、元サッカー部メンバーとマネージャーたちが久しぶりに会って…
結構無茶なことになりますが、発想力に感服しました。伏線もしっかりしてるし、ヤラレタ感が満載。
●誰が金魚を殺したのか
理科室で起こった出来事、死体消失の謎が解けるか?
おもろいけど、これも結構無茶なことになります。読んで驚いてください。有人の優しさに、少しだけ救われる作品でした。
●ダイイングメッセージ
最終話、これまで以上に無茶なことになります。相変わらず謎解きは面白い。詳しく書けないので、ぜひ読んで欲しいのですが、今まで何を読んできたのか迷子になること請け合いです。
■ぜっさん推しポイント
本作のイチ推しポイントは、プロット、条件設定、トリックの発想が新しい点なんです。古き良き本格ミステリーの題材を用いつつも、スパっとこんな短編つくりましたけど。てなかんじで、提示されるんですよね。特に最後2作はプロットは、想像の斜め上を行ってて痺れました。
この発想力と論理展開を読むと、いつか本格ミステリーでTOPをとるのではないかと思えてなりません。次回作も楽しみに待っています~ -
Posted by ブクログ
評判のいい『夢落ち』は意外性のあるトリックにトンデモ動機×2、タイトル回収まで揃った完璧な傑作短編じゃないすかね。こいつ1つだけでも読む価値大いにあり。
次点で『悲運の死』。兄の死をきっかけに陰謀論やカルト宗教に傾倒する母と妹が探偵役となり、奇想天外な推理合戦をするというだけで面白い。『天森町』も雨の止まない町という特殊条件を活かしたロジックが心地よい。最初と最後の他愛もない短編は、自分には眩しすぎて直視できん。ただ、ネックウォーマーとショルダーバッグ、イヤホンの位置から過去の行動を推理するってのは斬新で日常生活に応用できそうだな。
知らない間に恐ろしいほど"ホンカク"の才に溢れる超若手作家、それも独特の切り口が武器のロジック派が出てきていたようだ…短編の中でも長めの2つの出来がいいので、本格長編にも期待大。 -
Posted by ブクログ
真門浩平さん初読みです。「ミステリーズ!新人賞」受賞作に書き下ろし4編を加えた、5編の(連作ではない)独立した短編集です。5編の中に表題作はなく、タイトルの意味が気になります。
短編だけに、ミステリーの要である解決シーンが直ぐにやってくるのを、不満と取るか魅力と取るかは好みの問題でしょう。こじんまりまとまっている感じは否めませんが、構成や展開が巧妙で、極力無駄を削ぎ落とした筆致という印象です。
また独立した5編とも、主たる謎解きと別に一捻りの工夫があり、その多彩な設定を準備した著者の多才さに、今後への期待が高まる気がしました。個人的には、冒頭の1編「街頭インタビュー」の多重解決が一番好みでした。
著者自身が若い世代なので尚更でしょうが、若者の失敗や苦悩の繊細な内面心理も上手く描かれています。"余さず全て解決"を目指さず、余白を残して余韻をもたせている気がしました。これは、本書タイトルの意図するところでしょうか…。
真門さんは1999年生まれで、まだ20代なんですね。連作短編集も出しているようですが、物語の設定にどっぷり浸かれる長編に、今後ぜひチャレンジしてほしいと思います。雑味があっても、よい味になっていく気がするのですが、どうでしょう? -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】
序 本格ミステリ作家クラブ会長 麻耶雄嵩
「速水士郎を追いかけて」真門浩平(『ぼくらは回収しない』所収)
「概念探偵」潮谷験
「スティームドラゴンの奇走」霞流一
「縄、綱、ロープ」青崎有吾(『有栖川有栖に捧げる七つの謎』所収)
「放送部には滅ぼせない」坪田侑也
「誰も読めない」白井智之(『もの語る一手』所収)
単行本収録の三作は既読。
鉄道物は苦手なので、「スティームドラゴンの…」は面白さがよく分からない。
「概念探偵」はシリーズ化希望。主人公のメンタルの強さが面白い。そして、まだこの手があったかという驚き。
謎解き場面の絵面を想像するとシュール。
「放送部には…」は素直な学園もの。