“夢と現実のギャップ”にかなり重きを置いている作品だなと感じました。
それは
生身の人間描写からかけ離れた萌え系絵柄の世界で、唯一執拗にリアルに描かれた夢子という名前の赤ちゃん
エロゲかラブコメハーレム漫画かと思うような高校生活の中で結ばれた母親ヒロインと父親である青年
妹を含め、かなり現実離
...続きを読むれした容姿や設定のキャラクター達
などからひしひしと伝わってきました。
子育てシーンは終始徹底して辛く重々しいものとして描かれています。
ギャグとシリアスを絶妙に使い分けながら表現しているところが、この重々しさをリアルに見せているのだと思います。
物語の終わり方も、子育てに関しては特に何かが解決した訳でもなく、これからも相変わらず日々が続いていくという幕引きがリアルで良かったです。
私は出産を経験したことが無いので、これがどの程度現実的なのかは判別できません。
ただ作中にもあったように、母親であるヒロインからはいわゆる母性愛というものが感じられません。
恋愛面に関しても、サバサバと立ち回る女性キャラばかりなお陰であの状況にもかかわらず全くドロドロも無く、女性特有の陰湿さもありませんでした。
あくまで“男性が描いた母親の子育てに対する苦悩”であるというのを念頭に置いて読むのが正解なのかなと思いました。