真門浩平のレビュー一覧
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ネタバレ【街頭インタビュー】
私には藤原さんも十分怖い人に思えたけどね。
途中でコイツ…って気付いたんだろうし。
それでも真相解明のために利用して、
解決したら相手の罪を暴露して追い詰める。
「前から苦手だった」とまで伝えて。
多方面から考えるという術を得た代わりに
彼はもう前のような観察眼を失うだろう。
それこそが復讐なのかもしれないけど。
【カエル殺し】
人生のピークとはなんなのか。
もしそこが分かったとして、その後どう生きるか。
少し前に流行った『蛙化現象』と重ねた話。
陳腐な感想だけど、
手に入れたものの大切さに気付けないといけないね。
【追想の家】
…いい。
核家族は楽だけど、やっぱりじ -
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ネタバレ【収録作品】
序 本格ミステリ作家クラブ会長 麻耶雄嵩
「速水士郎を追いかけて」真門浩平(『ぼくらは回収しない』所収)
「概念探偵」潮谷験
「スティームドラゴンの奇走」霞流一
「縄、綱、ロープ」青崎有吾(『有栖川有栖に捧げる七つの謎』所収)
「放送部には滅ぼせない」坪田侑也
「誰も読めない」白井智之(『もの語る一手』所収)
単行本収録の三作は既読。
鉄道物は苦手なので、「スティームドラゴンの…」は面白さがよく分からない。
「概念探偵」はシリーズ化希望。主人公のメンタルの強さが面白い。そして、まだこの手があったかという驚き。
謎解き場面の絵面を想像するとシュール。
「放送部には…」は素直な学園 -
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若者達が遭遇した日常の事件や殺人事件を描く、独立したミステリーの短編集。
蛙化現象やHSP等、現代的なテーマやキーワードが盛り込まれている短編も多い。
現代で話題になることが増えてきたテーマをミステリーに組み込んでいるのが印象的で、時代性を感じる面白さがあった。
またどの短編も若者達がメインの登場人物で、若さゆえの未熟さや過信、視野の狭さといった心情が丁寧に描かれていて良かった。そういった意味で、個人的には日常系の謎の物語のほうが楽しめた感覚がある。
一方で、伏線回収が好きな自分はタイトルのインパクトに惹かれたけれど、タイトルは最後の短編にのみ関わっていた印象だったため少し拍子抜けした感じも -
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2022年の「ミステリーズ新人賞」を受賞した作品を含む5つの短編集。
いわゆる日常の謎を解く作品が3つ、殺人事件が2つだけど、前者の方が圧倒的に面白い。2つの殺人事件の犯人の動機は、どちらも狂気じみて後味も悪い。
「街頭インタビュー」は、最後のとひねりが効いているし、「追想の家」は“ゾウの時間、ネズミの時間”を題材にした謎解き。
1番好きなのは、敏感すぎる高校生がその敏感さを生かして謎を解く「速水士郎を追いかけて」。対照的な性格の友達一之瀬が、士郎を理解しようとしていく姿がいい。
この作品集のタイトルが表す意味が明らかになる最後の話は、ミステリとしてはトリックはいまいちだけど、「人生の伏線は -
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ネタバレ
姉のインタビュー動画が、悪い方にバズって批判されまくった女の子に頼まれて事実を観測する。質問と回答内容を編集されていた。探偵が批判に加担してたこともわかり、気まずくなる。
漫才コンビ、苦節の果てにM1優勝するが、バラエティで苦戦。中良い先輩芸人もR1優勝。祝賀会で殺人。タバコは吸わなくてもネタ用にマッチを持っている。R1優勝の今が最高で、この後バラエティで苦戦するから、いいところで終わらせた。
死んだ祖父の家の遺品整理。昔見た本だらけの部屋。ふと、それから15年経ってるのに、変わらず本だらけなのに疑問。別の部屋に移動してた。今際の際の祖父が発した、こないだ伊集院先生から聞いた、はこないだ -
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割と雑多な印象の短編集。一応ミステリではあるけども。日常の謎だったり殺人事件だったり。さわやかな話だったりイヤミスよりだったり。
なんというか、話が薄いというか軽いというか・・あんまり好みではないかな。とにかくいろんなタイプの話があるんですが「この作家さんのこんな感じの話をもっと読みたい」とまではならなかったかな。いろんな話が書けますよというサンプル見本みたいな一冊でした。
しかし、自分を害そうとする人物から逃げて粘着テープで目張りって・・・悠長すぎませんかね。その間に犯人がボケっとまってる情景が思い浮かんでちょっと笑ってしまいました。 -
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ネタバレ『ぼくらは回収しない』というタイトル回収が素晴らしかった。
どの短編も謎の先にあるものがしっかり描かれていて心をつかまれた。『街頭インタビュー』と『ルナティック・レトリーバー』が特に好き。
『ルナティック・レトリーバー』伏線回収はミステリ好きなら憧れるが、それを逆手に取った展開が鮮やか。さらにドラマに繋がるのがとても良かった。
これまでの人生、これまで自分がやってきたことの延長線上に今がある。誰しもそう思いたい。人生に迷うのは何も就活前の若者だけではない。どんなことがあっても、たとえ挫折や涙を呑むようなことがあっても、大橋さんのセリフを思い出したい。
著者の他の作品もぜひ読んでみたい。