久真瀬敏也のレビュー一覧
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ネタバレ古くから京都に伝わる、怨霊や御霊信仰、神社が災害伝承と絡みあってストーリーが進んでいき、非常に読み応えがあって面白かった。
不動産鑑定士と災害伝承研究者という珍しい組み合わせの姉弟が、専門的な知識を節々で出してくるが、大学生である主人公を挟むことによって噛み砕いた説明となって読みやすく研究の面白さを感じられることが出来た。キュウリの話も初耳でした!面白い!
特に大学教授の先生が、好きな分野になると、途端に早口になってすごい速度で深い知識を出してくることは経験があったので想像しやすかったな・・・
序盤で最上川の例えを用いて洪水対策の必要性の種をまいた後に、後半になってその洪水対策を京都の川 -
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ネタバレ想像がつかない話から始まる。
けど説明を聞いたら意味が分かって面白い。
河童の万能薬も宝の井戸もバレたらただではすまないし、悪いように言われたら終わりで。
けど、どちらもその人達のおかげで沢山助かったわけで。
良い事をいっぱい広めて良い事が増えるようにとした事が悪い事をしたのではと思われるのはどうしようもないですね。
心に余裕が無かったからしょうがないですませられない。
大変な状態の時に無条件に信じるのは難しいのかもしれないけど、もっと知ろうとかしていたら河童の万能薬の時も、宝の井戸の時も隠さずに出来たんですかね。
椎名さんが井戸に入る時の「いつかやると思ってました」は笑ってしまった。 -
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前作が面白かったので、迷わず選択。作者としてはミステリのつもりで書いているのかも知れませんが、「不動産鑑定」のために歴史的な「伝承」を活用する、という話だし、今回は特に土地の価値にフォーカスされているので、お仕事小説としてジャンル分けしてみた。
基本的なフォーマットは前作と同じ。地名のこと、寺社や祭にまつわる「解釈」の話、天下人の「土木に関する慧眼」...などなど、面白いネタをこれでもかと詰め込んであり、本作もとても楽しく読めた。惜しむらくは、登場人物のキャラがみなマンガっぽい(狙いかとは思いますが)上に、美味しんぼばりにみな物わかりが良くて(^ ^; 善人ばかり出てくるウソっぽさよ(^ ^ -
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伝承文学、妖怪などは私の好物です。
元々文学部、日本文学専攻で特に古事記、説話辺りを学んでいたのと関連して歴史や妖怪なども触っていた。
そのためこういった内容の本はかなり好き。妖怪といてば水木しげる、小説でいえば京極夏彦があがる。
京極夏彦は重厚な内容に深い専門的知識と広がっていく世界観が非常に良い。鈍器として使えると言われている京極夏彦の作品だが飽きないのはその没入感と圧倒的な知識量に飽きがこないためであろう。
閑話休題
この作品は一方読みやすく、そんなに妖怪、伝承文学などに興味がなくとも読みやすく、面白い作品なのではないかと思う。
分かりやすい所を分かりやすく説明していてストーリも分かり -
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なかなか普段接することの無い遺言書。
本作で色々読めて面白かった。
そもそも「いごんしょ」なんてところからなるほどと思った。
様々な要望を遺言書に残したい依頼者のために、脱法的な手法を使ってでも希望に100%応える弁護士が主役の本作。
脇を固めるのはそんな弁護士に憧れるパラリーガル。なかなかいいコンビ。
依頼者の要望は様々で、それにどう応えるのか。読んでいて面白い。現実性は置いておいて、作中ではなるほどと納得させられるし、万事上手く収まるのがいい。
作中の時間軸での過去にも色あったようだし、シリーズ化されて次作以降を期待したい。
それくらい面白かったです。 -
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第4弾
イケメンの言うことには、説得力あるか…
隠れファン多そうな桜咲竜司准教授。
妖怪防災学を担当!
災害伝承と妖怪を結び付ける。
災害伝承とは、過去に発生した災害の記録や教訓を後世に伝えること。文章や絵画、民話やことわざ、石碑やモニュメントなど、さまざまな形で伝承される。
まぁ、ここでは、妖怪メイン。
禁足地(お化け出るから近づくな、神聖な場所などなど)みたいなとこは、行かないことによって、災害が起こることを防ぐ効果がみたいな。
要は「災害伝承」という観点から神話や妖怪伝承などを解釈し、「神や妖怪、怪異現象の中には、過去の災害の脅威を象徴しているものがある」として、それらの記述を将 -
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第3弾!
結構、このシリーズ好き!
伝説を伝説のままに終わらせてくれないのは寂しい気がしない訳ではないけど…
地名や伝承の中にある真実!
あくまでも、作者の考えなんかもしれんけど、説得力はある。
でも、地名とか伝承に残るって事は、何かがあるんやろな。
妖怪なりに、姿を変えて、長い年月伝わっている。
今回は、あんまり災害には、関連は薄そうな気もするけど、伝わって来た話の真実に辿り着く過程は同じか。
今回のメインは、
「河童のミイラ」
病気を治すにも、真実を話すのには…
こういう風にか出来なかったのか…
今なら問題ないにしても…
「小豆あらい」(マメちゃんとは無関係)
災害時に起こる風評被