小川清史のレビュー一覧
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元陸将、元空将、元海将という、自衛隊のトップクラス幹部を務めた方々が出演し、ウクライナの状況について考察を述べるYouTube番組の書籍化。
個人的にこれといったことは何もできないながら、関心を持ち続けることだけはやめないようにしようと思っている中で、プロの分析を読みたいと思い検索で見つけた。
自衛隊幹部の分析ということで、政治の延長としての戦争という現代的な定義をベースに展開される論理的な考察は、テレビでは全く聞けない具体的で実際的なものばかり。期待を上回る内容であった。
本書の元の動画は最初の5ヶ月間に公開されたものなので、2023年6月現在では新しい事実が分かっていると思われることもあるのは仕方がないところ。
専守防衛というコンセプトは個人的には賛同だが、それも攻撃的抑止力がないとなりたたないのかもしれない、ということはそう思えるようになってきた。
また、ファシリテーターである桜林氏のあとがきに興味深いことが書かれていた。
陸海空軍は基本的に別組織であり別の論理で動くものであるいうことは各国共通だが、日本の場合は同じ学び舎で4年を過ごす珍しい方式をとっていることが、統合運用の進化を比較的スムーズに進める効果をもたらしているとのこと。
こういった特長が、専守防衛というこれも珍しいコンセプトと融合して、日本式の抑止力の構築につながることを期待したい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大東亜戦争を元自衛隊幹部の方々が振り返れば・・・という、つまり軍事のプロの視点で描かれている。
前段で述べられている通り、これは「正解」ではないということである。歴史問題であるから視点によって変わるから当然でしょうね。反省すべき点は現代に活かしてほしい、というメッセージが含まれていると思います。
所々、現代の政治や企業組織運営論にも述べられていました。また、対話書き起こし形式の書籍でしたこともあり、割と軽く読み進めることができました。
自分自身、大東亜戦争について誤解していたと思われる部分もあり(何が正解なのか、ではありますが)、読み終えて意識をアップデートしたような気分です。 -
Posted by ブクログ
戦争を“歴史の出来事”としてではなく、“人の営み”として見つめ直す。
本書にはそんな静かなまなざしがある。
本書は、陸上自衛隊と海上自衛隊の元幹部が、
昭和の大戦――すなわち大東亜戦争を、
それぞれの立場から冷静に振り返りながら、
なぜ日本は敗れたのか、そして何を学ぶべきだったのかを探る一冊だ。
著者たちは、単に戦略や兵器の話をしているわけではない。
現場の兵士たちが、どんな状況で、どんな思いで戦っていたのか。
補給の尽きた戦地で、命令と現実の狭間に立たされた人々の苦悩。
その“声にならない声”を拾い上げようとしている。
読んでいると、戦史の裏に生きた「人間の気配」が立ちのぼってくる。
生きて帰ることを許されなかった兵士。
部下を守れなかった指揮官。
家族に何も言えぬまま、遠く南方の島で散っていった若者たち。
彼らの姿を思うとき、歴史は数字や地図ではなく、ひとつの“祈り”として胸に迫る。
著者たちは、それを感傷ではなく、理性で語る。
「彼らの犠牲をどう次代に生かすか」
それがこの本の核にある問いだ。
過去を美化することも、ただ批判することもない。
その中間にある「考える姿勢」こそが、
クリティカルシンキング――つまり“批判的に考える力”なのだと思う。
歴史を学ぶとは、戦った人々の痛みを受け止めることでもある。
その痛みの上に、今の平和が成り立っている。
そう感じさせてくれた一冊だった。 -
Posted by ブクログ
YouTubeにちゃんねるくららなる番組があって、そこで陸海空自衛隊OBと保守系知識人が現在進行形のウクライナ戦争と日本の防衛問題について扱っていて、それを書籍にしたもの。ウクライナ戦争は細かくフォローしていなかったのでその分析がどうなのかを評することはできないが、オープンソースで説得力のある分析をしていると思う。
ロシアのBTGや黒海の封鎖、ドネツ川渡河作戦の失敗など話していて勉強になる。現状のウクライナのロシアへの逆侵攻とかどう議論しているのか気になる。あまり時間ないので見ないけど。
日本の防衛に関しては、ここでOBたちが言っていた統合司令部の創設や戦車のモスボールなどは実行に移されてきているので、OBたちが議論することで日本の防衛政策が進歩してきたことがわかる。特にOBは天下ったのでなければ組織のしがらみがないはずだと思うので、優秀なOBが積極的に防衛政策を提言するのはいいと思う。中途半端に語ろうとして現役から特定秘密に該当する情報をブリーフィングさせちゃうのとかはあり得ないけど。
安倍首相への評価がみんな高くて、おそらく参加者はみんな保守的な感じだからかと思っていたけど、実際に熊本地震での対応や平和安全法制を巡る議論で示した姿勢は大したものだと思う。