あらすじ
『両面宿儺の謎』に続く桜咲准教授シリーズ第2弾!
『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ。地名や伝承から、その土地で過去にあった事件や未来に起こりうる災害を推測する「災害伝承」研究の第一人者・桜咲竜司。出張で京都を訪れた彼は、不動産鑑定士である姉・椎名からの依頼で、奇妙な土地の調査をすることになる。行方不明者が帰ってくる“神戻し”の伝承が残る産婦人科医院。過疎化したニュータウンに残された、怨霊を祀る天満宮。その地に伝わる怪異の真相を桜咲が解き明かす!
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古くから京都に伝わる、怨霊や御霊信仰、神社が災害伝承と絡みあってストーリーが進んでいき、非常に読み応えがあって面白かった。
不動産鑑定士と災害伝承研究者という珍しい組み合わせの姉弟が、専門的な知識を節々で出してくるが、大学生である主人公を挟むことによって噛み砕いた説明となって読みやすく研究の面白さを感じられることが出来た。キュウリの話も初耳でした!面白い!
特に大学教授の先生が、好きな分野になると、途端に早口になってすごい速度で深い知識を出してくることは経験があったので想像しやすかったな・・・
序盤で最上川の例えを用いて洪水対策の必要性の種をまいた後に、後半になってその洪水対策を京都の川と神社でこれでもかと見せつけてくるような描写には舌を巻かれた。京都の地図を持って川沿いの神社を巡ってみたくなるような本。
Posted by ブクログ
時々出てくるジェネレーションギャップにふふってなる。10年で大分変わりますからね。
神隠し・神戻しがあったから守られた人、育った人がいるんですね。
実態を知らなかったらとんでもない怪しい事ではと思うけど知ったらありがたい。
地面を踏み固めるためにって伝わるんじゃなくてにぎやかなのが好きで伝わってるのがいい。
後に残りやすそうな伝わり方。
Posted by ブクログ
舞台が京都!寺社の立地やお祭りについては防災の観点で考えたことがなかったから興味深かった。今回は仕事兼旅行で舞台が大学ではなかったのも楽しかった。出てきた寺社仏閣全部回りたい。
お勧めしてくれたフォロワーさんに感謝。
日本史を履修していればもっと話に入れたのだろうなと考えると日本史を履修していなかったことが悔しい。
Posted by ブクログ
前作が面白かったので、迷わず選択。作者としてはミステリのつもりで書いているのかも知れませんが、「不動産鑑定」のために歴史的な「伝承」を活用する、という話だし、今回は特に土地の価値にフォーカスされているので、お仕事小説としてジャンル分けしてみた。
基本的なフォーマットは前作と同じ。地名のこと、寺社や祭にまつわる「解釈」の話、天下人の「土木に関する慧眼」...などなど、面白いネタをこれでもかと詰め込んであり、本作もとても楽しく読めた。惜しむらくは、登場人物のキャラがみなマンガっぽい(狙いかとは思いますが)上に、美味しんぼばりにみな物わかりが良くて(^ ^; 善人ばかり出てくるウソっぽさよ(^ ^;
まぁ、それを抜きにしても、地名や伝承についてのトリビアなど、楽しく読めるのですが。ただ、本書に書いてあることは、どのくらい「本当のこと」なのだろうか...が、気になる(^ ^; 本書で得た知識を得意げに披露したら、「本作はフィクションで」の部分だったりしたら、えらい恥をかきそうな...(^ ^;
やはり得意げに話すには、自分でもっと勉強せいや、ということでしょうか(^ ^;
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自分が好きな土地、京都が舞台。
京都には多くの寺社があり、多くの祭りがある。
それができた経緯や、祀られている神々の逸話なども好きだが、この本で書かれているような民俗学見地からの考察も面白いな。
鴨川デルタの考察(下鴨神社や、上賀茂神社含む)は、目から鱗だった。
たしかに!!!
でも。。
今やアスファルトに囲まれた地面。
民俗学的見地で紐解いた「そこに作られた理由」は、ほぼ効果のないものになってやいませんか?と、読みながら思ったけれど。
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名前や地理、そして神社などから防災の装置を読み取るのがとても面白く、こじつけ的な部分はあれど興味深い考察が続きました。物語として読むよりも、民俗学的な立ち位置から町についてYouTubeがずんだもんだ等を介して話しているようなイメージで読める小説でした。
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“災害伝承”の観点から見た京都の街、神社、祭、豊臣秀吉の政治についてのお話は興味深くそういう見方もあるのかと勉強になった。“神戻し”の伝承にまつわるお話も好き。桜咲教授の講義受けてみたい。
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民俗学的蘊蓄満載の小説第2弾、今回は京都が舞台。天満宮、祇園祭、御土居などの蘊蓄を展開。知的好奇心も含め面白く読ませていただきました。著者、豊臣秀吉好きですね(笑)
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そう言えば川の近くとか、山のヤバいとこに神社多かったかも?京都。(神社仏閣いっぱいあり過ぎて、興味が…)
神社建立とか、お祭りとかには、地を固めるという意味でも防災対策やと。
鴨川も昔は、すごい氾濫してたみたい。その度に対策立ててたけど、神社もその一貫なんかな?
一過性の対策やなく、恒久的な。
上賀茂神社は、前は良く通ってたし、歴史があるのも知ってたけど、感謝の気持ちゼロで通るだけやった(^^;;
これからは、神様にお祈りとかはせんやろうけど、せめて通ったりして地を固めるのには協力しよ!
こう考えると昔から今まで、残った神社やら建物、祭りなどの行事には全て意味あるってこっちゃな。
今回のは、地名の意味よりも、そっち系で防災に結び付けてたような…
神隠しの話も、その時代を反映して、ある意味悲しい…
古代からの壮大な話みたいで、面白い!
更に知ってるとこだけに!
ちなみに、伏見にも桃太郎伝説あってんな。知らんかったわ。
その伝説ある辺、地名が、桃山やから、桃という言葉が付いてるのと関係あるかも?
…知らんけど…(^◇^;)
これから涼しくなって来るんで、京都の神社を踏み締めて来よ!(^-^)v
Posted by ブクログ
京都が舞台。色々無理な部分はあるように思うけれど災害伝承という観点は面白く晴明神社や下鴨神社、上賀茂神社、北野天満宮と知っている場所だと想像して読みやすい。畠山氏や菅原道真、豊臣秀吉らと絡めた話は興味深いかった。
Posted by ブクログ
地名や伝承から災害を推測する災害伝承シリーズ2作目。面白い、んやけどめちゃくちゃ勉強になる。災害伝承面白いって思わせるこの作品凄いな。菅原道真ごめんってなるし河童強ってなるし、秀吉誤解してたわってなるし、お気楽な気持ちの神社参拝全然ありやんってなる
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。
前回は盗作疑惑をぶつけるために乗り込んでいっていましたが、今回は不動産鑑定士見習いのアルバイトのために京都を舞台に伝承の謎に迫っています。
公衆衛生や防災の基本は1000年も前から基本は変わらないんだなぁと思いました。近頃の利益重視のお祭り(やたら高い出店)など、興味を失ってきていましたが、基本に立ち返ってお祭りの起源を考え参加してみるのもいいかなぁと。