ピップ・ウィリアムズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「舟を編む」より昔に辞書を作った人たちの話。
女は全く数に入ってなくて、語源も女が絡むとろくな例えにならない。
それでもコツコツ頑張ってきた人たちがいるから、何とかここまでマシになってきた。とは思えない。
万国共通で爺さんてのはどこまで女をバカにする気なのかと、その辺りの意識は一ミリも進んでないのはなんで?
それでも、女たちの間でも格差はあって、リジーは最後までエズメの味方でいてくれたのが不思議。
母親みたいな気持ちでいたからなのかなあ。
権利についての闘いも、すぐ暴力に訴えようとするのは男も女も変わらないのか。野蛮な手を使う奴は、半分くらいただケンカしたいだけな気もする。
戦争で息子を亡くした母親の言葉は「指導者」みたいな奴には聞こえないんだろうな。
亡くしたのは息子だけじゃなくて、そのうち正気も失くすんだろうって。 -
Posted by ブクログ
19世紀末の英国で、オックスフォード英語辞典が作り始められました。その編集に関わる父親の仕事に興味をもったのが、幼いエズメ。女性参政権運動と第一次世界大戦がある20世紀初頭までの時代の流れのなか、言葉に向き合った彼女の生涯の物語でした。史実の中に架空のエズメを落としこむことで、読みごたえがあり、じっくりと読むのにふさわしい内容となっていました。
小さかったエズメが拾った言葉カードが全ての始まりでした。有名人や権力がある人が言った言葉だけが辞書にのせられるということのおかしさと、普段口にできないような言葉をそういうふうに思わせたのは誰なのか、ということを考えさせられたのは、初めてでした。
知らないがゆえにもたらされた結果や、女性であるがゆえの哀しさを感じる場面も多かったです。が、必ずエズメには寄り添ってくれる味方がいてよかったと思いました。
この本では、あからさまな言葉の表現もありましたが、言葉自体を考える上では必要なことだったと思いました。
『小さなことばたちの辞書』というタイトルの意味をじっくりとかみしめながら、色々と考えさせられた読書時間でした。
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Posted by ブクログ
これ今年のNo.1候補なのにつけてなかった。
19世紀後半、オックスフォード大辞典編纂という史実をテーマに、実在の学者たちの間にそのひとりの娘という架空の主人公を据えた。女性が学究の徒になることなどあり得なかった時代に、言葉を愛しその蒐集に情熱を燃やすエズメが体験する差別や弾圧は、今の時代を生きる私たちも規模は違えど覚えのあるもので胸に重い。
家族がわりの黒人使用人が自尊心を育んでいくエピソード、そしてたった一度愛し愛される人と出会えたこと…不幸の割合のほうが多かったように見えるエズメの人生だけど、これぞ天職と思うものに身を捧げられたことは、人の大きな幸せでもあるのだ。
そうそう見つからないけどね、凡人には。それでも目標としたい。 -
Posted by ブクログ
先に、ジェリコの製本職人を読み、読むことにしました。ジェリコの製本職人のほうが、私は好きでした。
史実とフィクションを取り混ぜ、その時代の空気を感じさせるとても好奇心が満たされる物語でした。
そして、時代が経っても、女性が尊重されない現実に悲しくなる思いです。
ミイベルが、魅力的に描かれていて、心に残りました。
最後に主人公の娘が、スピーチするところで終わるところも良かったです。
p231
「恐怖ってのは当たり前が苦手なのさ」メイベルが言った。「おっかねえと思ったら、普段どおりのことを考えて、普段どおりことすりゃいい。聞いてるかい?そうすりゃ恐怖は引っ込むよ」
p237
「でも、彼を愛してないの。」略
「わたし、やっと自分がわかりはじめたような気がしてるの。誰かの奥さんとか母親になることは、どうしてもわたしに合わないのよ」
これが、女の人のセリフなのが、とても素敵ですね。
p238
あなたのような身の上になることは、あなたが思うほど珍しくありません。財産ある、あるいは学問のある大勢の若いお嬢さんが、同じように不測の事態に陥ってきました。略
恥ずかしくないお仲間もいるということよ
話の中で、
女性が性を楽しむことがなぜいけないのか、
参政権がないことをなぜ不思議に思わないのか
それに気がつかないことが、とても危険だということが書いてあり、考えさせられました。
翻訳であるために、日本語にない言い回しでしたが、それがまた物語を魅力的にしていました。
翻訳もとてもよかったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ印象的だったのは 姉と妹の関係性。
そしてまわりのひとびと。
モーディには私がいなくては。
わたしが彼女でもそう思ったと思います。
彼女の面倒を見なければと思う反面、
なぜわたしが、もしモーディがいなかったら私は、でもモーディが自分から離れていくのは嫌だ。
そんな を救ってくれたのはロッタ。
最初こそあなたは私の妹のなに?と反抗的な気持ちを抱くものの、ロッタは妹はこれくらい1人でできると教えてくれた。
だからこそ彼女は受験に前向きになれのでは?
も彼女の大切な友人。
暮らしは違えど親身にしてくれて、お姉さんのような友人だなと思いました。
そしてバスティアン。
彼女を精神的に支え応援し続けてくれた。
彼は自国へ帰ってしまったけど、それで終わりではない。きっとこの物語には続きがある。
バスティアンと彼女はいつかまた出会って手を取り合うだろう、そう思えた終わり方でした。
他のキャラクターもみな濃く、生き生きとした人物だと思いました。
決して明るい話ばかりではないけれど、
その時代を生き延びている逞しさを感じた