上坂あゆ美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ぐおー、おもしろかった
女と女のさざめく感情のやりとりが見られるのって松浦理英子の小説が一番だと思っていたけど、こんな往復書簡で読ませてもらった
自分の価値観や感情を文章にすることに長けている人たちの思考キャッチボールおもしろすぎる
「欲望を優先して他人を尊重するのをおろそかにしがちな人間」と出てきて、わ~!私だ~!と思った。ぶっちゃけていうと私はひらりさ氏のことが嫌いで、視点がおもしろくて文章も素敵でカルチャーに詳しいなんて絶対に好きなはずなのになんで嫌いでだろうなと思ったんだけどたぶん同族嫌悪なんだろうな…
この二人のやりとりやそこに流れる温度感、わからない人は絶対にわからないだろうし、わかる人はじくじくと沁みるぐらいわかると思う -
Posted by ブクログ
30歳前後の若い歌人のエッセイと歌、だったのだ、この本。
少女時代の、家族や友達を呪うような文章がのっけから出てきて、
そしてそれが妙に面白かった。
途中目次のようにみそひともじが一ページの真ん中にどーんとでてきて、、
エッセイひと塊を総括する歌と、途中で気づく。
やんちゃな両親と姉に囲まれ育った彼女は、
そのエネルギーを歌に向けた、ってことなのかな。
なんだかよくわからないけど、おそらく自分の娘と同世代の女性のエッセイ、
何だかエネルギッシュだった。闘ってた。
以下目次、っていうか、これが各エッセイの総括なのね。
ほんとうのことがこの世にあるとしてそれは蟻の巣的なかたちだ
人生でまだ主人公だと思う?って声がイートインコーナーからする
父がくれるお菓子はいつも騒音と玉の重みで少し凹んでた
栗南瓜の煮付けのような夕暮れに甘くしょっぱく照らされる家
めくるめく生クリームに母の声 いつかのメリー・クリスマスイヴ
人生はこんなもんだよ 眉毛すら自由に剃れない星でぼくらは
ヒョウ柄とゼブラで車を埋め尽くす姉は何かを信仰している
それっぽい土手とかないしサンクスの駐車場にていろいろを誓う
今日なにがあっても伸びる豆苗と必死で生きる僕たちのこと
ロシア産鮭とアメリカ産イクラでも丼さえあれば親子になれる
ルフィより強くてジャイアンよりでかい母は今年で六十になる
メイド喫茶のピンクはヤニでくすんでて夢なんて見ない自由があった
水商売なんてしやがってと金持ちのあの子に言われてからの人生
愛はある/ないの二つに分けられず地球と書いて〈ほし〉って読むな
有休で泥だんごつくるぼくたちは世界でいちばんいちばんぴかぴか
強さとはやさしさなのかもしれなくて無害老人計画はじまる
吐瀉物にまみれた道を歩いてく おおきなおおきな犬の心で
わたしにはわたしの呪いがある日々の遠くでひかる裸の言葉
煙草持つ手つきでくわえる葬式のあとのアメリカンドッグはうまい
クズも死後神になれると知ってから餃子のタレが輝いている
人間は何度目ですか むっくりと起き上がる蕨に尋ねられ、風
わたしたちみんなひとりを生きてゆく 横一列で焼き鳥食めば
あとがき -
Posted by ブクログ
ネタバレ地獄を描いた希望の書
はじめて読む上坂さん
どんな人に影響を受けてどうやって生きてきたか、それが全てわかるエッセイ 周りに登場する人物たちが与えたものや言葉がいかにして上坂さんという人間を作っているか、ということを思い知った 他者は自分の媒介者と言うけれど、それが体現されている気がする
あともくじのデザインが良い タイトルも短歌になってるのかな?
「大体の人間は、25歳でようやく人間に成るのではないか」にすごく共感した
わたしもずっと自分のこと人間になりかけだと思っているし、なにができてなにができないのか、わたしはどう考えてどう行動するのか自分のこと全然わかっていない 今まで限界だと思っていたところからステップアップできたり、反対に「わたしはこういう人間なんだった」と落ち込んだりするばかりだから、まだもう少し猶予あるよって教えてくれた気がする -
Posted by ブクログ
ネタバレ全く同質じゃないふたりの交換日記を読みながら最近の人間関係を重ねたり、ここ数年知人達にフェミニズムが全然賛同を得られなかった時の悔しさとそれによる失敗の数々や身近な友人との会話で感じていたわからないを思い出した
わりと長い年数をなんとなく摩擦が起きずらくする処世術でやりすごして来た身としては、居心地が悪い本だったし、2人の書いてる事が腹落ちしなかったりして、心から楽しめたのか?と言われれば、たぶん違いますね。と答えると思うが良い意味でもそうでない意味でも引っ掛かりというかチクチクする刺さりがたくさん感じられたし、何よりここが降りるべき駅だとわかっているのに読む事を止められず数駅先まで行って戻ってくるくらい熱中していた
ひらりささんの最後の
ねえ。次いつ会える?
には涙しそうになった