上坂あゆ美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ歌人上坂あゆ美さんのエッセイ。とても面白かった。正直、歌集はそこまでピンとこなかったが、エッセイはかなり好みだ。女好きでギャン中のどうしようもない父、メンタルも身体もはちゃめちゃに強い母、陽キャでマイルドヤンキーの姉。癖が非常に強くコミュニケーション強者の家族に囲まれて、内気かつ攻撃的な上坂さんの人生はかなりごたごたしながら進行する。
親の離婚前に母と家を出て、移り住んだ先が元デリヘル事務所の部屋…などエッセイのエピソードはどれもかなりインパクトがあるが、悲壮感や鬱屈感などはなくあっさりと語られるので笑えてしまうのだ。短歌を読んだ時は父親は性格もなにもかもクズなのだろうという印象だったが、性格 -
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Posted by ブクログ
タイトルからして面白そうな雰囲気しかしない。
同僚が短歌好きで、短歌に少し興味を持っていたときに、なにかの拍子にこの著者のことを知り読んでみた。
対談イベントで見た時のしっかりした女性という印象とは裏腹に、この本では自我が強かった学生時代ややさぐれた家族環境だったりが赤裸々に書かれてあり、こういう文章を読むたびここまで自分のことを書けるのってすごいなと思ってしまう。
それでも家庭環境は変われど母に対する想いやつい言いすぎてしまったあとの後悔のようなものは分かるなと共感できることもあり、そうした言語化したくてもできないような心の機微を短い文章の中で研ぎ澄まして表現できる能力や努力に羨ましさも感 -
Posted by ブクログ
ネタバレ装丁がとても凝っていて手元に置きたくなる。人生まるごとぶつけられている重みがあって、装丁のチャーミングさからは想像できないほどの読み応え。またエッセイ→短歌という流れは新鮮で楽しい。値段は1980円と高かったけどしっかりお値段以上の読後感。
・人生はこんなもんだよ 眉毛すら自由に剃れない星でぼくらは
・約束しなくても毎日会えて、くだらないことで盛り上がって、美味しいものを一緒に食べて、二人で世界の新発見をし続ける。これが私の思う、二者間の最高で理想の関係である。三十を超えた今でも、本当はああいうことをしていたい。もしかしてこういう日々を永遠にするのが結婚という制度なのかもしれないし(だった -
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Posted by ブクログ
たまたま自分も思っていたことがタイトルになっていたので、初めての作家さんだけど読んでみた。
小説かと思ったけれど滅多に読まないエッセイで、しかも著者さんは小説家ではなく、歌人だった。
ご自身の結構ハードな生い立ちを面白おかしく書いていてあっという間に読んだ。
1つ印象に残ったこと。
誰と話してもかなり盛り上がる上に、不快にさせない範囲で相手の価値観や真実が分かる(らしい)質問。
どうやら初対面の人との会話でも使えるっぽく、著者は転職の面接でも使ったらしい。
それは
「生まれ変わってフルーツになるとしたら何になりたいですか?」
著者は歌人の岡本真帆さんに教えてもらった質問だそう