あらすじ
「陰陽師は河童になったんです」
一見、不可思議に思われる新説を唱えるのは、民俗学者・桜咲竜司。
「災害伝承」を専門とする彼は、その知識と考察でさまざまな問題を解決する。江戸の鬼門に位置する土地を巡る、旧家の遺産相続争いの行方とは。小学生が見つけた藁人形に隠された、恐るべき真相とは? 平安の世に繁栄した陰陽師の歴史を紐解きながら、桜咲准教授の推理が冴えわたる!
感情タグBEST3
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ザシキワラシの家の仕組みがにあたたかさを感じる。
失われなくてよかった。
良い校長先生。
小学生の時には良さが分からなくても大きくなったら良い人だったなとなるような校長先生。
恋先生が本気で嘘だから問題ないと言ったのが怖い。
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今回は実際に簡単な日常ミステリー的な流れもあり、いつもどおりの伝承を解決していく話しもあり、そして、ハートフルな場面もありで楽しめました。
ラストの話しは本当なのだろうか。気になるところです。楽しかった。
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両面宿儺、京都、江戸ときて河童。民俗伝承や妖怪を土地の歴史に絡めて読み解くというのに不動産鑑定士という要素を足したのは面白い。Q.E.D.をライト文芸でやろうとしてる感じ。
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第4弾
イケメンの言うことには、説得力あるか…
隠れファン多そうな桜咲竜司准教授。
妖怪防災学を担当!
災害伝承と妖怪を結び付ける。
災害伝承とは、過去に発生した災害の記録や教訓を後世に伝えること。文章や絵画、民話やことわざ、石碑やモニュメントなど、さまざまな形で伝承される。
まぁ、ここでは、妖怪メイン。
禁足地(お化け出るから近づくな、神聖な場所などなど)みたいなとこは、行かないことによって、災害が起こることを防ぐ効果がみたいな。
要は「災害伝承」という観点から神話や妖怪伝承などを解釈し、「神や妖怪、怪異現象の中には、過去の災害の脅威を象徴しているものがある」として、それらの記述を将来の防災に役立てようとしている。
今回は、河童、座敷童子、丑の刻参り。
読んでて気になったとこ。
河童は、禁忌に触れずに働ける(土用の禁忌は、土に関する仕事はダメ、人でない、陰陽師、河童はOK)。陰陽師もしかり。
水難事故が多い場所に河童などの伝承が多いのは、そこで河川工事をする高度技術者のことを指すと。
座敷童子も繁栄する妖怪やなく、実は災害で…それを育てた家に…
恩返ししたいもんな…
「丑の刻参りは、そもそも呪いをかけるためのものではなく、願いを成就するために行われていたと言われています。藁人形に釘を刺すという行為も、身体の悪い所に潜む邪気を刺して追い払う、という病魔退散の儀式で使われていたことがあるようです。」
知らんかったわ。
今度、刺してもらおうかな(^◇^;)
話の少し内容からは、脱線してるけど。
その他、鬼、土蜘蛛も山で働く、製鉄の高度技術者だと。
昔、特殊な技術持ってると、呪いとかと間違われて、妖怪として言い伝えられるんかな…
また、お上に逆らうような人らは、妖怪やら化け物にされてそう。
こういうのを読み解くと面白そう!
災害の話より、こっちに興味持ってしまった…(^◇^;)
でも、あくまでも、この小説内の仮説です!
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陰陽師、徳川家康、天海、平将門…物語でもよく題材になる人物達を民俗学や災害伝承の観点から考察する視点がとても興味深い。旧家の遺産相続争いに絡む座敷わらしの正体や小学生が見つけた藁人形に隠された真相も面白かった。この小学校の校長先生が教育者としてしっかり筋を通せる方で本当に良かった。
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今回も民俗学の内容が楽しかった。美女木を通るたびにこの内容を思い出して知識が定着しそう!
椎名さんが周囲に気を使えるし、素敵な女性でますます好きになった。
藁人形の件は被害者の水葉ちゃんが不憫でならない。藁人形事件の犯人のせいで、被害にあった水葉ちゃんの気持ちを考えるととてもやるせなさを感じる。校長がまともなのが救いではあるが…
民俗学を学びたい気持ちが、高まっている❗️
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陰陽師、丑の刻参り、座敷童子に対する諸説に加えて日光東照宮についての考察。時代が変わり秀吉から家康へ、そして平将門との絡みや天海の隠された目的等なかなか興味深い。江戸の鬼門に位置する土地を巡るというのもいい。
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桜咲准教授の災害伝承講義シリーズ。めちゃくちゃ勉強になるこのシリーズ、陰陽師が河童?とインパクトのあるスタートに惹き込まれる。個人的に1番衝撃だったのは相続税は3,600万までは非課税ってこと。そうなん!?え、問答無用に全員かと思ってたよ。
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江戸の謎解きと日光の謎解きを同時に行った今回は、家康と将門と天海が全てに関わってきて、是非そんな視点で観光してみたくなります。
日光行きの理由である椎名の友人の娘水葉が抱えている学校での問題は「悪魔の証明」となる事案で、平安の世から1000年以上経っても変わっていないんだなぁと思います。
歴史民族談義に花を咲かせる間に強引に水葉ちゃんのフォローを取り付けている椎名さんは、素敵な女性です。
天海については徳川家に仕えた天台宗の長生きのお坊さんくらいしか知らなかったので、今回の話で垣間見える狡猾さをもう少し知りたくなりました。